創業46年のクリーニングチェーン経営者が語る、働き方改革に取り組む理由

2018.07.17 ライター: 藤田 隼

神奈川県川崎市や多摩地区を中心にクリーニングチェーンを展開する株式会社和光。創業40年以上の歴史をもつ同社は、28の店舗と250名を超える従業員を抱えます。

そんな同社に、企業成長とともに年月を重ねる中で立ちはだかったのが、煩雑化・属人化するバックオフィス業務という壁。

これを経営課題として捉え、今まさに業務効率化、そして働き方改革へと取り組んでいるのが、株式会社和光 代表取締役の勝川 由康さんです。

SmartHRの活用で目指す「人事労務の効率化」をテーマに実施したインタビュー本編とは切り口を変え、こちらの番外編では、自社や従業員に対する想い、そして働き方改革における今後の展望について掘り下げます。

「最強のクリーニング屋さんになる」という先代への約束

― 先程、従業員の皆さんの誕生日にサプライズをしたいという素敵なアイデアがありました。御社の経営理念として 「愛をもって、人とサービスをつなぐ」と掲げられていますが、お客様はもちろん、スタッフの皆さんに対して愛をもって向き合われています。これについて、何かきっかけはありますか?

勝川さん:弊社は、私が3代目(代表)なのですが、いきなりピンチでの就任だったんです。ちょうど7年程前、2011年8月なんですけど、当時の経営状況としてはかなり苦しく、売上を出していくことにのみ向き合って突き進んでいました。例えば飲み会があっても「僕は行かないから」と、そんな感じだったんですね。

そのようなスタンスで7年が経ち、売上も上がり利益も出るようになって、パッと後ろを振り向いた時に、従業員みんな息が上がって、肩で息をしているような状態だったんです。これでは会社に未来がないな、と。

何が原因か考え抜いたひとつの結論として「イキイキ」や「ワクワク」などの要素が弊社には足りないと気づきました。

一方、先代に対して葬式や墓前で「最強のクリーニング屋さんになる」と約束していました。そこで、「最強」をひとつのテーマにして、自分なりにその定義を考えたときに必要なものが「愛」と「つなぐ」だったんです。

顧客も従業員も主婦。ターゲットに合わせた「愛」というテーマ

― 「愛」と「つなぐ」、それぞれの定義を詳しくお聞かせください。まず「愛」はいかがですか?

勝川さん:まず「愛」について。学生時代に遊びでDJをかじっておりまして、ソウルなどのブラックミュージックが好きだったんです。ソウルでは、多くの曲名に、「Love」って付いているんですよね。一方、クリーニング店というサービス特性として、顧客もスタッフも主婦の方が多く、ファミリー層がターゲットなんです。

そういったことから、「愛」というキーワードが当てはまるんじゃないかと考えました。

― ソウルやブラックミュージック……僕も大好きです! とても意外なところからの着想だったんですね。

勝川さん:そうなんです。ソウル以外にもビートルズが「All You Need Is Love」と歌っていたりしますしね。

愛で「つなぐ」お客様と従業員。

― 一方の「つなぐ」はいかがですか?

勝川さん:弊社はパート・アルバイトさんが多い会社です。劇団員やお笑い芸人、落語家、バンドマン、声優など、夢を追いかけつつ掛け持ちで働いている方も中にはいらっしゃって。

要はうちが腰掛けみたいな状況なんですね。主婦の方もそうですよね。家庭がメインで、うちがサブみたいな。

でも「腰掛けで大丈夫、むしろいろんな境遇の方々がお互い認め合う文化のある会社にしたい」ということで、この「つなぐ」という言葉を経営理念に入れました。

― いま会社で働いているかいないかに限らず、時を経ても「和光」という会社とつながっていてほしいと。

勝川さん:それはもちろんですが、もし仮に弊社を退職したとしても、めぐりめぐって、その人がいつかお客様を紹介してくれるようなこともあるかもしれない。そのお客様が更に従業員を紹介してくれることもあると思います。いま、お客様の数は全店舗トータルで5万人以上いるため、今後更に大きな輪となって広がっていくように努力します。

そのようなことを踏まえ、「最強のクリーニング屋さん」になるためのキーワードを「愛」「つなぐ」にしようと。そして「愛をもって、人とサービスをつなぐ」という理念を掲げたんです。

なので「人」は、お客様はもちろん、従業員も含まれています。これは辞めていった方も含めて。きれいなことを言っていますが、現実は厳しいことも沢山あります。ただ、理想を追求しなければ、「最強」には向かわないと思っています。

― 愛と信念に満ちたお話をありがとうございます! ちなみに、その退職された方々も含めて、今でも交流はありますか?

勝川さん:そうですね、交流は多いと思います。大学卒業とともにアルバイトを卒業して、今は立派に頑張っている社会人とか、あとは結婚してお子さんが生まれたママさんとか。最近は意識的に、退職後も弊社を思い浮かべてもらえるように接しています。

従業員1人1人と向き合うための「業務効率化」

― その「接し方」というのは、従業員1人1人と向き合うための施策に取り組んだり、そのための時間をつくったりということですか?

勝川さん:はい、完璧にできているかと言われればそうではありませんが、そのための取り組みによって、もっと従業員と向き合っていきたいです。

― 例えば勝川さんも含め持ち回りでブログを週1回更新していたり、勉強会や表彰式などにも取り組まれていたりするのは、「従業員と向き合いたい」という気持ちとリンクしているのでしょうか?

勝川さん:リンクしています。これまで様々なことをトップダウンで進めることが多かったのですが、すべてをトップから一方通行ではやっぱり現場の従業員にとってみれば楽しくはない。

なので、従業員にとって楽しい、やりがいのある会社にしていくため、1人1人が主体的に臨み、会社の仕事が自分ごとになるよう、様々な取り組みを試みています。

― 一方、従業員の皆さんと向き合っていくには、やはりそれなりの時間がとられそうです。

勝川さん:そうですね。その時間という壁の解決のために、バックオフィスだけでなく、自社工場での最新クリーニング機器導入なども進めています。なぜならば、従業員の多くが主婦のパートの方なので、14時や15時には上がる人も多く、時間が限られているからです。

限られた時間の中で、会社と従業員1人1人が向き合うという観点から、様々な業務効率化に取り組んでいます。

業務効率化が「人材の強み」を引き出し、企業競争力向上に繋がる

― 今まさに取り組んでいる業務効率化について教えてください。

勝川さん:バックオフィスの中でも、SmartHRによる「労務の効率化」が最初のチャレンジだったのですが、こちらが安定運用できたので、次は勤怠や給与計算、会計などの効率化と、それぞれの連動によって「バックオフィス全体での効率化」を図っていきたいです。

― 業務効率化によって生まれた時間を生かして、取り組んでいきたいことはありますか?

勝川さん:「人材難時代」への対策として、全社的に人数が伸び悩んだり圧縮されたりしたとしても、それに耐えられる状態へと整えていく必要があると思っています。

ビジネス面においても新規事業などを検討していますが、その際に新たに社長の右腕や秘書を雇うのではなく、機械でできる仕事は機械に任せ、人だからこそ担うべき役割に注力してもらうことで、社内から人材を登用していこうと考えています。

― バックオフィスの効率化、ひいては全社の効率化を進めることで「人材の強み」を最大限引き出し、ビジネスにおける優位性・競争力も強化していこうということですね。

勝川さん、本日はありがとうございました!

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藤田 隼

SmartHR Mag. 2代目編集長。ソーシャル系スタートアップでSNSマーケティングや自社メディア運営に携わり、2015年よりメディアに特化した事業会社で複数サイトのディレクターを経験した後、SmartHRにジョイン。ウェブ解析士。
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