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ハイブリッドワークの課題は、出社しても埋まらない“情報の偏り”にある?|出社とリモートワークが混在する企業の調査レポート

公開日

この記事でわかること

  • 立ち話での決定が「記録・共有されない」ことがある人は91%
  • 理想の情報環境は「ここを見ればわかる窓口の一元化」が44%で最多
  • 出社日数が指定される「出社回帰」層のほうが、記録されない決定や情報の時間差を感じやすい傾向
目次

久しぶりの出社日。上司や同僚と挨拶を交わしたあと、気づけば1日話さずオンライン会議とチャット対応で終わった。そんな経験はないでしょうか。

SmartHRが2026年6月に、出社とリモートワークが混在する企業に勤める299名へ実施した調査では、出社日数を指定する職場で働く人のほうが、記録されない意思決定や情報の時間差を高い頻度で感じている傾向がみられました。

本記事では調査データにもとづき、ハイブリッドワーク下の情報共有で何が起きているのか、その背景と人事・労務担当者が取り組みたい対策を考えます。

※出典:出社回帰における情報共有に関する実態調査(調査主体:株式会社SmartHR/インターネット調査/調査期間:2026年6月23日〜6月25日/有効回答:出社とリモートワークが混在する企業に勤務する管理職・一般社員299名〔出社日数が指定される「出社回帰」層165名、出社日数の指定がなく個人の裁量で組み合わせる「裁量」層134名〕)。
※本文の数値は小数点以下を四捨五入しています。

【背景】出社回帰の動きとハイブリッドワークの定着

コロナ禍以降、多くの企業で実践されているリモートワーク。最近では組織の一体感や偶発的なコミュニケーションを求めて出社日数を指定するなど「出社回帰」の動きも話題です。

国土交通省の令和7年度調査によると「雇用型テレワーカー※1」の割合は全国で25.2%、「直近1年間のテレワーク実施率」は全国で16.8%となりました。いずれもコロナ禍後は減少が続いていましたが、令和6年度調査からそれぞれ0.6ポイント増、1.2ポイント増と増加に転じています。出社とリモートワーク※2の混在はしばらく続く前提で考える必要があると言えます。

※1雇用型就業者のうち、これまでテレワークをしたことがある人
※2 公的統計では「テレワーク」と表記されます。本記事では、自社調査に関する記述を「リモートワーク」で統一しています

一方で、出社とリモートワークが混在する環境では、意思決定の経緯や最新情報を全員にどう共有するかという新たな課題も生まれています。

本調査は、出社とリモートワークが混在するハイブリッドワーク環境における情報共有の実態と、出社方針の違いによる課題を明らかにするために実施しました。

【結果1】非効率・不便のトップは「チャットで送り直す二度手間」

他部署やチームメンバーとの連携で「不便・非効率だと感じること」を複数回答でたずねたところ、82%が1つ以上を選択しました。

トップに挙がったのは「対面で話した内容を、後からわざわざチャットでも送り直すなどの二度手間(33%)」、次いで「相手が今日出社しているのかリモートなのかわからない(30%)」でした。主な回答は以下のとおりです。

  • 対面で話した内容をチャットで送り直すなど「二重の手間」が発生する:33%
  • 相手が今日出社しているのかリモートなのかわからない:30%
  • 会議室や座席など物理的な場所の調整の手間:28%
  • 相手の専門スキルや得意分野がわからず、誰に相談すべきか迷う:26%
  • メンバーの最新の役割(ミッション)がわからない:24%

【結果2】記録されない決定と、情報の時間差

91%が、立ち話での決定が「記録・共有されない」ことを経験

「オフィスにいるメンバー間での立ち話やその場の相談で物事が決まり、経緯や結果がチャットや共有ドキュメントに記録・共有されないことはあるか」をたずねたところ、「頻繁にある」と「時々ある」をあわせると63%にのぼり、「たまにある」を含めると91%が記録・共有されないことがあると回答しています。「全くない(すべての意思決定がデジタル上で透明化されている)」は9%でした。

リモートワーク時に「情報の時間差」が「頻繁に・時々ある」と感じる人は58%

自身がリモートワークの際に、オフィス側の状況や最新の決定事項がわからないと感じたことはあるかをたずねたところ「頻繁にある・時々ある」の合計は58%、「たまにある」を含めると88%にのぼり、「全くない」は12%でした。

【結果3】理想の情報環境は「窓口の一元化」

理想状態は「ここを見ればわかる窓口」が44%で最多

「場所を問わずスムーズに連携・情報共有をするために理想的な情報の状態」をたずねたところ、「ツールが乱立せず、必要な情報がここを見ればわかるという窓口があること」が44%で最多でした。主な回答は以下のとおりです。

  • 必要な情報が「ここを見ればわかる」という窓口に一本化されている:44%
  • 場所にかかわらず、すべての意思決定の背景や経緯がデジタル上に記録されている:36%
  • 組織図が常に最新に保たれ、チーム間の関係性や役割が一目でわかる:31%
  • 全従業員の最新の所属・役割・プロフィールが1か所に集約されている:29%
  • 誰がどの業務に詳しいかが可視化され、簡単に検索できる:28%
記事内に記載済みの調査結果をまとめたグラフ

※図中の数値は四捨五入の関係上、本文の記述と一部表記が異なります。

【結果4】出社の方針により、情報の偏りを実感

出社回帰層のほうが情報の偏りを実感

出社日数が指定される「出社回帰」層(n=165)と、出社日数の指定がなく個人の裁量で組み合わせる「裁量」層(n=134)を比べました。統計的検定は実施していないため、いずれも傾向として紹介します。

「立ち話」や「その場の相談」による決定が記録・共有されないことが「頻繁に・時々ある」と答えた人の割合は、出社回帰層で72%と、裁量層の52%を上回りました。

記事内に記載済みの調査結果をまとめたグラフ

リモートワーク時に「情報の時間差」を感じることが「頻繁にある」「時々ある」と答えた人の割合も、出社回帰層が64%、裁量層の50%を上回りました。

記事内に記載済みの調査結果をまとめたグラフ

一方、理想の情報の状態として「窓口の一元化」を求める声は、出社回帰層43%・裁量層45%とほとんど差がありませんでした。

記事内に記載済みの調査結果をまとめたグラフ

情報の偏りをなくす鍵は、どこで働いても同じ情報にたどり着ける仕組み

今回の結果からは、出社回帰層のほうが立ち話での決定が記録に残らないことや情報の時間差を感じやすい傾向がみえました。

本調査は原因までを特定するものではありませんが、注目したいのは当事者が望む情報環境のあり方です。理想の状態として「ここを見ればわかる」窓口を挙げた人は、出社回帰層・裁量層のどちらでも4割を超えました。出社の方針にかかわらず、働く人たち自身が、場所に左右されない情報の置き場所を求めているといえそうです。

全社の情報共有ルールづくりには時間がかかりますが、人事・労務からの情報伝達は、担当者自身が先に整えられる領域です。実際に社用パソコンをもたない従業員にもスマートフォンから手続きやお知らせが届く仕組みを整え、場所を問わない情報伝達を実現した企業もあります。詳しくは以下の事例記事をご覧ください。

導入事例:シェアードサービス企業の実践例。スマホで高齢社員にも浸透

決まったことを記録に残し、誰もが同じ場所で確認できるようにする。その積み重ねが、出社する人にもリモートワークの人にも、納得して働ける職場につながっていくはずです。

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