生活残業を防止したい。具体的な判断・対処法は?|労務のお仕事Q&A
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この記事でわかること
- 従業員が残業する場合の注意点
- 生活残業の具体的防止策
日ごろ、人事・労務業務を担当するなかで「これってどうなの?」という疑問もあるのではないでしょうか。そんな皆さまの疑問に、社労士・税理士・弁護士などの専門家がお答えします。今回は「生活残業の判断・防止策」について、社労士が解説します。
生活費目的の残業をしていそうな従業員が……。判断・対処法は?
相談者
生活費を目当てに残業する「生活残業」と思われる従業員がいます。上司に確認したところ、「対象者の能力からすれば適切な業務量」との返答がありました。生活残業か否かを判断する方法や対処法はあるのでしょうか。
(労務担当/卸売業界 兵庫県)
許可制を導入したうえで時間管理・人事評価の両面での対策を
羽田 未希
時間の使い方や残業の現状について本人にヒアリングし、業務内容・業務量から就業時間内に終わることを、本人・上司が一緒に確認するとよいでしょう(必要に応じて人事・労務担当者同席)。
残業(時間外労働)は本来、労働者が勝手に行うものではなく、上司が命じて行わせるものです。一律のルールとして、残業は許可制にし、勝手に残業しないように指導する必要があります。それでも勝手に残業する場合は、残業禁止命令を出して、強制的に業務を終了させる必要があります。
また人事評価において、労働時間の長さではなく、効率的で生産性が高い仕事について評価することを明確にしておきましょう。時間管理、人事評価の両面から対策することで、ダラダラ残業、生活費目的の残業などはなくなると思います。
はた社会保険労務士事務所 特定社会保険労務士
17年間の飲食業現場経験を持つ、異色の女性社会保険労務士として飲食業・小売業などサービス業を得意とする。パート・アルバイト活用、人材育成のコンサルティング、労使トラブルを未然に防ぐ就業規則作成、助成金申請など、中小企業の人材活用のサポートを行う。著書に『店長のための「稼ぐスタッフ」の育て方』(同文舘出版)がある。