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副業・兼業・かけもちアルバイト等の「健康診断」にまつわる注意点

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こんにちは、特定社会保険労務士の小高 東です。

2018年1月に厚労省より副業解禁のモデル就業規則に改められ、産業サイドでも副業解禁の動きがあるなど、2018年を「副業元年」と呼ぶ声もある一方、まだまだ注意事項もあります。

その一例として、アルバイトのかけもちを含む、副業や兼業の際の健康診断にまつわる注意事項をご解説します。

健康診断の実施が必要な要件

労働者が副業・兼業をしているかにかかわらず、以下(1)、(2)のいずれの要件をも満たす者については、労働安全衛生法第66条等に基づき、会社は一般健康診断を実施する必要があります。

また、労働者が常時50人以上の事業場については、第66 条の10に基づき、ストレスチェックも併せて実施する必要があります。

(1)対象者の要件

  • 無期契約労働者
  • 有期契約労働者(契約期間が1年以上)
  • 有期契約労働者(契約更新により1年以上使用されることが予定されている)
  • 有期契約労働者(1年以上引き続き使用されている)

(2)労働時間の要件

1週間の労働時間数が、当該事業場において同種の業務に従事する通常の労働者の「1週間の所定労働時間の3/4以上」である者

副業・兼業者への留意点

(1)副業・兼業者の労働時間の通算について

上記措置の実施対象者の選定にあたって、副業・兼業先における労働時間の通算は不要です。

ただし、使用者が労働者に副業・兼業を推奨している場合は、労使の話し合い等を通じ、副業・兼業の状況も踏まえて、健康診断等の必要な健康確保措置を実施することが望まれます。

(2)副業・兼業者の健康障害防止策について

副業・兼業者の、長時間労働や不規則な労働による健康障害を防止する観点の留意点もあります。

働き過ぎにならないよう、例えば、自社での労務と副業・兼業先での労務との兼ね合いの中で、時間外・休日労働の免除や抑制等を行うなど、それぞれの事業場において適切な措置を講じることができるよう、労使で話し合うことが望まれます。

労働者には「自己保健義務」がある

労務を提供する労働者には自己保健義務があります。

賃金を副業・兼業を行うにあたっては、副業・兼業による過 労によって健康を害したり、業務に支障を来したりすることがないよう、労働者(管理監督者である労働者も含む)が自ら、本業及び副業・兼業の業務量や進捗状況、それらに費やす時間や健康状態を管理する必要があります。

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