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社会保険の加入条件とは?パートや扶養の基準と社会保険適用拡大を解説

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目次

社会保険の加入条件は、事業所の区分や規模、従業員の労働時間・雇用期間など、さまざまな要素によって判断されます。

近年では社会保険の適用拡大が進み、とくに短時間労働者に関する条件が複雑になっているため、判断に迷うケースも少なくありません。

本記事では、事業所側・従業員側それぞれの視点から、社会保険の加入条件を整理して解説します。

※本記事に掲載している情報は2026年4月現在の情報です。

社会保険の加入条件とは

社会保険の加入条件は、「事業所」と「従業員」のそれぞれに基準が設けられています。加入が必要かどうかは、事業所の形態や規模、そして従業員の労働時間や賃金といった諸条件を照らしあわせて判断されます。

一般的に「社会保険」とは、健康保険・厚生年金保険・介護保険の3つを指します。文脈によってはこれらに「労働保険(労災保険・雇用保険)」を含めた広義の意味で使われることがあります。

本記事では、狭義の社会保険(健康保険・厚生年金保険・介護保険)に焦点を当て、事業所と従業員それぞれの視点から加入条件をわかりやすく解説します。

社会保険の全体像や制度の目的、主な給付を知りたい方は以下の記事を参考にしてください。

事業所の社会保険加入条件

社会保険の加入条件を検討する際は、「企業単位」ではなく、本店・支店・営業所といった「事業所単位」で判断する点に注意が必要です。

実務上は、その事業所が自動的に加入対象となる「強制適用事業所」か、認可を受けて加入する「任意適用事業所」かのいずれかにわけて判断します。

ここでは、それぞれの加入条件を詳しく解説します。

事業所の社会保険加入区分

強制適用事業所

株式会社など法人の事業所は、従業員数や業種に関係なく、強制適用事業所として社会保険に加入します。個人事業所は、農林漁業、サービス業などの場合を除いて常時5人以上の従業員を雇用している場合に強制適用事業所として扱われます。

・常時従業員を使用する法人事業所
・常時5人以上の従業員が働いている事業所、工場、商店等の個人事業所

(引用)任意適用申請の手続き - 日本年金機構

強制適用事業所は、その名のとおり強制的に社会保険の加入が求められるため、企業や従業員の意思で加入可否を選べません。

任意適用事業所

任意適用事業所とは、強制適用事業所(法人の事業所、常時5人以上の従業員を使用する個人事業所(農林漁業やサービス業等一定の業種を除く))以外の事業所のことです。

任意適用事業所は社会保険の加入を任意で選択可能で、従業員の2分の1以上の同意を得て加入申請ができます。申請先は管轄の年金事務所で、認可を受けると適用事業所として扱われます。

社会保険に加入する事業所の範囲(現行制度)

(出典)社会保険の加入対象の拡大について - 厚生労働省

従業員の社会保険加入条件の全体像

従業員の社会保険加入には、労働時間や雇用期間などさまざまな判断基準があります。ここでは、正社員・契約社員・派遣社員など雇用形態ごとに、加入条件の全体像を解説します。

正社員の加入条件

適用事業所に雇用されるフルタイムの正社員は、入社日から社会保険に加入します。

たとえば、入社日が会社の休日にあたり、実際の初出社日がその翌営業日となる場合でも、社会保険の資格取得日は初出社日ではなく入社日となります。

入社日が4月1日(日)で、初出社日が4月2日(月)の場合、社会保険の資格取得日は「4月1日(日)」になります。

契約社員の加入条件

有期雇用である契約社員は、2か月を超えて使用される見込みがあり、1週間の所定労働時間および1か月の所定労働日数が、同じ事業所に使用される通常の労働者の4分の3以上であれば加入対象です。

たとえば、同事業所のフルタイムで働く従業員の週所定労働時間が40時間の場合、契約社員の週所定労働時間が30時間以上であれば、社会保険に加入します。

一方で、所定労働時間が4分の3未満であっても、企業規模や所定労働時間などの要件を満たすと、社会保険の加入対象となる場合があります。

短時間労働者の具体的な加入要件については、次章で詳しく解説します。

派遣社員の加入条件

派遣社員は、派遣元企業と雇用関係にあるため、派遣元で社会保険に加入します。派遣元企業が適用事業所である場合、加入要件は通常の企業と同様に判断されます。

以上の内容を一覧表形式でもまとめていますので、参考にしてください。

雇用形態
加入タイミング
主な加入条件
備考・注意点
正社員
入社日当日
とくになし(原則全員加入)
休日入社であっても、初出勤日ではなく「入社日」が資格取得日となる
契約社員
条件を満たした日
(1)2か月を超える雇用の見込みがある​

(2)所定労働時間が正社員の4分の3以上
4分の3未満でも、企業規模などの要件を満たせば加入対象となる(短時間労働者)​
派遣社員
条件を満たした日
派遣元(派遣会社)の基準に従う
加入手続きは派遣先ではなく派遣元企業で行なう

短時間労働者の社会保険加入はどう判断する?

近年は、パート・アルバイトなど多様な働き方の広がりを背景に、社会保険の適用拡大が段階的にすすめられています。従来は加入対象外であった短時間労働者にも社会保障を広く適用し、「年収の壁」による就業調整の解消を図ることが目的です。

「年収の壁」については、以下の記事でも詳しく解説しています。

なお、短時間労働者とは、「特定適用事業所」「任意特定適用事業所」または「国・地方公共団体に属する事業所」に勤務し、1週間の所定労働時間または1か月の所定労働日数が、通常の労働者の4分の3未満で、一定の要件を満たした労働者です。

ここでは、短時間労働者の社会保険加入に関する判断のポイントを具体的に解説します。

【原則】4分の3基準

パートやアルバイトなど雇用形態にかかわらず、1週間の所定労働時間および1か月の所定労働日数が、同じ事業所で同様の業務に従事している通常の労働者の4分の3以上であれば加入対象です。

ただし、特定適用事業所等(2027年9月までは従業員が常時51人以上の企業)に勤務する短時間労働者は、次の4つの条件を満たすと社会保険に加入します。

  1. 1週間の所定労働時間が、20時間以上である
  2. 所定内賃金が月額88,000円以上である
  3. 2か月を超えて働く予定がある
  4. 学生ではない(休学中、夜間学部・定時制・通信制の課程に在学する方などは、加入対象となる場合があります)
社会保険に加入する短時間労働者(現行制度)

(出典)社会保険の加入対象の拡大について - 厚生労働省

勤務先の企業規模や労働条件によって、社会保険加入の可否がわかれる点がポイントです。

従業員51人以上の特定適用事業所の基準

特定適用事業所とは、短時間労働者にも社会保険加入が義務づけられる事業所のことです。

具体的には、厚生年金保険の被保険者数が「50人を超える(51人以上)」月が、直近1年間のうち通算で6か月以上あると、特定適用事業所に該当します。要件を満たすと、日本年金機構から「特定適用事業所に関する重要なお知らせ」が届きます。

特定適用事業所になると、これまで未加入だった従業員のうち、週20時間以上などの加入要件を満たす短時間労働者について、社会保険の加入義務が発生します。要件を満たす可能性がある場合は、被保険者が増えた場合の保険料の負担や、対象となる従業員への説明が発生するため備えておきましょう。

社会保険の適用除外とは

社会保険の適用事業所で働き、労働時間の条件などを満たしていても、適用除外となるケースがあります。

適用除外となる具体例を一覧表にまとめたので、参考にしてください。

条件
適用除外とならないケースなど

2か月以内の雇用期間を定めて雇用される者

雇用契約書などに「更新される旨」または「更新される場合がある旨」が明示されていれば、雇用期間の当初から被保険者となる

日々雇用される者

1か月を超えて引き続き雇用されることとなった場合、その日から被保険者となる

季節的業務(4か月以内)に雇用される者

継続して4か月を超える予定で雇用される場合は、当初から被保険者となる

臨時的事業(雇用期間6か月以内)の事業所に使用される者

継続して6か月を超える予定で雇用される場合は、当初から被保険者となる

所在地が一定しない事業所に使用される者

例外なし(いかなる場合も被保険者とならない)

船員保険の被保険者

船員保険は健康保険に相当する制度のため、健康保険は適用除外。ただし、厚生年金保険には別途加入が必要

70歳以上の者
(厚生年金保険)


70歳の誕生日の前日に厚生年金保険の資格を喪失する(健康保険は75歳まで継続)

75歳以上の者
(健康保険)

75歳の誕生日当日に後期高齢者医療制度へ移行し、健康保険の資格を喪失する

「2か月以内の雇用期間を定めて雇用される者」とは、パートやアルバイトなどの有期契約の従業員を雇用する際に、初回契約を2か月と設定すれば適用除外にできるという趣旨ではないため注意が必要です。

当初から2か月を超えて雇用される見込みがあり、所定労働時間などの条件を満たす場合は、雇い入れ日から社会保険の加入手続きが必要です。

(参考)厚生年金保険・健康保険の被保険者資格の勤務期間要件の取扱いが変更になります。 - 厚生労働省
(参考)適用事業所と被保険者 - 日本年金機構

社会保険の加入条件に関する法改正

社会保険適用拡大の変遷

社会保険における短時間労働者の適用拡大に関する法改正が、近年相次いでいます。加入要件の撤廃や適用事業所の要件の見直しなど、実務に影響の大きい改正内容を解説します。

(1)2024年10月改正で対象企業が51人以上に拡大

2024年10月から、短時間労働者が社会保険の加入対象となる「特定適用事業所」の要件が変更されました。

2024年9月までは、常時使用する従業員数が101人以上の企業が対象でしたが、2024年10月以降は、常時51人以上の企業まで対象が広がっています。

社会保険の適用拡大イメージ

(出典)社会保険の適用が拡大!従業員数51人以上の企業は要チェック - 政府広報オンライン

(2)2026年10月に88,000円の賃金要件(106万円の壁)は撤廃予定

短時間労働者の加入条件の1つである「月額88,000円以上」の賃金要件は、金制度改正法(令和7年6月公布)にもとづき、2026年10月に撤廃される見込みです。

短時間労働者の社会保険加入条件の1つに「月額88,000円以上」の賃金要件がありますが、近年の最低賃金の大幅な引き上げにより、この要件は実質的に形骸化しています。

2026年3月31日にはすべての都道府県で最低賃金が時給1,016円以上となりました。これにより、もう1つの要件である「週の所定労働時間20時間以上」を満たせば、計算上、必然的に月額88,000円を上回ることになります。

こうした背景から、現在は賃金要件を個別に判断する実務上の意義が薄れており、年金制度改正法(令和7年6月公布)により、同要件の撤廃が予定されています。厚生労働省の特設サイトでは、賃金要件は2026年10月に撤廃予定と案内されています。また、制度説明では、「法律の公布から3年以内で、全国の最低賃金が1,016円以上となることを見極めて判断」とされています。

(参考)日本年金機構からのお知らせ令和8年1月号 - 日本年金機構

(3)企業規模要件は2035年までに段階的に撤廃へ

現在の「従業員数51人以上」という企業規模要件も、2035年10月までに段階的に撤廃される方針が示されています。撤廃後は、企業規模にかかわらず「週の所定労働時間20時間以上」などの要件を満たす短時間労働者が社会保険の対象となります。

短時間労働者の加入条件

(出典)社会保険の加入対象の拡大について - 厚生労働省

(4)個人事業所も適用対象が拡大

現在、常時5人以上の従業員を雇用している個人事業所のうち、農林漁業やサービス業など一部の業種は適用除外ですが、この条件も改定される予定です。

2029年10月以降は業種の区分が見直され、常時5人以上の従業員を使用する個人事業所は、原則、すべての業種で適用対象となります。

なお、経過措置として、2029年10月時点ですでに存在している個人事業所は、当分のあいだ適用対象外とされます。そのため、2029年10月以降に新たに開設された個人事業所から順次適用が拡大する予定です。

社会保険の加入対象拡大②

(出典)社会保険の加入対象の拡大について - 厚生労働省

社会保険の加入条件と扶養の仕組み

社会保険には扶養制度があり、本人が社会保険に加入しなくても、家族の社会保険の被扶養者となることで医療保障などが受けられます。被扶養者に認定されると、保険料負担なく健康保険の給付が受けられるほか、配偶者は国民年金保険料の納付済みと同様に扱われます。

ここでは、扶養の判定要件の1つである「130万円の壁」と、社会保険加入条件の「106万円の壁」の違いを整理して解説します。従業員に説明できるよう、両者の概要をおさえましょう。

130万円の壁と社会保険の加入条件は別制度

「106万円の壁」と「130万円の壁」は、どちらも社会保険に関する基準ですが、判断の対象が異なります。106万円の壁は、勤務先の社会保険加入に関する基準で、130万円の壁は、家族の社会保険の扶養に入るか否かを判断する基準です。

106万円の壁(月額賃金が88,000円以上)

従業員本人が、勤務先で社会保険に加入するかどうかの月額賃金要件です。一般的に106万円の壁と呼ばれています。そのほかの条件(企業規模要件、雇用期間、所定労働時間)も満たすと、勤務先の社会保険に加入します。

130万円の壁

原則として年収130万円未満が扶養認定の収入基準です。ただし、60歳以上または障害厚生年金受給者等は180万円未満、19歳以上23歳未満は150万円未満など、別基準が適用される場合があります。

今後1年間の収入見込みが、原則130万円以上※になると扶養から外れます。勤務先の社会保険加入要件を満たす方は、勤務先で社会保険に加入します。要件を満たさない方は、国民健康保険や国民年金への加入を検討する必要があります。

(※)正確には「年収130万円未満」が扶養の条件であるため、130万円ちょうどから対象外となります。

両者の違いを表にまとめたので、あわせて参考にしてください。

106万円の壁
130万円の壁

・年収106万円を目安に、要件を満たすと自身の勤務先で、社会保険に加入することになる年収要件

・年収106万円を目安に、要件を満たすと社会保険に加入することになる(2か月を超える雇用見込みあり、1週の所定労働時間20時間以上、学生ではない場合)

・扶養に入れる年収の上限額

・年収130万円以上の場合は、国民健康保険・国民年金に加入するか、勤務先の社会保険に加入が必要

扶養内で働いていても社会保険に加入するケース

扶養の範囲内で勤務していても、社会保険の加入義務が発生する場合があります。たとえば、年収130万円未満でも所定労働時間が正社員の4分の3以上となる従業員や、特定適用事業所で年収106万円を目安とする賃金要件などの加入条件を満たす従業員が該当します。

【具体例】
■時給1,200円で、週の所定労働時間が20時間の場合
※学生ではないものとします

月給:約96,000円
年収:約1,152,000円

上記の例では、年収130万円未満という扶養の年収条件は満たしています。ただし、勤務先が特定適用事業所(従業員51人以上)で、週20時間以上、月額88,000円以上、2か月を超える雇用見込み、学生ではない等の要件を満たす場合は、扶養から外れて自身で社会保険に加入しなければなりません。

社会保険の加入手続き

社会保険の手続きには、採用時や退職時、被扶養者が増えたときなどさまざまな場面があります。ここでは、実務で頻出する社会保険の手続きについて解説します。

実務で頻出!社会保険の加入手続き

(1)資格取得届

従業員を採用したときや、従業員が新たに社会保険の加入要件を満たしたときは、「健康保険・厚生年金保険資格取得届」を、被保険者となった日から5日以内に提出します。提出先は、原則として日本年金機構です。健康保険組合に加入している場合は、健康保険組合の案内に従います。

届出の際、本人確認書類などの添付は原則不要ですが、届出書には従業員のマイナンバーの記載が求められます。提出期限が短いため、採用時にあらかじめ確認を済ませておくとスムーズです。

(2)資格喪失届

従業員が退職したときや、社会保険の加入要件を満たさなくなったときは、「健康保険・厚生年金保険資格喪失届」の手続きをします。届出期限は、事実発生から5日以内に、原則として日本年金機構へ提出します。健康保険組合に加入している場合は、健康保険組合の案内に従います。

社会保険の資格喪失日は、退職日の翌日です。たとえば、3月31日が退職日の場合は、4月1日が資格喪失日となります。

また、健康保険資格確認書などを持っている場合は、日本年金機構もしくは健康保険組合に返却が必要なため、従業員から回収をしましょう。健康保険資格情報のお知らせは、返却不要です。

(3)健康保険被扶養者異動届・国民年金第3号被保険者関係届

親族を扶養に入れる場合や、被扶養者でなくなった場合は、「健康保険被扶養者異動届・国民年金第3号被保険者関係届」を、事実が発生した日から5日以内に提出します。提出先は、資格取得届および資格喪失届と同じく原則として日本年金機構です。健康保険組合に加入している場合は、健康保険組合の案内に従います。

扶養に入れるのは、従業員(被保険者)と同一の世帯もしくは生計を維持されている一定の親族や姻族です。

また「年間収入が130万円未満で、かつ同一世帯の場合は、被保険者の収入の2分の1未満であること、別居の場合は収入が被保険者からの仕送り額未満であること」という収入要件も満たす必要があります。ただし、60歳以上または障害厚生年金受給者等は180万円未満、19歳以上23歳未満(配偶者を除く)は150万円未満など、年齢や受給状況等により年収要件が異なります。

届出には、被扶養者との続柄や収入を確認するための添付書類が必要です。主な書類として、続柄を証明する戸籍謄本や住民票、収入を証明する課税証明書や給与明細などが求められます。一部の書類は、届出に所定の記載をすることで省略可能ですが、被扶養者の要件を満たしているか書面で確認が必要です。

なお、必要書類は加入している健康保険組合などによって異なるため、事前に確認しておきましょう。

(参考)従業員(健康保険・厚生年金保険の被保険者)が家族を被扶養者にするとき、被扶養者に異動があったときの手続き - 日本年金機構

社会保険の加入判定に迷うケースと判断ポイント

社会保険の加入判定は、労働時間や賃金など複数の要件を確認する必要があり、判断に迷うケースも少なくありません。ここでは、短時間労働者の加入条件を中心に、よくある疑問と判断のポイントを解説します。

「週20時間以上」の判定方法

【人事の実務】社会保険加入「週20時間以上」の判定方法

社会保険の加入条件「週20時間以上」を判定する際、残業時間を含めるのか、一時的な労働時間の増減を加味するのか判断に迷う場合があるでしょう。

ここでは、実務で迷いやすいケースを2つ挙げて、判断方法を解説します。

(1)週20時間以上は残業を含めて判断する?

週20時間以上かどうかは、残業は含まず、原則として雇用契約書上の所定労働時間により判断します。そのため、一時的な残業により実際の労働時間が20時間以上となっても、直ちに社会保険の加入対象となるわけではありません。

ただし、残業が恒常的に発生し、週20時間以上の勤務が継続している場合は、実態に即して加入対象として取り扱われる可能性があります。

(2)一時的に週20時間以上働く場合は社会保険に加入する?

雇用契約書で定められた所定労働時間が週20時間未満であっても、繁忙期などで一時的に20時間を超えることもあるでしょう。このような一時的な増加のみでは、通常は被保険者とはなりません。

ただし、実際の労働時間が連続する2月において週20時間以上となった場合で、引き続き同様の状態が続いているまたは続くことが見込まれる場合は、実際の労働時間が週20時間以上となった月の3月目の初日に被保険者の資格を取得します。

実際の労働時間を確認し、雇用契約との内容に乖離がないかを定期的に確認しましょう。

(参考)就業規則や雇用契約書等で定められた所定労働時間は週20時間未満ですが、業務の都合等により恒常的に実際の労働時間が週20時間以上となった場合は、どのように取り扱うのですか。 - 日本年金機構

月額88,000円に含まれる賃金とは?

「月額88,000円以上」という基準は、実際に支払われた賃金ではなく、所定内賃金をもとに判断されます。

所定内賃金とは、基本給や毎月固定的に支払われる手当など、あらかじめ定められた労働時間に対応して支給される賃金です。そのため、以下の項目は判定から除外されます。

  • 賞与やボーナスなど、1か月を超える期間ごとに支払われる賃金
  • 残業代や深夜手当などの割増賃金
  • 結婚手当や見舞金など、臨時的に支払われる賃金
  • 通勤手当・家族手当・皆勤手当など、最低賃金の算定に含まれない手当

(参考)所定内賃金が月額8.8万円以上かの算定対象となる賃金には、どのようなものが含まれますか。 - 日本年金機構

適用拡大が続く社会保険の加入条件をおさえよう

社会保険の加入条件は、企業規模、労働時間、賃金など複数の要件があるため、判断に迷うケースも少なくありません。とくに短時間労働者は、適用拡大が段階的に進んでおり、これまで加入対象外だった従業員が新たに対象となるケースも増えています。

人事・労務担当者として加入条件を正しく理解することは、従業員が適切な社会保障を受けられる環境づくりにつながります。制度を正しく把握し、従業員が安心して働ける職場づくりに活かしましょう。

お役立ち資料

法改正まるごと把握3点セット

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