ヤフーが1年がかりで奮闘した「人事データの“三大疾病”」

2019.09.26 ライター:藤田隼

#02 [サイバーエージェントの「人材科学センター」が取り組む“人事のマーケティング”とは?]はこちら


2019年5月14日、日本の人事部主催「HRカンファレンス2019 -春-」が開催されました(後援・厚生労働省、経済産業省)。

同イベントで、SmartHR 代表取締役の宮田 昇始が、パネルセッション「社内に眠る人事データの活用で、組織にイノベーションを起こせるのか」のモデレーターとして登壇。

ヤフー株式会社 Yahoo!アカデミア学長 / 株式会社ウェイウェイ 代表取締役 伊藤 羊一さん、株式会社シンギュレイト 代表取締役 鹿内 学さん、株式会社サイバーエージェント 人材科学センター 向坂 真弓さんの、3名のパネリストと宮田の計4名でディスカッション内容を全5編でお届けします。

3本目となる本稿では、ヤフー株式会社 伊藤さんの取り組みをご紹介します。

データドリブンで起こすネクストアクション

伊藤さん
ヤフー株式会社の企業内大学「Yahoo!アカデミア」学長兼、株式会社ウェイウェイの伊藤と申します。昨年までヤフーの「People Analytics Lab」のラボ長を務めていました。

2018年に『1分で話せ 世界のトップが絶賛した大事なことだけシンプルに伝える技術』という書籍を出版し、おかげさまで31万部を突破しました。

本日はよろしくおねがいします。

 

ヤフーでは、データドリブンで次のアクションを起こしていこうということで、人事でも「勤怠・評価・カルテ・研修・メール・健康診断」などの各情報を掛け合わせることで、面白い取り組みができると考えています。

データの活用場面は「採用・働き方・評価・配置・育成・グッドコンディション」など多々あります。入社から退職までの活動を一貫して分析したいと思い、2017年に「People Analytics Lab」を立ち上げました。

人事データの「三大疾病」

最初は何から手を付けていいのかわからず、「面接時の情報」「履歴書などの書類情報」「選考時のテスト情報」の3つに加え、「3年後の人事評価」の分析にチャレンジしました。

面接の最中にパソコンに「〇」や「×」で適性情報を表示できれば面接がしやすいと考えたんです。結果的には相関係数は6割ほどで、全てをカバーすることはできませんでした。

向坂さんの話にもありましたが、私も情報の過不足から分析の前段階で苦労した経験があります。私はこれを人事データの「不都合な真実」と呼んでいます。

恐らく、データ分析をしたことがある全員が苦しんだことがあると思いますね。不都合な真実が具体的に何かというと、「ばらばら病」「ぐちゃぐちゃ病」「まちまち病」の“三大疾病”です。

三大疾病 その1「ばらばら病」

1つ目の「ばらばら病」は、業務や部署ごとに、データがばらばらになっていることに起因します。

自身の担当部署のデータ以外は、データの有無やどこに情報があるかがわかりません。

三大疾病 その2「ぐちゃぐちゃ病」

2つ目の「ぐちゃぐちゃ病」は、入力間違いや記載方法の不一致などです。ミスタイプのほか、評価が◎や〇ではなくA・Bと書かれていたり、半角・全角の違いなど記載方法が一致していなかったり、情報の整理に非常に時間がかかります。

三大疾病 その3「まちまち病」

3つ目の「まちまち病」は、たとえば評価方法を途中で変えるとデータの連続性を保てないという話です。

 

このように、人事データは、売上データと違って自然と溜まらないものなんです。

2017年は、1年間いろいろな分析にチャレンジしましたが、この三大疾病によって、データの整理に時間を取られてしまう状況が続きました。

分析を止め、1年がかりでデータベースを整理

これらの課題により分析どころではなかったため、2018年4月からこの1年間は、分析は原則ストップし、データベースの整理に取り組みました。

改善を試みた結果、様々なシステムからデータを引っ張り、ひとつのデータベースに集約できるようになり、誰でも分析可能な仕組みをつくれました

データ活用の研修も始めており、公開後の3ヶ月間で、データベース『Teradata』を使える人数が4人から23人に増えました。また、BIツール『Tableau』を使える人数も、4人から65人に増えました。

今後はダッシュボード化してマネジャーにも共有し、マネジメントに活かすことも目標にしています。

「採用から労務、配置、評価、食事、コンディショニング、退職」のデータを1人ずつ1年単位で集めると、業務軸から社員軸で、一気通貫で人事データを蓄積し、マネジメントに活用できると考えています。

(了)

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藤田隼

SmartHR ガイド編集長。ソーシャル系スタートアップでSNSマーケティングや自社メディア運営に携わり、2015年よりメディアに特化した事業会社で複数サイトの制作ディレクターを経験した後、SmartHRにジョイン。
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