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時間外労働時間が46%減。シェアードサービス会社の年末調整効率化

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目次

近年、人事・労務業務を担うシェアードサービス会社においてSmartHRを活用いただく事例が増えています。「他のシェアードサービス会社がどのように業務を実施しているか」「グループ内での立ち位置などをどう考えているか」といった質問をいただく場面も少なくありませんでした。

そこで2024年10月、グループ企業を支えるシェアードサービス(人事労務領域)に従事されている方のための交流会を開催。当日はミニプレゼンテーションや参加者さま同士のディスカッション、お食事を囲んでの交流会などを通じて、シェアードサービス会社同士の交流が生まれました。

本記事では、ミニプレゼンテーションの内容や交流会の様子をお届けします。

時間外労働時間が46%減。関係各社を巻き込んだ年末調整効率化

お話をする藤井さんのご様子

交流会前半は、株式会社SEIプロスタッフスの藤井拓人さんが登壇。SmartHRによる年末調整の効率化について共有してくださいました。

SEIプロスタッフスは、住友電工グループのシェアードサービス会社。住友電気工業および国内関係会社40社の人事に関する事務処理業務を担っています。社員数は44名、そのうち住友電気工業からの出向者が24名という体制です。

SEIプロスタッフスでは2020年に関係各社41社中11社、12,500名でSmartHRの年末調整の利用をスタートしました。

導入の背景

そもそもSmartHRを選定した背景については2つの柱と社会の後押し、さらにいくつかの決め手があったそうです。

藤井さん

年末調整業務の効率化においては「紙の移動を最小限にする」「多様なツールでいつでもどこでも申告できる」を実現できるかを二つの柱に置いていました。またスマホによる手続きの浸透、HRテックの進歩といった社会的なトレンドにも後押しされ、SmartHRに関心をもちました。

そのうえで決め手となったのは、年末調整申告画面のわかりやすさや操作性の高さ、多段階の権限設定と自由度の高い項目設定、管理者の2要素認証や社員のSAML、SSOログインで可能な点などです。

また手厚いサポート体制や担当者の方々への信頼、『Employee First.』という企業理念への共感なども選定の背景にありました。

お話をする藤井さんのご様子

年末調整のスケジュール

関係各社での利用拡大に向けては、SEIプロスタッフス主催の説明会を毎年実施しています。

・6月中旬 説明会開催告知
・7月下旬 説明会開催
・9月上旬 年調キックオフ
・10月中旬 年調プレ申告実施
・11月上旬 年調申告

藤井さん

9月以降の年調キックオフ説明会では、各社の担当者が利用方法を理解しやすいよう、業務フローをフェーズ工程に分け、フェーズごとにポイントを絞って説明しました。

年末調整の説明会内容をまとめた図

導入初年度以降も説明会の実施も含めて、年末調整業務のマスタースケジュールをSEIプロスタッフスが作成。初回利用となる会社、継続利用の会社の2種類を用意しています。

権限と分掌

SmartHRの年末調整を進めるうえでの権限と分掌については、以下に整理しているそうです。

(1)SEIプロスタッフス




設定担当
権限
管理者権限、メールアドレスアカウント
分掌
初期設定、各種サポート、関係各社向けの説明会の実施など
オペレーション担当
​権限
年調事務担当権限、メールアドレスアカウント
分掌
申告内容チェック(一部)給与システムへのデータ取り込み​

(2)関係会社




人事総務担当
権限
管理者権限、メールアドレスアカウント​
分掌
社員へのお知らせ、申告依頼、問い合わせ対応、SEIプロスタッフスへの一部確証提出など

社員
権限
メンバー権限、社員番号アカウント
分掌
問い合わせや申告、確証の提出

成果と今後の展望

SmartHRの導入により「紙の移動を最小限にする」「多様なツールでいつでもどこでも申告できる」が実現し、効率化が進んでいます。

藤井さん

以前は、各関係会社の人事担当者が紙の申告書を配付、回収、チェックし、SEIプロスタッフスに郵送するフローでした。

申告書の印刷・配布・回収・チェックといった作業に多くの時間と労力を要しましたし、従業員にとっても提出の手間がかかっていました。

今は紙の移動の多くが不要になり、SEIプロスタッフスと関係各社の事務工数が大きく減少。とくに2年目以降は前年度の申告情報が引き継がれるため、大きく負担が減りました

またSmartHRのヒントメッセージ(従業員が設問に答えやすいようにヒントのメッセージを追加できる)の活用などによって従業員の提出が早くなったとの声もあります。

さらにSmartHRヘルプページのチャットボットを関係各社の総務が積極的に活用してくれているため、SEIプロスタッフスへの問い合わせも減りました

参加者が講演を見にプレゼンテーションを聞く様子

さらにSmartHRの導入により、SEIプロスタッフスの時間外労働時間にも大きな減少がみられたそうです。

藤井さん

導入初年度は業務フロー構築のため微増でしたが、2023年には2019年比で46%減となり、SmartHRの効果が如実に表れていると感じます。また、2023年の年末調整申告書は約9万枚がペーパーレス化され、大きな環境負荷低減効果も生まれています。

関係会社の導入も進んでおり、2020年に11社から開始し、2021年には31社に拡大しています。SEIプロスタッフスでは、2023年には健康保険組合への電子申請もSmartHRで始めました。今後もさらなる活用を検討しています。

参加者が手元でメモをとる様子

シェアード会社ならではの共通項で盛り上がるディスカッション

「同じシェアードサービス会社として切磋琢磨していきましょう」と藤井さんがミニプレゼンテーションを終えた後は、グループディスカッションを実施。

グループディスカッションの様子

SmartHRの導入に限らず、グループ内でのシステムの運用状況やシステム連携・年末調整の対応方法、シェアードサービス会社に共通する話題で盛り上がっていました。各社の課題や展望についての議論も白熱し、時間延長の希望が出るテーブルもありました。

参加者同士がテーブルで会話する様子

同じ悩みを抱えるシェアード会社とつながる交流会

グループディスカッションの後は食事と飲み物を挟んだ交流会へ。参加者の緊張もほぐれ、活発にお話される様子が伺えました。

食事と飲み物の様子

名刺交換はもちろん、SmartHR社員あてに「参加されているXX様とお話したいので、お繋ぎしてくれませんか?」という声も。シェアードサービス会社同士の出会いが生まれる場となりました。

名刺を交換する参加者の様子
歓談する参加者の様子

日ごろ同じ悩みや課題に向き合う方々が、オフラインの場で直接会うからこその交流や偶発的な出会いを感じられる場となりました

今後もSmartHRではシェアード会社様同士の交流の場、出会いが生まれる場をお届けしています。ぜひイベント情報もチェックしてみてください。

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