エンゲージメントサーベイで見えた組織課題の仮説を深堀り、効果的な施策につなげる方法
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こんにちは。プロダクトマーケティングマネージャーの埜村です。
SmartHRの従業員サーベイ機能では、さまざまな質問フォーマット(プリセットサーベイ)をご用意しています。
その中にあるエンゲージメントサーベイとその他のプリセットサーベイを組み合わせて活用することで、
- 会社の課題がどこにあるか仮説を立てる
- 仮説にもとづき要因を深堀りする
という形で問題を把握し、さらにその原因を詳細に把握できます。
今回は、エンゲージメントサーベイの項目から、どのような課題を読み解き、どのプリセットサーベイで深堀りをしていくか、3パターンのユースケースをご紹介します。
SmartHR「従業員サーベイ」の種類
エンゲージメントサーベイ
SmartHRの従業員サーベイ機能でご用意している質問は、ワークエンゲージメントの理論をベースに慶應義塾大学の山本勲教授と共同研究・開発をした信頼性の高い45問の質問です。
エンゲージメントサーベイでは、画像のような分類の質問を用意しており、組織の問題を網羅的に把握できます。
その他のプリセットサーベイ
SmartHRの従業員サーベイ機能では、エンゲージメントサーベイ以外にも、マネジメントや人事評価、キャリアやハラスメントなど組織や従業員の状態を把握するためのさまざまなプリセットサーベイがご利用いただけます。
エンゲージメントサーベイ・プリセットサーベイの効果的な使い方
会社によって課題もさまざまだと思いますが、とくに「会社のどこに課題があるかわからない」という状態の場合、上記のどのサーベイから利用していくかお悩みの場合もあるかと思います。
そのような「課題がわからない」状態のときは、まずはじめに組織状態を網羅的に把握できる「エンゲージメントサーベイ」を実施しましょう。
エンゲージメントサーベイは網羅的に質問を設計しているため、健康診断のように組織の良い点や問題がありそうな部分を漏れなく可視化してくれます。
そのため、課題がわからない場合も実施したエンゲージメントサーベイの各項目の結果を眺めてみると、組織の強みや問題が見えてきます。
そこから課題の仮説を見つけ、その課題に対応するプリセットサーベイを利用して課題の原因を特定していく……という流れでご利用いただくのがおすすめです。
エンゲージメントサーベイ+プリセットのユースケース3パターン
1. 「上司」「文化」の項目から傾向をみる
組織の急拡大に伴い理念や行動指針、会社の文化の浸透に課題感があり、エンゲージメントサーベイを導入される企業が多くいます。
そのような場合、理念や行動指針、文化に関する質問を確認することはもちろん大事ですが、組織拡大に伴い経営と現場の結節点であるマネジメントが機能せず、理念や行動指針、文化をメンバーに伝えられていないことがあります。
そのため、理念や行動指針、文化に関する質問を部門ごとに確認したり、「上司」に関する質問も合わせて確認をすることで、理念や行動指針、文化に関する質問のスコアが低い要因が見えてきます。
また、マネジメントサーベイを活用することで、個々の上司のマネジメントスタイルを把握できます。支援型のマネジメントやメンバーからの意見収集が得意で、メンバーを引っ張ったり情報発信が苦手なマネージャーもいると思います。
そのようなマネージャーの傾向がわかれば、理念や行動指針、文化の浸透に対する意識を高めてもらうようなコミュニケーションをとったり、人事や他のマネージャーがサポートをするなどの対策を検討できます。
2.「人事評価」「承認と報酬」の項目から傾向をみる
人事評価に問題がありそうな場合は、問題を多角的に分析する必要があります。たとえば、従業員が人事評価に対して不満を抱えている場合、以下のような要因が考えられます。
- 評価者と被評価者の関係性が悪く、被評価者が評価結果に不満を持ちやすい
- 被評価者に評価の根拠が伝わっていない
- 評価者が日々のマネジメントの中で評価の根拠を収集できていない
- 自社の利益体質や給与水準、人事制度の目的を従業員が理解していない
- 評価制度が事業や外部環境と合っていない
列挙した要因以外にも、従業員が人事評価に対して不満を抱える理由はありますが、少しあげただけでも、人間関係やマネジメント、評価面談の方法や制度自体の理解度などさまざまな要因があります。
全ての要因を最初から調査することは、効率や従業員の負荷の問題もあるため、エンゲージメントサーベイで網羅的に人間関係やマネジメント、制度に関する問題を把握し、問題がありそうな部分を追加調査しましょう。
SmartHRのプリセットサーベイには、前述のマネジメントサーベイ以外にも、人事評価制度の理解度を確認するサーベイや、評価者・被評価者双方から人事評価制度の運用を調査するサーベイがあります。
エンゲージメントサーベイで見えてきた問題に対してこれらのサーベイを合わせて実施していただくことで、人事制度にまつわる課題を特定してしっかりとした対策を打つことができます。
3.「成長の機会」「職務」の項目から傾向をみる
エンゲージメントサーベイを実施してみると、従業員が取り組んでいる業務(職務)からやりがいを感じることができていなかったり、成長実感を得られていない問題が見つかることがあります。
その際は、キャリアサーベイを併せて利用してみることがおすすめです。
もちろんやりがいを感じられるように承認するコミュニケーションをとったり、顧客の声を伝えたり、成長実感を感じられるように育成施策を検討することも良いです。
しかし、そもそも現在担当していない業務に関心があったり、現在の業務からは成長実感を得づらいと感じている場合もあります。そのような状況を放置してしまうと、離職のリスクが高まってしまいます。
そのようなケースではキャリアサーベイも実施して、現在の業務からやりがいを感じられているかや、今後のキャリアについてどのような希望を持っているのかを把握しておくと、適切な対策を打てます。
「自社にとって重要な項目」が明確なケース
ここまで、エンゲージメントサーベイをまずはじめに実施し、各項目の結果から課題の仮説を立てていくという手法をご紹介しました。
一方で、自社の事業にとって重要な項目を戦略人事の観点で決めて(仮説を立てて)サーベイの分析を進める方法もあります。
会社の事業特性や文化と照らし合わせて重要項目を決め、項目同士の比較をしたり推移を見ていく活用方法もおすすめなので、ぜひ下記記事も参考にしてみてください。