就業規則で「入社半年未満は休職不可」と定めても問題ない?|労務のお仕事Q&A
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この記事でわかること
- 休職制度の適用範囲を定める際の注意点
- 休職制度設計時のポイント
日ごろ、人事・労務業務を担当するなかで「これってどうなの?」という疑問もあるのではないでしょうか。そんな皆さまの疑問に、社労士・税理士・弁護士などの専門家がお答えします。今回は「休職制度の適用範囲を定める際のポイント」について、社労士が解説します。
就業規則で「入社半年未満は休職不可」と記載しても問題ない?
相談者
入社すぐに心身不調のため休職する社員がいます。就業規則上「入社半年未満の場合、休職できない」と記載しても問題ないのでしょうか?
(人事担当/通信業界 東京都)
法律上では定めなし。就業規則への明示で「入社半年未満は休職不可」もOK
宮原 麻衣子
労働基準法などの法律において、休職制度に関する定めはありません。企業が独自にルール化し、就業規則に明示することで、休職制度は有効になります。
休職制度を利用できる労働者の範囲を「入社から半年以上経過していること」と定めることも可能です。しかし、実際に入社後まもなく労働者が心身不調に陥る可能性はあり、その際に「休職制度が利用できないが、勤務もできない=解雇」と簡単に結論を出すのも難しい場合があります。
休職制度自体は、すべての労働者が利用できるように定めたうえで、勤続年数に合わせた細かい休職期間の設定や、休職期間の上限を設定して会社側が必要な期間を判断するなどの制度を設計するのも、ひとつの方法かもしれません。
野嶋社会保険労務士事務所 特定社会保険労務士
2003年、メンタルヘルスの専門家である精神保健福祉士資格を取得し、精神科医療機関等で勤務。2015年に社会保険労務士登録、2017年に特定社会保険労務士となり、労働社会保険関係法に関する専門家として企業の労務管理のコンサルティング業務を担う。また精神保健福祉士養成の専門学校にて後進の育成に携わるほか、労務管理全般やストレスマネジメントに関する研修等において講師を務める。健康経営エキスパートアドバイザー。