「働きがいのある会社ランキング」上位。ディアーズ・ブレイン式 エンゲージメント改善のKUFU
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SmartHRではユーザー同士で交流し、共に人事・労務やSmartHRの活用方法について学び合うコミュニティ「PARK」を運営しています。
本稿では、2021年11月26日におこなわれたコミュニティイベント「PARK mini〜コロナ禍のエンゲージメント改善を語る会〜」の中から、ユーザー登壇パートのレポートをお届けします。
今回の登壇者は、ブライダル業界に新風を吹き込み、多くの支持を集めている株式会社ディアーズ・ブレインで人事・労務を担当している磯部 絵里子さん。
ディアーズ・ブレイン式のエンゲージメント改善「KUFU(工夫)」、ぜひ参考にしてください。
「KUFU」とは株式会社SmartHRの創業時の社名である「株式会社KUFU」に由来しています。
建設関連企業にて事務総務関連業務を5年ほど経験。2014年8月にディアーズ・ブレイン入社を機に人事労務関係に携わる。グループ会社も含めて、人事関連システム導入や制度設計、労務関連研修業務をはじめ労務業務全般を担当。3才の息子の母として働くママが輝ける環境づくりを目指し邁進する日々。
ディアーズ・ブレイン 磯部さんのPARK miniでの発表動画はこちら!
エンゲージメント改善に取り組む背景
株式会社ディアーズ・ブレインは、ハウスウエディング事業を主軸として3つのグループ企業を有しています。2021年11月現在のディアーズ・ブレイン単体の従業員数は992名(社員519名、アルバイト479名)。ブライダル事業を中心に、ドレス事業、レストラン事業、コンサルティング事業などをおこなっています。
すべての従業員が優れたパフォーマンスを発揮できることを目的に、性別や年齢を問わず、ライフステージやメンタルヘルスのサポート、業務上の課題解決や働き方への柔軟な対応など、多岐にわたるエンゲージメント改善に取り組んでいます。
弊社はハウスウエディング事業を中心に3つのグループ企業を構成していますが、「多様化する働き方への対応」、「組織成長に伴う従業員のパフォーマンスの向上」、「離職や休職の防止」が全社共通の課題として挙げられていました。これらの課題を解決するべく、エンゲージメント改善に注力するようになりました。
エンゲージメント改善のための組織体制
現在、ディアーズ・ブレインの人事総務グループ 労務チームは社員4名とアルバイト、オンラインアシスタントで組織化され、全国27拠点をマネジメントしています。
ディアーズ・ブレイン社がグループ会社を含む全体の人事・労務を一元的に管理。従業員一人ひとりの思考や適性を客観的に分析し、キャリアパスに応じた出向人事をおこなう。グループ会社にエンゲージメント改善ナレッジを共有するなどのミッションも担っています。
人事については「人事タスクフォース」によって課題を抽出したり、個人には半年ごとに実施するヒアリングシートにもとづく改善施策を打ち出したり。「組織成長に伴う従業員のパフォーマンスの向上」という観点から「課題に対してどのようなアクションをおこなうか」「その成果はどうなのか」を確認するなど、ネクストアクションの提言をおこなっています。
エンゲージメント改善の流れ
エンゲージメント改善に取り組む上で、こちらのような1~4の流れを繰り返すことでPDCAを回しています。
人事タスクフォースで毎月課題を抽出
まずは課題抽出。人事タスクフォースは緊急性が高く、早期に結果を求められる課題を解決するための方策です。弊社では各拠点を担当しているマネージャーがまとめた課題をもとに、上長が「課題解決のための改善案」を提案しています。
各部門で情報を共有し、改善方法を検討した上で改善策を実践する流れです。人事タスクフォースは課題の大小を問わず抽出されるため、月1回のペースで実施しています。
半期ごとのヒアリングシート実施で個別課題に対応
一方で、ヒアリングシートは半期ごとに実施しています。人事タスクフォースがレイヤーによって吸い上げられているのに対し、ヒアリングシートは従業員がダイレクトに回答するため、個人単位の課題や悩みが収集できるのが特徴です。
人事タスクフォースは全社的に取り組む上での公平性を考慮しつつ、課題に対しての「目線をすり合わせる」役割。ヒアリングシートはライフキャリア相談室やなんでも相談室といった「相談窓口での面談実施」が主な役割です。これらの回答を通じて、課題を特定し、改善施策につなげていきます。
改善施策実施
課題に応じて、さまざまな改善施策を実施しています。ディアーズ・ブレインでは「さまざまなライフステージや働き方に柔軟に対応できるような形を実現する」ための取り組みを「Wonder Work制度」と総称しています。
たとえば、これまで店舗勤務のキャリアパスを描く例として、「マネジメントを目指す」ことが目的とされているケースが多く見られました。
しかし、さまざまな従業員がいる中で、「接客スキルを磨いていきたい」「得意分野を活かしたい」と考える従業員も増えています。こうした状況を踏まえて、「マネジメントだけではなく、プロフェッショナルを育成するラインも作ろう」という考えが、Wonder Work制度によって生まれ、制度化されました。
働き方も改革しています。これまでの正社員としての働き方に加え、時短正社員や業務委託というような形で柔軟に働いていただいたり、副業をできるように改善を図ったりすることで働き方の選択肢を拡充しています。
また、女性が多い職場ですので、家庭と両立しやすいよう保育料や保育園補助費用、ベビーシッターを利用できるよう制度を創設するほか、ママ同士で情報共有し合うシンポジウムも実行しています。
福利厚生として、ディアーズ・ブレインで結婚式を挙げた場合の割引制度や、一度退職された方を再雇用するキャリアカムバッグ制度を運用しています。
また、「頑張った分だけ報われる」を可視化する目的で、表彰制度やインセンティブ制度を手厚く設定。多くの従業員が「表彰の舞台に立ちたい」や「あの表彰を受けたい」と目標にしています。
エンゲージメント改善の喜びと悩み
エンゲージメント改善によって、Great Place to Work® Institute Japanによる「働きがいのある会社ランキング」の中規模部門と女性部門でランクアップすることができました。離職率の低下や、何よりも従業員単体のパフォーマンスの向上があってこその結果だと思います。
育児と両立して働いている従業員が増えてきていますが、その中でもキャリアを諦めずに働いている人が増えていることは喜ばしいです。
しかし一方で、組織サーベイ分析数値などデータの有効活用が不十分であったり、各種ツールの活用の施策を従業員に還元すべきだったりと、まだまだ改善すべき余地があります。工夫を重ねて、さらに職場環境を向上させていきたいと思います。