【調布東山病院 登壇】病院の働き方改革2021 セミナーレポート

2021.04.05 ライター:元田有紀

2021年3月17日、「病院の働き方改革2021」セミナーを実施しました。医療法人社団 東山会 調布東山病院様をお招きし、システム導入までの道のりや、業務効率化の具体的な効果などを、トークセッションを通じてお話いただきました。

登壇いただいたのは、

・医療法人社団 東山会 調布東山病院 人事総務課 課長 坂本 淳子 様

・医療法人社団 東山会 調布東山病院 人事総務課 信夫 秋 様

・SmartHR セールスグループ 大久保 季絵

の3名です。

モデレーターは、SmartHR関西支社の今西 佑太が担当。本稿では、第二部のトークセッション、「調布東山病院が語る!システム導入の進め方と具体的な効果」の内容をご紹介します。

今西:本日はテーマを大きく3つご用意しています。1つ目は導入の検討を始めたきっかけと検討の進め方、2つ目はSmartHR導入の決め手と上申の乗り越え方、そして3つ目は稼働までの道のりと具体的な効果。この3つのテーマに沿って進行します。

はじめに、簡単に自己紹介をお願いします。

坂本さん:調布東山病院 人事総務課の坂本と申します。調布東山病院は、東京都調布市にある病院で、二次救急の病院のほかに、近隣に訪問看護ステーション、世田谷区や多摩地域にそれぞれ透析センターがある医療組織です。

職員数は法人全体で約590名ほどで、人事労務の担当は3名おります。

信夫さん:信夫と申します。人事労務を担当しており、主に給与計算や年末調整、SmartHRの導入、運用も担っています。よろしくお願いいたします。

導入の検討を始めたきっかけと検討の進め方

今西:さっそく1つ目のテーマに入りますね。SmartHR導入のきっかけ、背景について教えていただけますか?

坂本さん:職員数が年々増えているにもかかわらず、人事労務に関わる手続きがすべて紙運用で業務負荷が高くなっていました。

給与明細配布や年末調整業務を少人数で進めなければならず、かなり業務負荷が高まるなか、正確性も求められていました。紙運用の場合はヒューマンエラーのリスクもあるため、ストレスが高かったのではないかと思います。

2020年4月から社会保険の電子申請義務化も始まりましたので、それに沿う形でシステム導入を検討し始めました。

今西:どのような体制で検討を進めたのでしょうか?

坂本さん:SmartHR導入の検討や検証は、信夫1名で進めました。

今西:医療機関がシステム導入を検討されるとき、体制や役割分担についてお悩みの方が多いと思います。多くの病院様をご支援している大久保さんからも、どのような体制で検討されている病院が多いか伺えますか?

大久保:坂本さんがお話しいただいたように、ほとんどの病院様が人事労務担当が選定や導入を推進する役割をもっています。人事労務業務の専門の知識がある方がサービスを選定し、具体的なデータの管理やネットワークについてはシステム担当の方が入ることもありますね。

今西:なるほど、人事労務領域のシステムはその専門である人事労務担当の方が進めていくとよさそうですね。

SmartHR導入の決め手と上申の乗り越え方

今西:次に2つ目のテーマ、「SmartHR導入の決め手と上申の乗り越え方」について伺っていきたいと思います。まずは、システム導入において何を重視していたかを教えてください。

信夫さん最も重視していたのは「職員の方が抵抗なく使えるかどうか」です。

当院では電子カルテを使う方はいるものの、普段の人事上の手続きはすべて紙で運用していましたので、すべてIT化してしまうと抵抗感が出るのではと不安がありました。ですので、職員にとって使いやすいシステムを検討していました。

今西:そのなかでSmartHRをお選びいただいた決め手は何でしたか?

信夫さん:「本当に使いやすい」と思ったことですね。導入直後はスマホなどに慣れていない世代の方は戸惑ったかもしれませんが、今では70代〜80代の方もスマホで給与明細を閲覧したり、アンケート等回答の操作もされたりしています。

今西:それは嬉しいです! では、SmartHRを導入しようと思った後、決裁を進める流れや工夫された点をお話しいただけますでしょうか。

坂本さん:週に1度の会議で上層部が病院の方針決定などを決めていますので、まず現状の課題感をその場で共有することから始めました。

(実際に上申時に用いた資料)

坂本さん:こちらの資料は費用に関するものですね。主に紙の費用、人件費、郵送費を掲げています。

ただ、コスト面での効果があると訴えるには少し弱い部分がありました。コスト改善だけでなく、個人情報を紙で扱うリスク管理の視点から上申しています。

今西:これはかなり詳細に費用対効果がわかる資料ですね。ほかにもご用意いただいた資料がありますので、ご紹介します。

(上申時に用いたWeb化の概要資料)

坂本さん:こちらの資料は、「どうしてIT化が必要か」と、IT化のメリットを表示しています。短い会議のなかでどのように伝えていくか、この資料を用いて工夫しました。

今西:なるほど。現状の課題を提示し、その解決策としてIT化の推進があると説明されたうえで、コストシミュレーションを提示したんですね。

もう1つ資料をいただいております。こちらは本当にSmartHRがいいのかどうかを提示するための比較表ですね。

(ベンダー比較表)

坂本さん:はい。導入するとどう変わるかの予測も記載しています。比較しやすくした資料を作成したうえで、「私たちはSmartHRを使いたいと思っています」とお話ししました。

今西:ありがとうございます。非常にリアルな資料ですね! 複数項目を並べて比較されていたんですか、こちらはかなり参考になるのではないかと思います。

IT化の必要性、コストシミュレーション、比較表、この3つの資料を活用することでスムーズに決裁が進みましたか?

坂本さん:そうですね。SmartHRさんから導入企業の実績を聞いていましたので、安心して導入できるとお伝えしました。医療業界ではまだまだSmartHRをご存じない方もいます。上場企業や大企業でも導入している実績をお伝えすることで、かなり安心感を得られたようです。

今西:検討開始から導入決定に至るまでのスケジュール感を教えてもらえますか?

(検討から導入までのスケジュール)

信夫さん:2019年の10月末頃にSmartHRに問い合わせをしたのがスタートです。11月上旬頃に商談をして、仕様の確認をしました。

11月から12月はさらに他のベンダー様にも情報収集をしたり、上申のための資料作成をしたりしています。この期間は年末調整の時期でもあり、少し時間はかかりましたね。

2020年の1月に決裁のために会議で上申しまして、1月末に契約締結しました。検討から導入まで約3ヶ月です。

SmartHR稼働までの道のり

今西:それでは最後のテーマです。ここからは実際に導入から活用までの道のりや、感じた効果についてお話を伺います。

導入後のスケジュールを簡単にご説明いただけますでしょうか。

(1年間のSmartHR稼働スケジュール)

信夫さん:こちらは1年間のスケジュールイメージです。契約締結後の設定や運用開始のスケジュールを「Web給与明細」「年末調整」などの業務ごとに記載しています。職員への案内も、まずは「給与明細をWeb化します」というお知らせから始めました。

急に「給与明細や年末調整などがすべてWeb化されます」と伝えると驚かれる可能性があるので、徐々にスタートしています。

3月は給与明細を紙とWeb両方で閲覧できるようにし、少しずつSmartHRに移行しました。夏の賞与のタイミングではかなりSmartHRにログインしていただけるようになりましたね。

12月には年末調整の結果も踏まえて源泉徴収票をSmartHRで公開しました。確定申告をされる方も多いため、非常勤の先生もログインしてくださり、ほとんど問題なく運用できています。

今西:このスケジュール図を見ても、段階的に進められていることがわかりますね。職員の方にご説明するにあたり、どんな工夫をされましたか?

信夫さん:新型コロナウイルスの影響で、対面での説明会を開催できませんでしたので、院内のイントラネット内の掲示板で周知したり、マニュアルを配布したりして広報しています。

信夫さん:職員全員のメールアドレスを把握していなかったため、まずは社員番号でログインしてもらい、その後各自でメールアドレスを登録してもらいました。今は給与明細や人事からの案内もメールで送っています。

今西:職員のみなさんの反応はいかがでしたか?

坂本さん:想定していたよりも質問は多くなかったですね。段階的にスタートしたのがよかったのかもしれません。給与明細をまず見て、慣れてきたら「年末調整もやってみましょう」という形にしたのはよかったです。年末調整の際に「紙で申告したい」という方はいませんでした。

ただ、今までとまったく異なるやり方でしたので、当初は不安を感じている職員もいました。一緒にスマートフォンを見ながら説明するなど、職員の方の不安を解消できるよう、職員に寄り添った対応を心がけています。

今西:みなさんの丁寧なサポートのおかげで順調に進んだんですね。

SmartHR導入後の効果

今西:では、導入されてどのような効果があったかを教えていただけますか?

信夫さん:大きく分けて3つあります。まず1つ目の給与明細については、紙で印刷して封入し、部署ごとに配布する必要がなくなりました。電子化してCSVを取り込むだけで終わり、丸2日分の工数の削減につながっています。効率化できた時間でマニュアルを作ったり、次にやりたいことを検証したりできましたね。

また、給与明細を封入する業務は個人情報に関わるため、みなさんがいない夜遅い時間に印刷したり、朝早く出勤し、各部署に配布したりしていたんです。このような負担がなくなったのは副次的な効果だと思います。

2つ目は、入職書類の回収です。紙の運用をSmartHRにすることで、入職の前に情報をデータで収集できますので、事前に社会保険の手続きに必要な準備ができました。3月現在も、4月に入職される方が続々と提出していますので、昨年とは受け入れにかかる工数がかなり改善されていますね。

3つ目は、年末調整です。費用対効果が非常に大きかったと思います。

これまでは紙で配布し、目でチェックする業務に追われていました。SmartHRでは入力できた方からチェックを始められますので、10営業日くらい作業が短縮されて楽になりました。

紙も3,000枚くらい削減でき、かなりの工数削減につながっています。

(SmartHR導入後の効果)

今西:ありがとうございます。紙の業務をSmartHRにすることで業務の効率化が進んだことはもちろん、これまで残業したり個人情報に気をつけたりと、担当の方にかかっていたストレスも軽減されたのはとても嬉しく感じました。

年末調整において、職員の方からの反応はいかがでしたか?

信夫さん率直に「すごいね」と言われることが多かったですね。「紙だとどこに何を書いたらいいかわかりにくいけど、これだと質問に答えるだけで簡単にできます。来年もSmartHRでお願いします」と言っていただけて、導入してよかったと思いました。

坂本さん:実は2021年の1月末から新型コロナウイルスの影響で、緊急性・重要性の高い情報を職員に速やかに伝達しなければならない状況がでてきました。

そのような情報は院内のイントラネットを参照する必要がありましたが、出勤しないと閲覧できないため、勤務日数が少ない職員はなかなか確認できませんでした。2月にスモールプランからスタンダードプランに変更し、「お知らせ機能」や「申請機能」を活用することで、職員個人へスピーディに情報を伝達できるようになりました。

ワクチン接種についての回答も収集する予定で、このような個人的な質問も職員と人事間だけで安心してやりとりできるのもメリットです。

今西:なるほど、職員と人事コミュニケーションがスムーズになったのですね。最後に、今後取り組んでいきたいことがあれば教えてください。

坂本さん:勤怠管理や会議・研修など、まだIT化していないところを進めたいですね。新型コロナウイルスの影響により、さらにIT化が進む流れを感じています。

よりよい人材確保のためにもこういった波に乗り、働き方も含めて人事がやるべきことを提供できるようになりたいです。

今西:ありがとうございます。今回のSmartHRを活用した業務効率化は、働き方改革の第一歩なのかもしれませんね。

効率化してできた時間で、より働きやすい環境づくりなどに力を入れられるよう、これからもご支援したいと感じました。坂本さん、信夫さん、トークセッションへのご登壇ありがとうございました!

【医療法人社団 東山会 調布東山病院様の導入事例インタビューはこちら】

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元田有紀

SmartHR ガイド 編集部員。子育て・働く女性向けのWebメディアの編集・ライティング担当、HRサービスのマーケティング担当を経て、2020年SmartHRに入社。主に「導入事例」の編集に携わる。ダンスが好きな関西人。
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