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SmartHRユーザーと開発者が語る「離職対策」【PARK fes. 2024 鼎談レポート】

公開日
目次

2024年9月12日開催の「PARK fes. 2024」から、離職対策をテーマにした鼎談セッションの模様をお届けします。

SmartHRユーザーである株式会社プレイドの大谷 菜保さん、医療法人社団泰大会 坂本 健一さん、そして株式会社SmartHR タレントマネジメントプロダクト本部の松栄 友希が、企業の持続的成長を支えるための「離職対策」について語り合いました。ユーザーと開発者、それぞれの視点から具体的な課題と解決策が紹介されたこのセッションは、離職対策に悩む人事労務や採用担当者にとって必見の内容です。

  • 登壇者大谷 菜保

    株式会社プレイド

    新卒で自動車部品メーカーに入社し、情報システム室に勤務。 その後決済代行会社でバックオフィスのマネージャーを務め、管理部門の業務を幅広く経験。 2020年にプレイドに入社。IPO準備、上場を経験し現在は評価報酬制度のPJTオーナーなどに従事している。

  • 登壇者坂本 健一

    医療法人社団泰大会(イキイキチイキ法人泰大会)

    2015年12月 医療法人社団泰大会に入職し、クリニック運営他、外部医療機関・福祉施設・介護事業所との医療介護連携や地域連携に携わる。 2020年に一度退職するが、2022年4月に泰大会に復職。 法人全体の管理部門に携わる傍ら、人材育成、業務効率化、医療DXの推進にも取り組んでいる。

  • モデレーター松栄 友希

    株式会社SmartHR タレントマネジメントプロダクト本部

    デザイナー、マーケターなど多様な職種を経てProduct Managerに。XTechグループで創業期からの会社立ち上げも経験。STORES株式会社を経て、2022年12月にSmartHR入社。2024年1月よりタレントマネジメントプロダクト本部 本部長。日本CPO協会常任理事。

自己紹介 ~ユーザーとプロダクト開発者が語る~

セッションの冒頭で、登壇者がそれぞれ自己紹介を行ないました。

登壇者3名の様子

(左:大谷さん、中央:松栄、右:坂本さん)

大谷さん(株式会社プレイド)

「KARTE」をはじめとしたプロダクトや関連の事業を展開している株式会社プレイドに所属しています。社員数は約400名です。現在、人事評価制度や人員レポートの可視化に取り組んでおり、離職対策にも積極的に関わっています。今日は少しでも皆さまのお役に立てれば幸いです。

坂本さん(医療法人社団泰大会)

医療法人社団泰大会で総務を担当しています。SmartHRは主に入職管理や新入職員向けのオリエンテーションで活用していますが、今後さらに効果的に使っていきたいと考えています。

松栄(株式会社SmartHR)

私はSmartHRで「タレントマネジメント」領域の開発に携わっています。エンジニアやデザイナーと協力し、皆さまの業務をサポートする製品を作ることに注力しています。本日はどうぞよろしくお願いいたします。

現状把握が離職対策の第一歩

登壇する大谷さんの様子

松栄

早速ですが大谷さん、会社での離職対策についてお聞かせいただけますか?

大谷さん

当社で最初に直面したのは、「なにが課題なのかがわからない」という課題です。どの部門でどのような離職が起きているのか、2〜3年前まではデータを全く把握できていませんでした。経営陣から「離職率はどれくらいか?」と聞かれても、すぐに答えられなかったんです。

松栄

確かに離職データがなければ、問題の特定が難しいですよね。

大谷さん

そうなんです。離職には金銭的なコストだけでなく、オンボーディングや引き継ぎにかかる非金銭的な負担も大きいです。まずは現状を把握するために、退職者に対して「EXIT(退職者)インタビュー」を実施。退職理由や改善点をフィードバックとしてもらい、そのデータをもとに原因を特定していきました。

SmartHRの「分析レポート」で離職の傾向を可視化

大谷さん

さらに、SmartHRの「分析レポート」を活用しています。機能が増え続けるSmartHRのなかでも、私の推し機能(笑)。これは入退社の手続き中に自動的にレポートが生成され、部門ごとの離職率やクロス分析が簡単に実施できる機能です。経営陣には定期的に「キャリアに対する不満が増えている」「特定の部門で離職率が高い」など、データにもとづいた報告をしています。データを用いて事実を示すことで、経営陣との意思疎通もスムーズになり、改善サイクルも回るようになりました。

HRアナリティクスで離職傾向を詳細に把握

松栄

SmartHRには、もう一つ「HRアナリティクス」という新しい機能があります。この機能は、従業員のデータを細かく分析できるのが特徴です。たとえば、在籍年数や役職別に離職率をクロス集計し、どの役職の人が早期退職しているのか、どの職種に問題があるのかを具体的に可視化できます。また、退職済みの従業員の情報も含めて集計できるので、過去の離職者の傾向も確認できます。

図表:HRアナリティクスの活用例

大谷さん

私たちも四半期ごとにデータを確認し、「最近は早期退職がやや増えている」といった傾向を把握し、それに対してどのように対策を取るかを考えています。

選考プロセスの見直しと期待値調整

松栄

具体的にどのような対策を進めたのですか?

大谷さん

入社者と会社・部門間のミスマッチを防ぐために、採用面談時の期待値調整を強化しました。また選考の効果を最大化するために、職種や役職に応じて面談回数を適切に調整することで、選考の質を保ちながらも、効率的な採用ができるようにしています。重要なポジションには従来通りの選考プロセスを維持し、ほかの職種では短縮したプロセスを採用しました。選考の質を保ちながらも、効率的な採用ができるようにしています。

図表:離職対策の打ち手

医療業界における離職対策

登壇する坂本さんの様子

松栄

次に、坂本さんの医療業界での取り組みについて教えてください。

坂本さん

皆さんが通院しているクリニックの看護師さんや検査技師さんが突然辞めてしまうと、不安を感じませんか?医療業界では、職員の離職がサービスの質に直結するため、労働環境の改善は最優先課題です。

具体的には、小さなお子さんがいる職員が多いため、お子さんの急な体調不良時に対応できるように、時間単位で有給休暇が取得できる制度を導入しました。また、入職時に新卒採用でも中途採用者でも終日オリエンテーションを実施。入職初日に法人本部に集まっていただき、法人のミッションやビジョンを共有しています。入職から3か月後には定期面談を実施し、職員の声を聞くことも重視しています。

フォローアップ面談とキャリアの重要性

松栄

3か月目の面談では、具体的にどのようなことを聞いていますか?

坂本さん

まずは仕事に慣れたかどうか、問題がないかを確認します。また、今後やりたい業務や役割についても質問して、職員が「自分のキャリアを大切にされている」と感じられるように心がけていますね。

また、面談で得た意見は必ず現場主任にフィードバックしています。長く在籍していると固定観念や過去のやり方に縛られがちですが、職員から聞いた意見や他社の事例を参考にしながら、業務改善のヒントを提供しています。

図表:入職3か月面談のフォローアップ内容

松栄

人事が現場の業務改善に貢献するのは素晴らしいですね。

SmartHRの「キャリア台帳」で従業員のデータを一元管理

登壇する松栄の様子

松栄

SmartHRには「キャリア台帳」というプロダクトもあります。これを使うと、従業員一人ひとりのスキルや経歴、評価、面談記録などを一元管理できます。たとえば、入社時の面談内容を記録し、1年後にその記録を見直してキャリアの進捗を確認することができるので、長期的なキャリアサポートにも役立ちます。上長との面談記録も残せますし、記録から離職原因を探ることもできます。

図表:キャリア台帳の活用例

坂本さん

面談内容を振り返り、将来的なキャリア開発に役立てるのは非常に効果的ですね。

早期対応が離職防止の鍵

登壇者3名の様子

松栄

最後に、お二人からメッセージをお願いします。

坂本さん

私が一番大事だと感じているのは、「異変に早めに気づき、すぐに対応すること」です。以前は6か月目に面談を行なっていましたが、その間に問題を抱えてしまい、退職してしまう職員が出てしまいました。現在は、面談のタイミングを早め、問題を早期にキャッチできるようにしています。

大谷さん

私も同様に、早めの対応が重要だと考えています。日々の変化に敏感になり、データを活用して状況を把握し、迅速に手を打つことが大切です。

松栄

お二人とも素晴らしいお話をありがとうございました。皆さんも、PARKで引き続き情報交換を行ない、離職対策に役立てていただければと思います。

───以上、「PARK fes. 2024」で語られた離職対策とSmartHR活用術のレポートでした。ぜひ皆さんも、自社での離職防止策を進める際に、これらの事例を参考にしてみてください。

(アーカイブ動画)

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