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経営層・店舗マネージャーが語る。店舗数・従業員数を140%以上増加できた「選ばれる企業の組織づくり」とは

公開日

この記事でわかること

  • コロナ禍においても業績を伸ばすツマミナさま。その理由は?
  • 人事システム導入により、「経営」「店舗」で得られたメリットは?
  • 採用・配置に効果的なタレントマネジメントとは?
目次

2023年5月24日に開催された「経営層・店舗マネージャーが語る。店舗数・従業員数を140%以上増加できた『選ばれる企業の組織づくり』とは」。九州を中心に居酒屋・飲食店を多店舗展開する株式会社ツマミナさまによる、SmartHR活用による課題解決、タレントマネジメントへの展開について話を伺いました。

  • スピーカー大和 正統 氏

    株式会社ツマミナ 取締役

    全国チェーン飲食企業での本社勤務を経て、2011年に株式会社ツマミナに営業マネージャー兼バックオフィス全般担当として入社。 当時は福岡市内・居酒屋4店舗のみであった組織はおそよ10年間のうちに福岡県内・東京都内あわせ21店舗、高級海鮮・洋食・焼肉・フードコート等の多岐に渡る業態を有する企業体へと拡大した。

    2019年より取締役として経営企画と、人事労務を含めた管理業務全般を担う。

  • スピーカー秋月 一樹 氏

    株式会社ツマミナ マネージャー

    福岡を中心に展開する飲食チェーン企業にて最年少マネージャーとして活躍後、2018年に地元の魚を軸とした他業態複合施設「さかなビル」のアルバイトとして株式会社ツマミナに入社するも、すぐに当時の店舗責任者の目にとまり推薦され社員に登用。

    その後数か月でツマミナ一番の規模・売上を誇る「博多 どげん海」の店長へと昇進し、2021年からは10店舗弱の複数店舗を統括するマネージャーとして、経営計画の達成に向け店舗への指導・育成のほか、自身も積極的に営業現場へと入り社員・アルバイトと日々接している。

  • モデレーター佐藤 珠奈

    株式会社SmartHR

    福岡の大学を卒業後、広告代理店にてプロモーションの企画業務に従事。メーカーや店舗における消費者向けの企画立案・運営を担当。

    2022年6月にSmartHRに入社。関西におけるお客さまとの接点創出や顧客体験の向上を目的としたイベント・セミナー企画を担当。

「人事・労務」「経営」「店舗」の3視点から見る、
バックオフィスの効率化

人事システム導入前の現状とは? 人事・労務担当目線での課題

佐藤:本部と現場、それぞれが感じる課題について伺います。システム導入前は、どのような状態でしたか?

人事システム導入前の現状とは? 人事・労務担当目線での課題

大和さん:ここ近年、多くの中型・大型店舗を新規出店しています。そのため、1店舗あたり正社員5名、アルバイト30名と、大人数を雇用しているのですが、入社手続きや雇用契約など、整備されていなかったんです。たとえば、本部のマスターには登録されていない従業員が、店舗には在籍しているといった状態でした。

売り上げの壁

経営視点では、事業成長ごとに訪れる「売り上げの壁」を乗り越えるための施策をやるべきなのに、雑多で生産性の低い業務に追われていて。本来やるべきことができていない危機感を感じていました。

現場における課題

秋月さん:現場視点では、「年末調整書類の回収」や「給与の振込口座情報の回収」といった業務に時間が取られていました。本来大事にしたい、目標達成や顧客満足度向上のための取り組みに時間が割けないもどかしさがありました。

人事・労務システム検討時に最も重視したことは?

佐藤:続いては、システム導入検討時に最も重視していた点を伺えますか?

システム検討時に重視したこと

大和さん:事務作業だけを効率化するシステムではなく、「売り上げの壁」「規模拡大の課題解決」を重視したシステムがよいなと考えていました。また、人事業務を担当する従業員の代わりを務めてくれるものという欲張りな希望もありましたね。

SmartHRを選んだ決め手

そのなかでも、組織の課題解決に向けた機能の充実が、一番の決め手でした。たとえば、さまざまなサーベイがあらかじめセットされていたり、組織情報の分析機能や人事評価機能ですね。

さらには、導入時期がロクイチレポートに対応していた時期でした。手間のかかる集計作業が不要で、ボタン一つでレポート作成可能と営業の方に提案されたもの大きかったです。

SmartHR導入後の変化は?

佐藤:SmartHR導入から約1年以上経ちましたが、本部と現場にはどのような変化がありましたか?

現場でのSmartHR導入効果

秋月さん:給与明細を配布する手間がなくなったのは、地味なようで非常に効果的です。以前は、給料日以降スタッフ全員に給与明細を配り終えるまで、毎日気になっていました。加えて、年末調整について、現場の店長やマネージャーが一切気にすることなく、店舗業務に注力できています。

最大の変化として、導入以前は店長に責任があった回収作業が、従業員一人ひとりの役割に分担できた点です。給与の振込口座情報の回収も同じく、従業員個人が責任をもって提出するほうが健全ですし、生産性も上がります。

佐藤:ありがとうございます。本部視点ではいかがでしょうか?

本部視点でのSmartHR導入効果

大和さん:以前は社労士さんに、人事・労務業務の大きな部分を任せていました。逆にそれがブラックボックス化を招いてしまい、生産性向上の側面では推進しづらい点でもありました。SmartHR導入によって、そういった業務を自分たちのものとしてコントロールし直して、体制を再構築できました。

また、現フェーズで必要なのは、戦略的人事や組織開発の経験がある方です。SmartHR導入によってHR専門の優秀な従業員を採用できたという印象があります。

本部視点でのSmartHR導入効果

SmartHRを活用した組織開発
コロナ禍の飲食業界で事業拡大できた理由

コロナ禍における事業成長比較

佐藤:コロナ前・後における、ツマミナさまの事業比較をまとめています。コロナ禍初期である2019年からの約4年間で、店舗数は東京も含めて22店舗、従業員数は約2倍以上に増えています。さまざまな制限があったなかで、積極的にチャレンジできた理由はどういったところにありましたか?

ツマミナさまのミッション・ビジョン・バリュー

大和さん:あえて挙げるとすれば、当社の理念に共感している「社員たちに対して責任」が、非常に大きいです。当社のビジョンでは、成長やチャレンジを大きくうたっていますので、事業そのものも当然、成長・チャレンジし続ける必要があります。そのなかで、SmartHRで組織の現状を可視化したり、それをもとに成長アクションへつなげていったりと、広く活用していました。

コロナ禍で、フードコートや通販などの新しい業態をはじめており、大きな組織改革がありました。その変革に対して、組織がどのように変化しているのか、SmartHRの従業員サーベイラクラク分析レポートで可視化できました。肌で感じていた仮説が「やはりそうだ」と、データで確認できるため、仮説を立てやすい状況になっています。そのため、激しい環境変化においても、組織として学習と成長ができたのではと考えています。

タレントマネジメントに注力する理由とビジョン

佐藤:ツマミナさまが、タレントマネジメントに注力する理由、その先のビジョンについて伺えますか?

大和さん:タレントマネジメントは、まだまだ取り組むべきことが多いものの、強い興味をもっています。組織が常に成長して変化していくなかで、多様なスキルや特性を当社は許容しています。人事部門は、多様性を許容可能な環境をいつでも提供できる状態を目指しています。

適切な人員配置や採用に対する具体的な実践例

佐藤:適材適所な人員配置や採用領域ですね。ツマミナさまでは、実際にどのようなタレントマネジメント施策をしていますか?

従業員サーベイとは?

大和さん:一つは、SmartHRの従業員サーベイを活用しています。全従業員を対象に3か月に1回「エンゲージメントサーベイ」を、新卒・中途問わず随時「新入社員サーベイ」を実施しています。

佐藤:エンゲージメントサーベイでは、結果の推移をどのようにチェックされていますか?

大和さん:継続的なサーベイを通じて、コロナ禍での組織変化が従業員に与えるストレス・やりがいの変化を可視化しています。

佐藤:従業員が抱えている悩みや考えが可視化された結果、どのように組織へ反映していますか?

大和さん:コロナ禍のアルコール需要減少という背景から、新たな業態としてフードコートへ出店をしています。食事を主体とした店舗と居酒屋では、「やりがいが異なるのでは?」となんとなく感じていたんです。それがサーベイによって、明確にわかりました。

サーベイ結果を人員配置や採用に活用

たとえば、フードコード勤務希望の従業員は、居酒屋に比べて「人との接点を強く求めているわけではない」という結果が出たんです。これは配置転換や採用の打ち出しにも参考にしています。

佐藤:新入社員からの意見は、どのように組織運営へ反映していますか?

大和さん:回答結果を部署ごとにわけて集計できるので、「この店舗は比較的エンゲージメントが低いな」と部署ごとの違いが顕在化されます。どういった原因があるのか、どういったサポートができるのかといった、検討に役立っています。

現場視点での従業員サーベイによる組織変化

佐藤:現場視点での従業員サーベイによる組織変化は感じられていますか?

秋月さん:「キャリアサーベイ」に「店長やマネージャーなどの管理職を目指したいのか、そうではないのか」という質問があるんです。キャリアにまつわる質問も、あまり重苦しくなく回答できています。

半年に1回の人事評価に合わせてサーベイを実施するので、評価後のフィードバック面談時に一歩、二歩踏み込んだ対応が可能です。今後の能力開発だったり、店長候補者の推薦だったりのヒントになっています。

実際のキャリアサーベイ 回答結果画面

(実際のキャリアサーベイ 回答結果画面)

佐藤:飲食業界において、選ばれる企業になるため、事業拡大・企業成長を果たすためには、従業員のモチベーションはどれほど重要でしょうか?

大和さん:私たちの会社では、すべての従業員に対して「お客さま目線で考えよう」「お客さま目線からスタートしよう」と口を酸っぱくして伝えています。これはマーケティング視点だけではなく、人材面でも同じように考えています。

新たな採用だけではなく、既存社員への働きかけについても、しっかりと理念を伝えたうえで、理念に共感する人たちをしっかりと集めていく。それが強い組織をつくるために、とても重要だと考えています。

従業員×店舗が一体感をもって働くための取り組み

佐藤:ツマミナさまの従業員と店舗が一体感をもって働くための工夫について教えてください。

ツマミナ新聞

大和さん:ツマミナ新聞という社内新聞を毎月1回発行し、全従業員に配っています。(1)には新入社員紹介、(2)には今月誕生日のスタッフ、(3)には各店舗から2名選出する輝きスタッフを掲載しています。店舗数が多いので、新入社員が入った際は、顔と名前が確認できる環境になっています。

次に、当社の名物イベントである「ツマミナアワード」です。営業成績や顧客満足といった指標に対して、全店舗がポイントを競うイベントです。2か月間、何かしらのアワード獲得を目指すという、非常に盛り上がるイベントです。

iCard

ほかには、「ツマミナ総選挙」という年2回の社内表彰や、「iCard(イカード)」と呼ばれるカードの贈り合いです。当社の経営理念がイカの形を模しており、7色のカードを揃えていきます。

佐藤:これらの社内の取り組みに対して、現場からの反応はいかがでしょうか?

ツマミナアワード

秋月さん:私も以前のツマミナ総選挙で、「スピードスターで賞」を受賞して非常に嬉しかったです。ツマミナアワードでは2か月間、全従業員が明確な目標を共有して、達成に向けて取り組みます。組織の指揮やチームビルディングに、とてもよい影響が出ています。

また、アワードや総選挙の発表の場として、全社集合する機会をつくっています。他店舗の従業員との交流も含めて、みんなが楽しみにしている場です。飲食店で働きたいと思う人は、人と関わるのが大好きな人がほとんどです。そんな彼らの気持ちを、こういったイベントで満たせられたらと、考えています。

佐藤:お二方ともありがとうございました。SmartHRではツマミナさまが経営課題に向き合っていくための基盤づくりのサポートへ向けて、新機能開発やサービス改善に努めてまいります。

お役立ち資料

今こそ知りたい 従業員の能力を引き出すタレントマネジメント入門

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