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リモートや副業など「就業規則にない働き方」の実態を62%が認識|就業規則と働き方の実態に関する調査レポート

公開日

この記事でわかること

  • 働き方の実態が就業規則に「完全に・概ね反映されている」と感じる人はあわせて81%
  • 「就業規則にないが慣例的に行われている働き方」の有無をたずねると、62%が1つ以上を挙げました。
  • 管理職の39%が、判断に迷う場面で人事部門を通さず対応する場合があった
目次

 「リモートワークは週2日までだが、あの部署は実質自由」「副業は許可制だけど黙認されている」。そんな光景に心当たりはないでしょうか。

SmartHRが2026年6月に人事・労務・総務部門の管理職・担当者249名に実施した調査では、81%が就業規則は実態を完全に、または概ね反映できていると回答しました。一方で「就業規則にないが慣例的に行われている働き方」の有無をたずねると、62%が1つ以上を挙げました。

本記事では調査データをもとに、就業規則と現場運用のギャップ、そしてギャップを解消するヒントを考えます。

※出典:就業規則と働き方の実態に関する調査(調査主体:株式会社SmartHR/インターネット調査/調査対象:従業員数51名以上の企業に勤務する人事・労務・総務部門の管理職および担当者/調査期間:2026年6月23日〜6月25日/有効回答:249名)。以下、本記事の数値はすべて同調査によります。
※本文の数値は小数点以下を四捨五入しています。

【背景】働き方の多様化で高まる、就業規則見直しの必要性

近年、働き方の多様化に伴い、企業が就業規則を見直す機会は増えています。新たに導入した副業やリモートワークの制度をどう反映するか、条文の追加や修正を実施した企業も少なくないはずです。

難しいのは、現場のケースが多様で、規則がすべてを想定しきれないことです。従業員が個別対応を重ねた結果、運用の細部が現場ごとに異なっていきます。その結果、規則と現場の運用に乖離が生じるおそれがあります。

本調査では、就業規則が働き方の実態をどこまで反映できているかを起点に、現場の運用とのギャップや規則を最新に保つうえでの課題などを調べました。

【結果1】就業規則より強く働く「現場の慣例」

「就業規則に実態が完全に反映されている」は40%

働き方の実態が就業規則にどの程度反映されていると感じるかをたずねたところ、「完全に反映されている(40%)」と「概ね反映されている(41%)」をあわせて、81%が反映できているとの回答でした。「反映できていない」(「実態に即していない箇所が複数ある」と「数年以上更新されていない」の合計)は15%にとどまりました。

上記のデータをまとめたグラフ

※構成比は小数点以下を四捨五入しているため、内訳の合計が全体の値と一致しない場合があります。

62%が「就業規則にない働き方」を認識

「就業規則に明記されていない、あるいは禁止されているが、現場で“慣例的”に行われている働き方はあるか」を複数回答可でたずねたところ、回答者の62%が1つ以上の働き方を挙げました。

上記のデータをまとめたグラフ

主な回答は以下のとおりです。

  • 規則で定められた頻度や対象を超えたリモートワーク:22%
  • 定められた上限を超える残業の事後承認・付け替え:21%
  • 規則上の条件を満たさないが事実上認められている副業:21%
  • 規則にない場所(サテライトオフィス等)での勤務:18%
  • その他、公式ルール外の運用:6%

管理職の39%は、人事部門を通さず判断する場合も

就業規則では判断が難しい働き方の相談(副業の許可、例外的なリモートワークなど)を受けた際の対応を管理職(n=135)にたずねました。

「常に人事部に相談する」が53%で最も多い一方、「相談せず自分の基準で許可を出す(33%)」と「規則上はNGだが内密に許可を出す(6%)」をあわせて、39%が人事部門を通さず判断する場合がありました。 

上記のデータをまとめたグラフ

【結果2】規則の閲覧環境と、更新プロセスにも課題

最新の就業規則「社内外いつでも確認できる」は31%

最新の就業規則をいつでもすぐに確認できる環境かをたずねたところ、社内外どこからでもすぐに確認できる人は31%でした。

社外からは見られないが、社内イントラネットから閲覧できる人が44%と最も多く、一方で「総務・人事部等に問い合わせ、紙やデータで共有してもらう必要がある(16%)」「どこにあるか、どれが最新版かわからない(5%)」という人も、あわせて20%ほどいました。

更新の課題は「周知」や「同意の回収」にも

就業規則を最新に保つうえで、とくに「工数がかかる」「困難である」と感じるプロセスを複数回答可でたずねました。

最も多いのは法改正の理解・解釈で35%、続いて全従業員への周知が31%でした。回答の内訳は以下のとおりです。

  • 最新の法改正情報を正しく理解・解釈すること:35%
  • 全従業員への正確な周知・説明会などの実施:31%
  • 役員・経営層との意思決定:28%
  • 自社の実態に合わせた条文案の作成:26%
  • 変更内容に対する従業員からの「同意」や「受領確認」の個別回収:22%
  • 現場(店舗・工場等)のノンデスクワーカーへの確実な情報伝達:22%

周知の仕組みづくりが、納得して働ける職場の鍵

今回の結果からは、就業規則と現場の運用に一定の開きがあることがわかりました。あわせて、規則を最新に保つうえでの課題の一端もうかがえました。

注目したいのは、規則の更新において「工数がかかる」「困難である」と感じるプロセスの中身です。「全従業員への周知(31%)」のほか、「同意・受領確認の個別回収(22%)」、「ノンデスクワーカーへの確実な情報伝達(22%)」と従業員一人ひとりに周知する、確認をとることに関する項目が複数挙がりました。人事・労務担当者が規則の改定を現場の運用まで浸透させるには、働く場所や職種を問わず、変更を確実に従業員に届けられる連絡環境が重要になるといえそうです。

就業規則は、一人ひとりに届き、日々の判断のよりどころになってこそ価値を発揮します。全員に確実に届く周知の仕組みが規則と運用の開きを埋め、納得して働ける職場につながっていくはずです。

同じ調査をノンデスクワーカーの比率別に分析すると、現場を抱える職場ほど労務判断が管理職に委ねられやすい実態が見えてきました。属人化の構造と、現場に相談先を届ける具体的な方法は下記の記事で解説しています。

(関連記事)店舗・工場の労務判断はなぜ属人化する?相談を支える3つの機能

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