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年5日の年次有給休暇「時季指定」。就業規則への明記は必須?|労務のお仕事Q&A

公開日

この記事でわかること

  • 「年次有給休暇の時季指定」時に必要な要件
  • 10人未満の事業場での「就業規則」作成のメリット
目次

日ごろ、人事・労務業務を担当するなかで「これってどうなの?」という疑問もあるのではないでしょうか。そんな皆さまの疑問に、社労士・税理士・弁護士などの専門家がお答えします。今回は「年5日の年次有給休暇の時季指定」について、社労士が解説します。

Q:年5日の年次有給休暇の時季指定を検討。就業規則への明記は必須?

相談者

年5日の年次有給休暇の取得義務を果たせそうにない社員が多いため、年次有給休暇の時季指定を検討しています。当社は常時9名以下なので就業規則を作成していないのですが、年次有給休暇の時季指定を実施する際は、就業規則を作成し、明記しなければならないのでしょうか。

(労務担当・34歳/運送業界 埼玉県)

A:時季指定実施に就業規則の作成・明記は必要なしも、
働きやすい環境整備のためにも就業規則の作成がおすすめ

羽田 未希

年次有給休暇の時季指定義務で求められているのは、使用者が労働者に取得時季の意見を聴取し、労働者の意見を尊重して使用者が取得時季を指定することです。時季指定を実施するために、就業規則が必要ということではありません。

10人未満の事業場では、就業規則の作成と労働基準監督署長への届出義務はありません。しかし就業規則は、労働者の労働条件を公平・一律に規定し、職場の規律を定めるものであり、事業を運営するうえで有用なものです。

就業規則の作成義務がない段階での暗黙のルールは、後々での廃止が困難になることや、職場の規律がない状態では、働きやすい職場環境の整備に苦労することが予想されます。10人未満であっても、働くルールを明確にしたいのであれば、就業規則の作成をおすすめします。

本件の「教えて!専門家さん」羽田 未希

はた社会保険労務士事務所 特定社会保険労務士

17年間の飲食業現場経験を持つ、異色の女性社会保険労務士として飲食業・小売業などサービス業を得意とする。パート・アルバイト活用、人材育成のコンサルティング、労使トラブルを未然に防ぐ就業規則作成、助成金申請など、中小企業の人材活用のサポートを行う。著書に『店長のための「稼ぐスタッフ」の育て方』(同文舘出版)がある。

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