退職に必要な書類の作成〜配付までをスムーズに!文書配付機能を解説【テンプレート付き】
- 公開日
目次
退職にともなって忙しくなるのは、引き継ぎが必要な退職者だけではありません。
退職面談をしたりハローワークへ申請をしたり書類を配付したり。労務担当者が行なう業務も多数あります。
今回はそんな退職時における労務担当者の業務負荷を軽減するために、おすすめのSmartHR活用方法をご紹介します。文書配付機能を使うことで、退職時に必要な書類の準備や配付を効率化できます。
文書配付機能とは?
文書配付機能とは、SmartHR上で従業員と電子契約を締結したり、確認してもらいたい書類を送付したりできる機能です。書類の作成から従業員への配付、合意、保管といった一連の業務を完結できるため、1年をとおして様々な場面でお使いいただけます。本記事では、文書配付機能を使い退職手続きに必要な書類に関する業務を効率化する方法についてご紹介していきます。
SmartHRを活用し、3つの業務を効率化
本章では業務ごとに、効率化できるポイントをご紹介します。退職時に必要な労務担当者の業務は大きく3つに分けられます。
- 書類の準備と情報の収集
- 書類取得のための電子申請
- 書類の配付
1)書類準備と情報の収集
退職前には、必要な書類の準備や書類に記載する情報の収集をしなければなりません。
SmartHRの場合、書類テンプレートを用意しておけば、自動で退職者の情報が流し込まれ書類の準備が完了します。退職者ごとに退職日や名前といった情報を一つずつ入力する必要はありません。
また、本人に記入してもらいたい内容もSmartHR上で情報を集めておけば、同様に反映可能です。従業員からの「どこに何を書けばいいんだっけ?」という問い合わせも減らせます。
2)書類取得のための電子申請
退職後に配付が必要な書類のなかには、離職票のように申請が必要なものがあります。申請に必要な書類を準備し、書類を提出しにいき、退職者へ配付する文書を発行してもらわなければなりません。
SmartHRを利用すれば、それらはすべてオンラインで完結します。SmartHR上で申請に必要な書類を作成し、電子申請で提出できます。文書配付機能を活用し、取得した公文書をPDF書類としてそのまま退職者に配付できます。
3)書類の配付
書類の配付における困りごとの1つに「郵送」があげられます。退職後に紙で必要書類を配付する場合、退職者の自宅へ郵送しなければなりません。
届いたはずだけど本人から連絡がなくて不安。住所はあっているはずなのに戻ってきた。引越し後の住所について本人から連絡がない。そういったケースを経験されたことはありませんか?
SmartHR上で配付すれば、郵送時の困りごとが一気に解決されます。労務側で開封ステータスを確認できるため、退職者が書類を開いたかどうかも一目瞭然です。
さらに、紙で配付した際によくある「失くしてしまった」というパターンも防げます。SmartHRであれば依頼を削除したり破棄したりしない限り、退職者側で何度でもダウンロードや印刷が可能です。
文書配付機能で配付可能な退職時の書類
退職時に配付する書類の煩わしさはそのタイミングにもあります。
在籍時、退職後、退職後かつ給与支払いの3回に分けて異なる書類を配付しなければなりません。
同じタイミングで配付する書類ごとにSmartHR上で依頼グループを作っておくと漏れなく書類の準備ができます。例えば以下の表のように3つの依頼グループを作成しておけば、適当なタイミングで配付する書類がわかりやすくまとめられます。
依頼グループ (配付タイミング)の まとまり | 書類名 | SmartHR上での 書類の準備 | 配付時の 合意要否※ |
---|---|---|---|
在籍時(退職前) | 退職届 | ◯:書類テンプレートで作成 | 合意必要 |
誓約書 | ◯:書類テンプレートで作成 | 合意必要 | |
退職所得の 受給に関する申告書 | ✕:給与計算ソフトで作成が必要 | 合意必要 | |
退職後 | 離職票 | ◯:電子申請機能で公文書を取得 | 合意不要 |
健康保険資格喪失証明書 | ✕:年金事務所で発行が必要 | 合意不要 | |
退職証明書 | ◯:書類テンプレートで作成 | 合意不要 | |
退職後(給与支払い後) | 給与支払報告・ 特別徴収に係る 給与所得者異動届出書 | ✕:給与計算ソフトで作成が必要 | 合意必要 |
※推奨の使い方です。運用にあわせてご検討ください。
以下では、それぞれの書類における効率化のポイントについてもご説明していきます。
退職届
退職届は、従業員が労働契約の解除を会社へ届け出るための書類です。法律上では「退職の申し出は口頭での合意でも構わない」とされています。しかし口頭では記録が残りません。後々問題になるケースも考えられるため退職者全員に合意してもらうことをおすすめします。
退職日のみ何かしらの方法で収集できれば、テンプレートを用い作成・配付・合意までをSmartHR上で完結させられます。
- 退職届のテンプレートはこちら
※boxのリンクに遷移し、Wordファイルの資料をダウンロードできます。文書配付機能の書類テンプレートにコピーアンドペーストしてご利用ください。
誓約書
退職前に秘密保持や競業避止などの項目を含んだ誓約書を配付する会社もあります。
こちらもテンプレートを用いれば、退職届と同様に作成・配付・合意までをSmartHR上で完結させられます。退職届とともに書類セットとして用意しておけば、まとめて配付する運用が可能です。
※誓約書の内容が退職者にとって一方的に不利な場合には、合意が有効とならないこともあります。誓約書に含める具体的な内容については弁護士などの専門家にも相談してください。
- 誓約書のテンプレートはこちら
※boxのリンクに遷移し、Wordファイルの資料をダウンロードできます。文書配付機能の書類テンプレートにコピーアンドペーストしてご利用ください。
退職所得の受給に関する申告書
退職金制度がある場合に、退職者から提出してもらう必要のある書類です。所轄税務署から求められた場合に提出しなければならないため、会社側で保管しておかなければなりません。
給与に関する情報が必要なため、利用している給与計算ソフトを使って作成してください。給与計算ソフトで出力されたPDFファイルをSmartHRの合意が必要な書類として配付し、退職者から合意を得てください。合意を得られれば、退職者から提出されたとみなされます。
離職票
退職者がハローワークで失業給付の受給申請をする場合に必要な書類です。退職者が希望する場合には、退職から10日以内にハローワークへ離職証明書を提出し、離職票を発行しなければなりません。
離職票はSmartHR上で電子申請を通じて取得をし、そのままPDF書類として配付できます。離職票の発行に必要となる雇用保険被保険者資格喪失届と離職証明書の作成もSmartHR上で可能です。
健康保険資格喪失証明書
退職者が退職後に国民健康保険などへ加入する場合に必要となる書類です。
健康保険資格喪失証明書は年金事務所に資格喪失確認請求書を提出し公文書を取得する必要があります。SmartHRからの電子申請はできませんが、窓口で受け取った書類をスキャンをすれば、PDF書類として配付ができます。
退職証明書
退職証明書は、会社が対象の従業員の退職を証明する書類です。転職先の会社によっては退職理由などを確認する目的で提出を求める場合があります。退職者が希望する場合に配付します。
退職証明書には、使用期間、業務の種類、その事業における地位、賃金、退職の理由を記載します。労働基準法により、退職者が希望しない項目は記載してはいけません。
退職の理由のみ何かしらの方法で収集できれば、書類テンプレートを用いた作成・配付がSmartHR上で完結します。
- 退職証明書のテンプレートはこちら
※boxのリンクに遷移し、Wordファイルの資料をダウンロードできます。文書配付機能の書類テンプレートにコピーアンドペーストしてご利用ください。
給与支払報告・特別徴収に係る給与所得者異動届出書
退職者が転職先でも特別徴収を継続したい場合に必要な書類です。給与所得者異動届出書には退職先の会社と転職先の会社それぞれの記入欄があります。双方が記入をした書類を転職先の会社を通して市区町村へ提出します。
転職先がPDFデータで問題がない場合にはSmartHR上で配付ができます。書類の作成については給与に関する情報が必要なため、利用している給与計算ソフトで行なってください。
従業員エクスペリエンス(Employee Experience)の向上につながる退職手続きを実現する
退職は従業員にとって、従業員体験の出口となります。つまりスムーズな退職手続きは労務担当者の負荷軽減だけでなく、従業員体験の向上にもつながります。
ぜひこの記事を参考に退職書類の配付でより良い退職手続きを実現してください。
また、文書配付機能は退職時だけでなくあらゆるケースで活用いただけます。面倒な書類作成、配付、合意までの一連の流れを効率化できる機能ですので、ぜひご活用ください。
【編集部より】3分でわかる!オンライン雇用契約・文書配付
お役立ち資料
3分でわかる!オンライン雇用契約・文書配付
SmartHRのオンライン雇用契約・文書配付があれば、雇用契約はもちろん、様々な文書の配付・合意・保管までオンラインで完結。 その便利な機能や特徴、活用シーン、活用事例について3分で簡潔に解説します。
【こんなことがわかります】
- オンライン雇用契約・文書配付とは?
- 便利な機能・特徴
- 活用シーン
- 活用事例