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3社が語るSmartHR活用事例。労務からタレマネまで各社の工夫を聞いてみた【PARK fes.2023イベントレポート】

公開日
目次
  • 登壇者横山 知己さん

    株式会社毎日コムネット 総務部

    学生市場に特化して不動産・旅行・人材等の事業を展開する株式会社毎日コムネットに新卒で入社。旅行部門の営業に従事した後、2012年に総務部へ異動。以降現在まで、労務・コンプライアンス・新卒採用を始めとした、管理部門における幅広い業務に携わる。人事労務・勤怠・給与計算システムの刷新プロジェクトの立ち上げを機に、社内バックオフィス業務のペーパーレス化・デジタル化推進に取り組んでいる。


    <推しのSmartHR機能>
    申請機能&カスタム従業員項目、カスタムダウンロードフォーマット

  • 登壇者山畑 智範さん

    株式会社バロックジャパンリミテッド 管理本部 人事部 労務グルーブ

    新卒で京セラ株式会社に入社、関西で営業として勤務。その後太陽光ベンチャーにて同チームメンバーの採用に携わったことから管理部門へ転身。

    課長代理を経験後、給与計算代行会社にて基礎知識を習得し、2020年12月より「MOUSSY」や「SLY」などのアパレルブランドを展開する株式会社バロックジャパンリミテッドに労務担当として参画。

    現在は労務担当として事業に従事することに加え、人事制度や研修の企画・実施にも取り組む。

    <推しのSmartHR機能>
    入社手続き機能、文書配付機能

  • 登壇者中﨑 千敬

    株式会社SmartHR 人事グループ 労務ユニット

    営業職、専業主婦を経て前職で未経験から社労士法人で給与計算や社会保険手続きを経験。

    SmartHR社には2020年3月に派遣社員として入社、その後、2020年10月に正社員として入社。労務として産育休対応や手続きをメインで担当。

    <推しのSmartHR機能>
    申請フォーム、文書配付機能

  • モデレーター岡田 遥

    株式会社SmartHR PMMグループ

    複数の女性向けアプリやWebメディアの企画・マーケティングを推進し、2020年3月より現職。「外部システムとの連携」に関する機能開発と活用促進や、「文書配付機能」の開発・訴求・活用促進に携わる。2023年1月より、SmartHRのグループ会社サービス「Smart相談室」の担当も兼務。

SmartHRではユーザー同士で交流し、共に人事・労務やSmartHRの活用方法について学びあうコミュニティ「PARK」を運営しています。 

本稿では、2023年8月22日におこなわれたコミュニティイベント「PARK fes. 2023〜つながり、事例に学び、仲間をつくる1日〜」のなかから、ユーザー登壇パートのレポートをお届けします。

PARK sessionでは株式会社毎日コムネット横山 知己さん、株式会社バロックジャパンリミテッド 山畑 智範さん、株式会社SmartHR 中﨑 千敬さんを迎え、労務からタレントマネジメントまで幅広い領域について、各社の等身大のSmartHR活用方法を紹介していただきました。

Q.申請機能・文書配付機能をどのように業務改善に活かしていますか?

岡田

まずは申請機能文書配付について伺います。横山さんはどのように使っていますか?

横山さん

導入以前は異動申請を全て紙で運用していました。どのような異動内容でもすべて「異動届」の書類を使うルールになっていたので、記入漏れや、住民票の添付忘れなどが発生し、人事側での修正や再提出の催促の工数がかかることがネックになっていました。

SmartHR導入後は基本的に申請フォームでさまざまな申請を最適化して、適切な必須項目を設定し、記入漏れが起こらない仕組みにしたので、非常に助かっています。

また、今年のアップデートで、カスタム従業員項目を管理者権限でなくても編集できるようなり、情報をタイムリーに更新できるようになって、よかったです。

岡田

ありがとうござい ます。山畑さんにも申請機能と文書配付についてお伺いします。

山畑さん

弊社では、申請機能を使って証明書発行の電子化に成功しています。

SmartHR導入以前、弊社は店舗が多く、店舗の人から郵送してもらった紙を担当者が管理していました。そのため、紛失してしまったり、返送忘れなどが発生するトラブルもありました。

SmartHRを導入した後、そのようなミスもなくなりました。さらにコロナ禍において、リモートでの対応もスムーズに進んだ点もよかったと思います。

Q.従業員が迷わずに申請機能を利用してもらうための工夫

岡田

次に、従業員が迷わずに申請機能で利用してもらうために工夫したことをお聞きします。横山さんからお願いします。

横山さん

弊社は申請フォームにおけるヒントメッセージにこだわっています。

通勤ルート変更申請時、自宅の住所から勤務先の住所までのルートをYahoo!で検索してもらい、検索結果のURLを申請フォームに入力させています。

そこでヒントメッセージに、Yahoo!路線情報のリンクをそのまま貼って、ワンクリックで検索ページに飛べる仕組みにしています。

それから勤務先の住所についても、弊社は5拠点あるので、5拠点分の情報を記載しています。ここからコピー&ペーストしてそのままYahoo!路線情報対応にすることで、入力ミス対策を取っています。

なるべく社員に入力の手間をかけさせたくないという目的ですが、結果的に社員がヒントメッセージにならって手続きをしてくれれば、労務担当者側の修正業務削減にもつながります。

岡田

従業員の皆さんが迷わないようにヒントメッセージに必要な情報を記載することで、入力ミス防止にもつながるのですね。

続いて山畑さんにも申請機能における工夫をお聞きします。

山畑さん

弊社も、ヒントメッセージには力を入れています。システムの操作に慣れていない従業員が迷わず入力ができるようにマニュアルへの案内を設定しています。

マニュアルは視覚的にわかりやすい形式にしています。操作画面のスクリーンショットを使い、操作方法や意味を説明しています。

SmartHRはサンプル画面もかんたんに用意ができるので、非常に重宝しています。

岡田

申請フォームのプレビュー画面を使ったマニュアルづくりとして非常に参考になりますね。

続いて、弊社の申請機能の活用について、SmartHR 人事グループの中﨑さんにもお聞きします。

中﨑

弊社では、ご自身が妊娠されたり、ご家族が出産を迎える社員が急増しています。

産休や育休中はお休みに集中していただきたい、そういう環境を提供したいという想いから、申請フォームで情報をいただいて、公文書などは文書配付機能ですべて配付しています。

申請フォームは、情報収集も楽ですが、情報の訂正も非常にかんたんで、ほぼ郵送不要です。

労務担当者の負担軽減にもつながっているので、余裕をもって対応できます。出産報告をしてくれた社員に、タイムリーに「おめでとう」と伝えることや、公文書を送るタイミングで「体調どう?」や、「お子さん元気ですか?」などのコミュニケーションを取る時間ができるのはメリットだと思います。

岡田

ありがとうございます。毎日コムネットさんも産休・育休で申請機能の活用を検討されていると伺いました。運用において悩まれていることはありますか?

横山さん

たとえば、社員から「育休を取りたいです」という第一報をSmartHRの申請機能でもらうのか、それとも別のチャットツールでもらった方がよいのか、迷っているところです。

できれば申請はSmartHRで完結させた方がよいとは思いつつも、とくに産休・育休になると事前の説明をした方がスムーズに申請や手続きが進む可能性もあると思います。SmartHRさんはどのように進めているのかをお伺いしたいです。

中﨑

弊社では、まず対象者と担当者だけの鍵付きの専用Slackチャンネルをつくり、手続き対応するメンバーをお知らせします。それ以降の手続きは申請機能を使っています。

産休・育休の申請には選んだ選択肢によって分岐が多くあるので、対象者が迷わない設計はもちろん、手続きをする人事側にとってもスムーズに手続きができるように運用を日々改善しています。

たとえば、実際に申請してくれた社員からのフィードバックや、労務メンバー同士で意見交換しながら申請フォームをブラッシュアップさせています。

岡田

ありがとうございます。弊社はDocBaseという情報共有ツールで人事・労務に関わる申請方法のマニュアルが充実しています。こちらも従業員が迷わず申請を進められる工夫ですね。

文書配付機能によって現場のエリアマネージャーの負担を減らす

岡田

続いて文書配付機能について聞きたいと思います。文書配付機能を推し機能と挙げていただいた山畑さんにお伺いします。

山畑さん

とくに弊社で文書配付機能に助けられているのは契約更新のときです。全国の契約社員やアルバイトの皆さんが日々の店頭でアイテムをお客さまに届けており、毎月約200人ほどの契約更新に対応しています。

SmartHR導入以前は、契約更新に係る書類をExcelでつくり、印刷し、発送し、回収する途方もない作業を、毎月エリアマネージャーに対応してもらっていました。

SmartHR導入後は文書配付機能によって、本人と人事で直接契約更新のやり取りができるようになったので、 エリアマネージャーの負担が大幅に減りました。創出した時間でマネジメントや店舗運営などの業務に注力できる体制になりました。

加えて、副次的な効果として、対応漏れがなくなりました。紙ベースでの契約更新の場合、どうしても回収漏れや回収忘れがありましたが、現在はSmartHR上で進捗が管理できるので、契約更新の書類回収はスムーズにかつ、正確に実施できるので助かっています。

岡田

ありがとうございます。 紙ベースでの契約更新ではエリアマネージャーの負担も大きかったと思いますが、SmartHR導入後はエリアマネージャーの皆さまからの反響はいかがでしたか?

山畑さん

全国のエリアマネージャーから感謝の声が続々と届いております。

現場を飛び回るエリアマネージャーにとって通常の業務と並行して行う契約更新の書類管理は心理的負担も大きかったと思います。情報漏洩のリスクもある運用だったと思います。そこが改善されたことが好評です。

Q.従業員データの管理においてどのようにSmartHRの機能を活かしていますか?

岡田

従業員データの管理において、まず弊社の活用の話を中﨑さんに聞きたいと思います。

中﨑

SmartHRは申請や手続きをするだけで最新の人事情報が集まるのが強みだと思います。そのため、人事情報を活用した従業員リストはかなりの数をつくり、使っています。

岡田

どのようなものがありますか?

中﨑

たとえば、住所ラベル作成用の従業員リストや、健康診断の受診者のリストもクリニックへお渡しする場面があるので用意しています。

岡田

ありがとうございます。横山さんにも従業員データの活用についてお伺いします。

横山さん

弊社では、従業員リストも活用してしていますが、カスタムダウンロードフォーマットの機能も活用しています。

給与システムは、SmartHRと連携していない給与奉行を使っています。システム同士が連携されていない場合はカスタムダウンロードフォーマットの機能が非常に役立ちます。

またシステム連携以外の部分でも、事務的な書類をつくる時の元データとして、弊社では従業員リストのほかに、カスタムダウンロードフォーマットを使う場面もあります。

横山さん

例として、社会保険の住所変更手続きにカスタムダウンロードフォーマットを活用しています。社会保険は電子申請可能な場合が多いですが、どうしても健康保険組合や、企業年金基金の兼ね合いで電子申請ができず、紙の書類を提出しなければいけないケースが残っています。

ただ、その届出書をすべて手入力で対応するとなると、負担が大きく、入力ミスの可能性があります。その点、カスタムダウンロードフォーマットで出力したデータをそのままシートにペーストすれば、健康保険組合用と企業年金基金用の住所変更の届出書が自動的に作成されるので便利です。

カスタムダウンロードフォーマットでは、出力形式の自由度が高く、名字と名前を1つのセルにまとめたり、2つに分けたり、そのほか住所のセルの分け方を用途によって変更可能です。

岡田

ありがとうございます。カスタムダウンロードフォーマットはシステム連携の文脈で紹介されるケースが多いですが、新しい活用方法として非常に参考になる取り組みでした。

Q.従業員データの活用やタレントマネジメントにおいてどのようにSmartHRの機能を活かしていますか?

岡田

続いてSmartHRで貯めたデータをどのようにタレントマネジメントに活用していくかについて伺います。

先日、バロックジャパンリミテッドさんがタレントマネジメントの取り組みをスタートされるということで、SmartHRの契約内容を「人事・労務エッセンシャルプラン」から「HRストラテジープラン」へとプランアップしていただきました。改めてプラン変更のきっかけを聞かせてください。

山畑さん

きっかけは、弊社が本格的にタレントマネジメントを推進しようと考えていた時期だったことと、SmartHRが社内で非常に高く評価されたタイミングが一致したことです。

今後は従業員サーベイ機能と人事評価機能に重点的に取り組みたいと考えています。

これまでの人事評価はExcelで対応していたので、回収や入力に手間がかかっていました。SmartHRの人事評価機能によって、本人と評価者が振り返りやすくなると同時に、回収の手間や人事側の工数を減らせるところも期待しています。

従業員サーベイは経営層からも非常に注目度が高く、今後の人的資本開示における従業員エンゲージメントや、管理職の実績など、中長期的な人事戦略を見据えたサーベイ回収を目的に進めています。

岡田

ありがとうございます。社内でSmartHRのプランアップをどのように承認いただいたのかについてお伺いしてもよろしいですか?

山畑さん

SmartHRの使いやすさが大きかったです。もちろん知名度の高さもあります。入社機能、文書配付、申請機能が非常に有用で、経営層、従業員からも使いやすい、わかりやすいと評価されています。

幅広く受け入れられている地盤ができていたので、次の一歩をやりたいと言ったときにも、すぐに導入を進められました。ここだけの話ですけれども、稟議自体もスムーズに通りました。

今後もSmartHRの機能を活用して、人事データベースの構築だけでなく、人事施策全体の強化をしていきたいです。

岡田

横山さんと中﨑さんはすでに従業員サーベイ機能を使っていますが、どのような活用をしているか聞かせてください。

中﨑

担当は別のユニットになりますが、従業員向けのエンゲージメントサーベイは毎月1回必ず実施しており、結果に関しても全社員向けに推移も報告がされています。

私が業務で使った範囲だと、育児休業制度の研修や妊活系のセミナーアンケートです。社内で複数回セミナーを実施したときに、研修後のアンケートという形で使用し、回答の推移を比べています。

ワンクリックで満足度の推移が可視化できるので、その回ごとの講師にフィードバックして、次の研修内容をブラッシュアップしています。

岡田

ありがとうございます。横山さんはいかがでしょうか?

横山さん

弊社では、従業員サーベイを社内イベントの出欠確認だったり、全社員を対象にした年1回のコンプライアンス研修後の理解度チェックテストを従業員サーベイでやっています。

従業員サーベイでは、回答の進捗が一目で確認でき、未回答の従業員には自動催促メールが送信されます。おかげで、去年の理解度テストでは回答率が100%でした。

元々弊社では従業員に対してアンケートを取る文化がありませんでしたが、回を重ねるごとにサーベイ自体が身近なものになり、従業員サーベイで何かを回答することが社内の文化として定着してきた感覚があります。今はエンゲージメントサーベイの実施に向けて動いているところです

岡田

ありがとうございます。今のお話を聞いて、山畑さんは今後の活用イメージがさらに膨らんだのではないでしょうか?

山畑さん

一口に従業員サーベイといっても多種多様な使い方があるのだなと思いました。弊社はコンプライアンステストや、社内向けアンケートはGoogle フォームを使うことが多いのですが、これを機に従業員サーベイに移行させ、ほかの部署と共有して活用を進めたいと思います。

Q.新機能「スキル管理」あなたならどうタレントマネジメントに活かしますか?

岡田

本日、「スキル管理」というの新機能がリリースされました。

本セッション最後のトピックとして、この機能をパッと聞いて、ぜひお三方に「スキル管理」をどのようにタレントマネジメントに活かしたいかを伺いたいと思います。まず、中﨑さんから、いかがでしょうか?

中﨑

私はまだ触っていないので妄想ですが、業務の進捗を把握する能力や1on1の対応力を可視化することで、人員配置に活かせる。

さらに、従業員の個人の好きなものなどを可視化して、メンターの相性検討ができると夢が広がります。

山畑さん

弊社にとっては待望の機能になります。現状は従業員個人のスキル管理は、直属の上司によって対応の濃淡がある状態なので、それらがデータベース化できると嬉しいです。

保有資格だけではなく、ジョブディスクリプション的なスキルの管理により、それを分解して異動やジョブローテーションに活かせると思います。

横山さん

私は、資格管理をスキル管理機能でやりたいです。弊社は、旅行業や不動産業ということもあり、全従業員の複数種類に渡る資格を管理する必要があります。現状は資格証明書の保管や、有効期間の管理などがネックになっています。

今はカスタム従業員項目を利用して力技で管理しています。項目数が多くなってきて、カオスな状態になってきているので、スキル管理に移行できる項目を整理したいです。

岡田

ありがとうございます。ぜひ皆さんも自社での活用方法を妄想していただけると嬉しいです。

今回これにてセッション終了となります。ありがとうございました。

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