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【2026年最新版】令和8年度税制改正で年末調整はどう変わる?178万円の壁を解説

公開日

この記事でわかること

令和8年の年末調整に関するトピックを中心に、以下について紹介します。

  • 令和8年の年末調整に影響する改正点
    • 所得税の「非課税ライン」が178万円へ引き上げ
    • 配偶者控除等の所得判定基準の見直し
    • 子育て世帯の生命保険料控除の拡充など
  • 令和9年の年末調整に影響する改正点
    • ひとり親控除の控除額引き上げ
    • 基礎控除・給与所得控除の特例加算の継続適用など

詳しくは、以下の目次をご覧ください。

目次

こんにちは。SmartHRドメインエキスパートの中島です。クラウド型人事労務システム「SmartHR」の年末調整機能の開発に携わっています。

2026年4月に、国税庁から「令和8年4月 源泉所得税の改正のあらまし」が公表されました。令和8年度税制改正は「物価高への対応と非課税ラインの引き上げ」を基本方針とし、とくに「年収の壁の引き上げ」に重点を置いています。

本記事では、令和8年および令和9年の年末調整に影響する主要な改正点と、その実務対応について解説します。

※本記事は2026年5月時点で明らかになっている情報をもとに作成しました。年末調整に関する最新の情報や書類の様式などは、今後アップデートされる可能性があります。あらかじめご注意ください。

令和8年度税制改正の全体像と実務への影響

令和8年度の税制改正は、昨年(令和7年度)に続く「年収の壁」対策の継続・強化が中心です。実務担当者として押さえておきたいポイントは、以下の4点です。

  • (1)「年収の壁」対策の継続と強化
    • 令和7年度改正から続く政府の基本方針であり、さらなる手取り増を目指した進展であること
  • (2) 非課税枠が「178万円」へ大幅拡大
    • 従来の103万円から昨年の160万円を経て、178万円へと引き上げられる点が最大の変更点であること
  • (3) 多くの給与所得者が対象となる大規模減税
    • 一部の層だけでなく、大多数の従業員に影響が及ぶ実務インパクトの大きい改正であること
  • (4)「令和8年」と「令和9年」で適用時期が分かれる
    • 項目ごとに適用開始年が異なり、令和8年分の年末調整と令和9年分の年末調整で対応すべき内容が分かれること

令和7年までの「年収の壁」

まずは、これまでの「年収の壁」の経緯について整理をしましょう。

令和6年まで:103万円超で自分の所得税が課税される

従来、年間の給与収入が103万円を超えると、所得税の基礎控除額48万円と給与所得控除額55万円の合計額を超えるため、超過した金額に対して所得税が課税されていました。これがいわゆる「103万円の壁」です。

令和7年度改正:「160万円」まで引き上げ

令和7年度税制改正により、基礎控除が最大95万円、給与所得控除の最低保障額が65万円に引き上げられ、年収160万円までは所得税がかからない新たな「年収の壁」となりました。

このように、昨年の税制改正では「年収の壁」が引き上げられており、令和8年度税制改正においても、この方針がさらに進められています。

そのほかの「年収の壁」

今年、「178万円の壁」が新設されたからといって、単純に多く働けるメリットだけがあるわけではありません。令和7年時点では、以下のように所得税以外にも、いくつかの「壁」が存在しました。

壁の名称
内容
主な影響
106万円の壁
社会保険(被用者保険の加入義務)
「従業員51人以上」の企業の場合、条件を満たすと健康保険・厚生年金保険への加入義務が発生
130万円の壁
社会保険(扶養外)
106万円の壁に該当しなかった人でも、自らの勤務先の社会保険に入るか、国民年金・国民健康保険に入る必要あり
160万円の壁
所得税(配偶者特別控除の減額)
配偶者特別控除が満額受けられなくなる
201万円の壁
所得税(配偶者特別控除の終了)
配偶者特別控除が受けられなくなる

178万円という新たな所得税の非課税ラインが生まれた一方で、社会保険の加入や配偶者特別控除の適用など、ほかにも理解しておくべき「壁」が複数あります。今後予定されている制度変更もふまえ、従業員一人ひとりが自身のライフプランにあった働き方を選べるよう、企業側でも制度全体への理解が求められます。

令和8年分の年末調整に影響する改正点

ここからは、2026年(令和8年分)の年末調整に影響を及ぼす税制改正について解説します。

(1)所得税の「非課税ライン」が178万円へ引き上げ

令和8年度税制改正の最大の目玉は、所得税の非課税ラインが178万円まで引き上げられる点です。これにより、給与所得者の所得税負担が大きく軽減されます。この178万円は、ひとつの改正で実現するものではなく、基礎控除の引き上げと給与所得控除の引き上げの2つの見直しを組み合わせて達成されます。それぞれ順に見ていきましょう。

改正の背景

物価の上昇局面に対応するため、所得税の非課税ラインを特例的に先取りして引き上げることが基本方針となっています。令和7年度税制改正で「103万円の壁」が「160万円の壁」に引き上げられ、今回の令和8年度改正ではさらに「178万円の壁」へと引き上げられます。これにより、多くの給与所得者を対象とする大規模な減税となる見込みです。

改正内容(1):基礎控除の引き上げ(最大104万円)

基礎控除は「本則」と「特例」の2階建てで引き上げられます。

​【本則】基礎控除の引き上げ

合計所得金額2,350万円以下の場合、基礎控除額が4万円引き上げられ、58万円→62万円となります(恒久的な措置)。

この本則4万円の引き上げは、令和8年度税制改正で導入された「2年ごとに物価動向をふまえて基礎控除等を見直す仕組み」にもとづくものです。具体的には、直近2年間の消費者物価指数(総合)の上昇率を基礎控除額に反映させる仕組みで、今回は上昇率がおよそ6%だったことを反映し、本則の基礎控除が4万円引き上げられました。今後も同様に、2年ごとに物価動向をふまえた見直しが実施される予定です。

合計所得金額
基礎控除額(本則)
2,350万円以下
58万円 → 62万円
2,350万円超 2,400万円以下
48万円
2,400万円超 2,450万円以下
32万円
2,450万円超 2,500万円以下
16万円

【特例】基礎控除の特例加算

令和7年度改正で時限立法措置として引き上げられた基礎控除の特例部分の金額について、令和8年・令和9年分では、合計所得金額が489万円以下の場合に最大42万円まで引き上げられます。これにより、合計所得金額489万円以下(給与収入665万円相当)の所得者層が、大きな減税効果の対象となります。

令和8年分の特例加算額は以下のとおりです。

合計所得金額
基礎控除(特例加算)
132万円以下
37万円 → 42万円
132万円超 336万円以下
30万円 → 42万円
336万円超 489万円以下
10万円 → 42万円
489万円超 655万円以下
5万円(据え置き)

本則62万円+特例最大42万円を合算すると、基礎控除は合計所得金額489万円以下の場合に最大104万円となります。

源泉所得税の改正前と改正後を表した表

出典:国税庁「令和8年4月 源泉所得税の改正のあらまし」

改正内容(2):給与所得控除の引き上げ(最大74万円)

給与所得控除も「本則」と「特例」の2階建てで引き上げられます。

​【本則】給与所得控除の最低保障額の引き上げ

給与所得控除の最低保障額が4万円引き上げられ、65万円→69万円となります(恒久的な措置)

【特例】最低保障額の特例加算

本則69万円+特例5万円を合算すると、給与所得控除の最低保障額は最大74万円となります。

源泉所得税の控除額改正前後の表

出典:国税庁「令和8年4月 源泉所得税の改正のあらまし」

改正内容(3):合算で「178万円の壁」へ

ここまでの内容をまとめると、改正後の控除額は以下の表のとおりとなります。

項目
改正前(令和7年)
改正後(令和8年分)
基礎控除(本則)
58万円
62万円
基礎控除(特例、最大)
37万円
42万円
給与所得控除(最低保障・本則)
65万円
69万円
給与所得控除(最低保障・特例)

5万円(新設)

つまり、

  1. 基礎控除(本則62万円)+基礎控除(特例42万円)=104万円
  2. 給与所得控除(本則69万円)+給与所得控除(特例5万円)=74万円

上記2つを足し合わせると、所得税がかからない新たな「年収の壁」は178万円へと生まれ変わったことになります。

所得税の非課税ラインの引き上げ推移を表した表

出典:国税庁 「令和8年4月 源泉所得税の改正のあらまし」をもとに編集部作成

【年末調整への影響】

合計所得金額によって基礎控除額が大きく変動するため、従業員が記載する所得見積額の正確性が、これまで以上に重要になります。とくに基礎控除の特例加算は、489万円・655万円に階段状の閾値があり、控除額が大きく変わります。申告書の「給与所得欄」「合計所得金額」の記入には、とくに注意を促しましょう。

変更予定の年末調整関係書類

出典:国税庁「変更を予定している年末調整関係書類(事前の情報提供)

また、本改正の施行と適用時期にも注意が必要です。

これらの改正は原則として令和8年12月1日に施行され、令和8年分以後の所得税について適用されます。

そのため、月次の源泉徴収事務(令和8年1月〜11月)に変更はなく、令和8年12月の年末調整で、改正後の控除額により年税額を再計算します。12月の年末調整時には、1月〜11月の源泉徴収額(改正前のルール)と、改正後の年税額との差額を精算するため、例年と比べて還付額が増える従業員も多くなるでしょう。

なお、令和8年・令和9年の「特例計算」は階段状の閾値が多く複雑なため、手計算での対応は現実的ではなく、年末調整システムの活用が欠かせません。給与計算ソフトをご利用の場合は、令和8年度税制改正に対応したアップデート情報とスケジュールを早めに確認しましょう。

(2)配偶者控除・扶養控除等の所得判定基準の引き上げ

改正の背景

基礎控除(本則)が4万円引き上げられたことにあわせて、各種人的控除の所得要件も同じく4万円ずつ引き上げられます。

改正内容

主な改正内容は次のとおりです。

  • 配偶者控除・扶養控除等の合計所得金額要件が4万円引き上げ(58万円→62万円)
  • 配偶者特別控除は下限のみ4万円引き上げ、上限は変更なし
  • 勤労学生控除の所得要件も4万円引き上げ(85万円→89万円)
項目
改正前
改正後
備考
配偶者控除・扶養控除等(合計所得金額要件)
58万円以下
62万円以下
-
配偶者特別控除(対象配偶者の所得要件)
58万円超〜133万円以下
62万円超〜133万円以下
上限133万円は変更なし
特定親族特別控除(対象親族の所得要件)
58万円超〜123万円以下
62万円超〜123万円以下
上限123万円は変更なし
障害者控除(同一生計配偶者・扶養親族の所得要件)
58万円以下
62万円以下
-
寡婦控除(対象親族の所得要件)
58万円以下
62万円以下
-
ひとり親控除(生計を一にする子の所得要件)
58万円以下
62万円以下
-
勤労学生控除(所得要件)
85万円以下
89万円以下
-

出典:国税庁「令和8年4月 源泉所得税の改正のあらまし」をもとに編集部作成

【年末調整への影響】

扶養家族が給与収入のみの場合、所得要件62万円に給与所得控除(最低保障額74万円)を加えた給与収入136万円以下(改正前123万円以下)が判定基準となります。

出典:国税庁「令和8年4月 源泉所得税の改正のあらまし」

それにともない、扶養控除等申告書の記載内容を確認する際は、改正後の所得要件で判定する必要があります。

令和8年分給与所得者の扶養控除等(異動)申告書

出典:国税庁「令和8年分扶養控除等(異動)申告書」

※上記は改正前の所得要件にもとづく現行様式です。改正後の所得要件を反映した様式は、令和8年6月末に公表される見込みです。

(3)子育て世帯の生命保険料控除の拡充

改正の背景

令和7年度税制改正において、物価の上昇局面における税負担の調整と、子育て支援に関する政策の一環として、生命保険料控除が見直されました。なお、本改正は令和7年度税制改正で決定された内容ですが、適用が令和8年分からとなるため、令和7年(2025年)の年末調整では実施されず、令和8年の年末調整で初めて適用される点に注意が必要です。

改正内容

23歳未満の扶養親族を有する場合に限り、一般生命保険料控除(新生命保険料に係るもの)の適用限度額が、現行の4万円から6万円に引き上げられます。

新生命保険料に係る一般生命保険料控除の控除額は、次のとおり計算されます。

年間の新生命保険料
控除額
30,000円以下
新生命保険料の全額
30,000円超 60,000円以下
新生命保険料 × 1/2 + 15,000円
60,000円超 120,000円以下
新生命保険料 × 1/4 + 30,000円
120,000円超
一律 60,000円

出典:国税庁「令和8年4月 源泉所得税の改正のあらまし」

主なポイントは次のとおりです。

  • 対象となるのは新生命保険料(平成24年1月1日以後に締結した保険契約等)に限られ、旧生命保険料は対象外
  • 対象は、23歳未満の扶養親族がいる居住者
  • 旧生命保険料および本特例の適用がある新生命保険料を支払った場合、一般生命保険料控除の適用限度額は6万円(改正前:4万円)となる
  • 一般生命保険料控除、介護医療保険料控除、個人年金保険料控除の合計適用限度額は12万円(改正前と同じ)で変更なし

なお、この特例は、夫婦どちらか一方が23歳未満の子を扶養控除の対象にしている場合でも、もう一方も特例の適用対象となります(措置法第41条の15の5の規定)。

たとえば、共働き世帯で妻が23歳未満の子を扶養控除に入れているケースでも、夫は妻の扶養親族である子について本特例(生命保険料控除6万円)を適用できます。同様に、自分自身の扶養親族でなくとも、配偶者などほかの所得者が扶養控除を受けている23歳未満の親族がいれば、本特例の対象となります。

通常の「扶養控除」は1人の子供につき夫婦どちらか一方しか適用できませんが、この生命保険料控除の特例は、夫婦双方がそれぞれ適用を受けられる点が異なります。

これは、特例の判定において、生計を一にする23歳未満の親族がいれば、その子を扶養控除の対象にしているかどうかにかかわらず、夫婦のいずれもその親族を有しているものとして扱うとされているためです。

従業員からの問い合わせが想定される箇所のため、案内時には扶養控除との違いをあわせて説明しておくとよいでしょう。

出典:国税庁「租税特別措置法取扱通達 41の15の5-1『一の居住者の扶養親族が他の居住者の扶養親族に該当する場合』」

変更予定の年末調整関係書類

出典:​国税庁「令和8年分 給与所得者の保険料控除申告書」

【年末調整への影響】

本改正の年末調整実務への主な影響を整理します。

  • 保険料控除申告書の様式変更:「年齢23歳未満の扶養親族の有無」と「該当する扶養親族の情報」(氏名・個人番号・住所・生年月日・続柄・合計所得金額の見積額)の記載欄が新設される見込みです
  • 控除計算式の変更:23歳未満の扶養親族がいる従業員については、申告書の記載内容にもとづき、新生命保険料の控除計算において新たな計算式(適用限度額6万円)を適用します
  • 対象範囲の周知:自分自身の扶養親族として控除を受けていない23歳未満の親族(配偶者の扶養親族など)も特例の対象となるため、従業員への案内では「夫婦どちらか一方が扶養していれば対象になる」点を説明しましょう

申告書の様式が変更される見込みのため、国税庁から公開される「変更を予定している年末調整関係書類」を確認のうえ、従業員への記入案内方法を準備しましょう。

(4)そのほか(参考:通勤手当の非課税限度額の改正)

ここまで解説した改正点に加え、令和8年度税制改正では通勤手当の非課税限度額の改正も行われています。本改正は令和8年4月1日以後に支払われるべき通勤手当について適用されており、月次の給与計算における源泉徴収事務への影響が中心で、年末調整事務に直接の影響はありません。ただし、年収全体の構造にかかわる改正のため、参考情報として概要を紹介します。

改正の背景

物価高騰や長距離通勤・地方移住といった働き方の多様化をふまえ、従来の非課税上限額(片道10km以上など)が実態に見合わなくなったため、非課税枠が拡大されます。

改正内容

主な変更点は以下の2点です。

1. 通勤距離が片道65km以上の人の非課税限度額が引き上げ

(参考)片道55km以上65km未満
38,700円(据え置き)
片道65km以上75km未満
45,700円(新設・改正前38,700円)
片道75km以上85km未満
52,700円(新設・改正前 〃  )
片道85km以上95km未満
59,600円(新設・改正前 〃  )
片道95km以上
66,400円(新設・改正前 〃  )

2. 一定の要件を満たす駐車場等の利用料金加算措置の創設

  • 自動車や自転車などの交通用具を使用する人が、駐車場等の料金を負担している場合、その通勤距離の区分に応じた非課税限度額に1か月当たりの駐車場代相当額(上限5,000円)を加算した金額とする
通勤手当の非課税限度額について表した表

出典:国税庁「通勤手当の非課税限度額の改正に関するQ&A」

【年末調整への影響】

なお、年末調整時には、改正後の非課税枠で計算された通勤手当が月次の給与計算に正しく反映されている前提で年税額が計算されます。月次給与計算側の対応が完了していることを確認しましょう。

令和9年分の年末調整に影響する改正点

続いて令和9年分の年末調整における変更点について解説します。

(1)ひとり親控除の控除額の引き上げ

改正内容

ひとり親控除について、所得税の控除額が35万円から38万円へ引き上げられます。本改正は令和9年分以後の所得税について適用されます。なお、個人住民税の控除額についても、令和10年度分以後から30万円から33万円へ引き上げられます

なお、令和8年分から適用される変更として、ひとり親控除の対象となる「生計を一にする子」の所得要件が58万円以下から62万円以下へ緩和されています。これは基礎控除の改正にともなう所得判定基準の見直しの一環です。ただし、令和8年分は所得要件の緩和のみが実施され、控除額の引き上げ自体は令和9年分からとなる点に注意が必要です。

【年末調整への影響】

ひとり親控除の改正は、令和8年分と令和9年分で適用範囲が異なる構造になっています。

  • 令和8年の年末調整:所得要件のみ緩和(控除額は従来どおり35万円)
  • 令和9年の年末調整:控除額が38万円に引き上げ

該当者がいる場合は、適用年に応じて適切な控除額・所得要件で計算する必要があるため、適用時期の切り分けに注意しましょう。

出典:国税庁「令和8年4月 源泉所得税の改正のあらまし」(所得税分)
出典:自由民主党・日本維新の会「令和8年度与党税制改正大綱」(令和7年12月19日)(個人住民税分)

(2)時限措置(特例加算)の継続適用

改正内容

「令和8年分の年末調整に影響する改正点」で解説した、基礎控除の特例(最大42万円)および給与所得控除の特例(5万円)は、令和9年分まで継続して適用されます。

つまり、現時点では178万円の非課税ラインを支える「特例加算」(基礎控除最大42万円、給与所得控除5万円)は令和8年分・令和9年分の2年間限定の時限措置です

ただし、与党大綱では「生活保護基準額が178万円に達するまでは、課税最低限178万円を維持する」方針が示されており、令和10年分以降も178万円の課税最低限自体は継続される見込みです。具体的な実現方法(特例の継続か別の手段かなど)は今後の税制改正で定められる予定のため、引き続き改正動向に注視する必要があります。

出典:自由民主党・日本維新の会「令和8年度与党税制改正大綱」(令和7年12月19日)

令和8年は「178万円の壁」を中心に、変更点を押さえましょう

令和8年度税制改正は、昨年に続き「年収の壁」対策が中心であり、所得税の非課税ラインが160万円から178万円へとさらに引き上げられる点が最大のポイントです。

あらためて、実務上のポイントは以下のとおりです。

  • 178万円まで非課税枠が広がることで、パート・アルバイトのシフト調整が柔軟になる可能性があること
  • 令和8・9年限定の「特例計算」は複雑なため、給与計算システムでの対応が欠かせないこと
  • 今後公開される「扶養控除等申告書」などの新様式の変更点に注視すべきこと
  • 改正は原則として令和8年12月1日に施行され、令和8年12月の年末調整から適用されること
  • ひとり親控除など、令和8年分と令和9年分で適用範囲が異なる項目があるため、適用時期の切り分けに注意が必要なこと

昨年の160万円の壁への対応に続き、2026年も複雑な制度変更により書類の様式変更が予定されています。年末調整の時期に向けて、早めに変更内容を理解し、着実に準備を進めていきましょう。

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