働き方を変えるのは私たち!人事・労務とSmartHRのこれから【PARK fes. 2024 登壇レポート】
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2024年9月12日、SmartHRのユーザーコミュニティ「PARK」が主催する「PARK fes. 2024」を開催し、多くの企業の人事・労務担当者が集まりました。なかでもとくに注目を集めたのは、SmartHR 代表取締役CEOの芹澤 雅人によるセッション「働き方を変えていくのは私たち!人事・労務とSmartHRのこれからを語る」です。本記事では、芹澤が語ったSmartHRの未来と人事・労務の今後、そしてコミュニティの重要性についてお伝えします。
SmartHR 代表取締役CEO
2016年2月、SmartHR入社。2017年7月にVPoE就任。2019年1月以降、CTOとしてプロダクト開発・運用に関わるチームの最適化も担う。2020年11月取締役に就任、D&I推進管掌役員を兼任し、社におけるD&Iの推進に尽力。2022年1月より現職。
成長とともに変化する組織運営のあり方
私は2016年にSmartHRにエンジニアとして入社し、プロダクト開発に携わってきました。2022年からはCEOを務め、現在は全社の経営を担当しています。会社は2013年に設立され、2015年に労務管理サービスを提供。そこから急成長を遂げ、現在では従業員数が1,200名を超えています。
SmartHRも一企業として人事・労務の課題に真剣に取り組んでおり、成長とともに組織運営や人事制度も変化してきました。リード・ホフマン氏の『ブリッツスケーリング』の考えを参考に、従業員数に応じて「家族」「部族」「村」「都市」「国家」といったフェーズに分けて考えています。
私が入社した当時は「ファミリーステージ」で、社員は自由に働き、それぞれがやりたいことを進めていました。しかし、社員数が増えるにつれ「部族ステージ」に移行し、評価制度や報酬制度の導入が必要に。さらに、コロナ禍をきっかけにリモートワークが進み、組織が「村ステージ」に発展すると、より複雑な運営が求められるようになったのです。
タレントマネジメントでハイパフォーマー育成と組織成長を促す
事業が成長するごとに、組織のオペレーションや制度も柔軟に最適化されています。現在、私たちは「都市ステージ」に突入し、タレントマネジメントが組織の成長を支える重要な要素に。ハイパフォーマーを育成し、組織全体の成長を促すため、タレント会議や研修も盛んに実施しています。
しかし、まだ多くの課題が残されており、今後も成長を続けるには、再現性をもって組織と事業を拡大していく必要があります。成長にともなう組織の複雑化や従業員の多様なニーズに対応するには、持続的な発展に向けたさらなる工夫が不可欠です。とくに、人事・労務から組織を変えていくことが、今後の大きなチャレンジとなるでしょう。
SmartHRが掲げる「well-working」の実現と課題
私たちは「well-working(労働にまつわる社会課題をなくし、誰もがその人らしく働ける社会をつくる)」というミッションを掲げています。
このミッションを実現するためには、デジタルトランスフォーメーション(DX)への対応や、デジタル人材の不足、労働人口の減少、働き方の多様化など、多岐にわたる課題に取り組む必要があります。
これらの課題に対して、SmartHRを通じて人事・労務担当者をサポートし、共に解決策を見つけていきたいと考えています。
バックオフィス全体をカバーする未来
SmartHRは労務や社会保険手続きを効率化するサービスとしてスタートしましたが、近年では「タレントマネジメント」機能を強化し、組織全体をよりよくするためのサービスへと進化しています。
私たちが目指すのは、バックオフィス全体に価値を提供するプラットフォームです。これにより、採用から退職までのプロセスを一元化し、業務が効率化する未来を実現しようとしています。
「タレントマネジメント」領域で新しくリリースされた機能には、従業員のキャリアを管理する「キャリア台帳」や、リスキリングを支援する「学習管理」が含まれています。「HRアナリティクス」や「採用管理」といった機能も追加され、企業の成長を後押しするでしょう。
さらに「ID管理機能」や「従業員ポータル機能」、そして開発中である「勤怠管理機能」が加わると、SmartHRはさまざまなバックオフィス業務に対応できるプラットフォームへと進化していきます。
たとえば、採用管理で入社が確定したタイミングから自動で各種システムのIDを発行したり、入社手続きを進めたりといったことができるようになり、バックオフィス全体を効率化できる未来がみえてきます。
VUCA時代における「生涯学習」の重要性
新しい機能が増えることで、現場ではそれらの機能を取り入れた業務フローの再構築が必要なケースも多くあります。法改正や年末調整への対応など、すでに多くの業務があるなかで、新たなタスクが加わることはとても大変です。
ただ、私たちが直面しているのは、VUCA(変動性、不確実性、複雑性、曖昧性)の時代。このような時代において、すべての人が「生涯学習」に取り組む必要があります。新しい知識やスキルを学び続け、変化に対応していかなければなりません。とくに、職場は長い人生の中で大きな時間を費やす場所ですから、学びの場と捉え、成長の機会として活用することが重要です。
学び合いの場としてのPARKコミュニティ
PARKのコミュニティは、こうした学びの場を提供しています。職場を越えて他社の人事・労務担当者同士が知識や経験を共有し合うことで、互いに成長できる場です。
「会社が違っても関係ない。みんなで教え合い、学び合おう」という精神が、PARKの核となる考え方。複雑化する人事・労務の課題も、集合知を活用して解決できると信じています。私たちは、全員が同じ方向を向き、共に進んでいく仲間です。
働き方を変えるのは人事・労務から。PARKを通じて、他社の同僚と出会い、学び合いながら、日本の働き方を共に変えていきましょう。