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【Next2021】導入検討時を今、振り返る 〜課題設定から導入後活用まで〜

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目次

2021年6月22〜24日、SmartHR主催イベント「SmartHR Next 2021」を開催しました。テーマは「人材マネジメントが創る、VUCA時代の経営」。

本セッション「【SmartHR導入企業登壇】導入検討時を今、振り返る 〜課題設定から導入後活用まで〜」では、システム導入で効率化に成功した異なる業種の2社を招き、選定時のポイントや社内の反響について伺いました。

  • スピーカー真野祐子さん

    ダイドードリンコ株式会社 人事総務部 人事グループ マネージャー

  • スピーカー幸野俊平さん

    株式会社メルカリ People Experience Manager

  • モデレーター鈴木高太郎

    株式会社SmartHR カスタマーサクセスマネジャー

導入の理由と体制構築のスケジューリング

鈴木

まず、導入検討時に抱えていた課題、SmartHRを導入した理由を教えてください。

真野さん

コロナ禍においてリモートワークを導入することになり、社内のさまざまな書類がスムーズにさばけないという問題が発生しました。そのため、ペーパーレス化が急務となりました。さらに、法的に電子申請が義務化されたのもあり、対応した人事労務システムを探していたんです。

(ダイドードリンコ株式会社 真野さん)

(ダイドードリンコ株式会社 真野さん)

幸野さん

具体的な課題感があったというより、常に業務効率化を積極的に推進していくというスタンスで運用をしていく中で、2016年にSmartHRに出会いました。今でも活用しています。

(株式会社メルカリ 幸野さん)

(株式会社メルカリ 幸野さん)

鈴木

導入時に比較検討しましたか? その中でSmartHRが決め手となった理由があれば教えてください。

真野さん

何社か比較した中で、ユーザーインターフェースが非常にわかりやすかったのが決め手となりました。人事関係のシステムは無機質な印象が多い中で、SmartHRはエンドユーザーのことを考えた、わかりやすいデザインだと思います。

あとは、サポート体制の充実度にも惹かれました。トライアル時にチャットサポートを使用してみたところ、かなりスピーディにお返事があり「こんなサービスをしてくださる会社だったら、非常に心強いな」と思ったのも決め手の1つです。

幸野さん

入社前からSmartHRが導入されていたため、決め手はわからないのですが、年末調整をアンケート形式でできるサービスと知ったときは衝撃を受けました。その業務ができるだけでも、検討する余地はあると思います。

鈴木

導入時の体制の構築とスケジューリングについて教えてください。

幸野さん

体制に関しては、システム導入を理由に増員することはありませんでした。既存のメンバーの中でプロジェクト化して導入を進めましたね。期間に関しては、基本的にSmartHRのご担当者さんに提示していただいたスケジュール通り進んでいます。

真野さん

導入が決定した後、まずはホールディングスの関係会社の人事部門に、どういう想いを込めて導入を決めたのかや、今後の方針について丁寧に説明しました。合わせて、導入をスムーズに進めるためのミーティングを定期的に開催し、都度課題をつぶしていくことで、ベクトルを合わせられました。

また、各拠点にも人事総務の担当者がいるため、その方たちを巻き込むというのも一つ大きな課題でした。想いや運用の細かい内容を伝えるためのマニュアルなどを整備し、会議で伝えて理解を得た上で、現場の社員のサポートをお願いしました。

導入検討時に考慮しておくべきポイント

鈴木

SmartHRを導入していく上で考慮しておくべきポイントがあれば教えてください。

真野さん

大きく2つあります。まずは、オペレーションの構築。誰が、どのようなことをするのか、それに応じた権限設定をどうするかは非常に重要です。

弊社の場合は、人事部門全員に一律で同じ権限を付与することはしていません。例えば、給与に関する非常にセンシティブな情報は、給与業務の担当者だけが閲覧できるようになっています。ですので、権限設定にはかなり神経を使いました。権限の設定漏れや、見せてはいけないものが見えてはいけないので、一覧を作り入念にチェックしながら、権限を設定しましたね。

2つ目が、データの移行です。理想はAPI連携などの自動連携ですが、それが難しい場合は、ファイルや手動での取り込みになります。どう進めるか事前にしっかり考えておくとスムーズに進められると思います。

鈴木

幸野さんは、いかがでしょうか?

幸野さん

グループ会社がUSにあり、グローバルでの人事データ管理は1つのテーマでした。SmartHRは入社情報の収集という点で非常に便利です。そのため、人事データベースはWorkdayのシステムを基本としつつも日本の給与計算で利用する項目などはSmartHRの情報を活用していますね。

鈴木

グローバル展開のシステムを導入している上で、ローカルとのすみ分けはどうされていますか?

幸野さん

模索中ですが、日本ならではの管理項目もあり、グローバルでは管理し切れない部分があります。

メルカリの東京オフィスには外国籍の社員が約2割おり、年末調整のような日本独特の制度を理解するのは非常に難しいです。ただSmartHRの場合は多言語対応されているため、申請の負担が非常に減ったと実感しています。

笑顔で会話する真野さんと東野さんと鈴木さん

導入時&直後の社内の巻き込み方について

鈴木

導入時や導入直後の社内の巻き込み方のポイントについて教えてください。幸野さんのメルカリでは、鹿島アントラーズがグループ企業になられた際、何か苦労したことはありますか?

幸野さん

これまでは新規事業として1からグループ会社を立ち上げるというパターンが多かったのですが、鹿島に関しては既存のオペレーションの業務改善が必要となりました。ただ、既存システムがある中でも、SmartHRは容易に導入できたので非常に助かりました。

鈴木

ダイドードリンコさんは拠点数もかなり多いですが、どのようにして社内を巻き込みましたか?

真野さん

現場に浸透させていくという意味では、SmartHRさんが用意してくださったテンプレートのマニュアルがとても役立ちました。それをもとに弊社の従業員向けに説明を加え、アレンジした上でダイドー独自のマニュアルを作って配布したところ、活用方法についての理解度が深まり、現場の人事総務担当者のフォローにも非常に役立ちましたね。

システム的な専門知識は、社内の情報システム部門に協力をしてもらいながら進めていきました。

鈴木

導入間もない頃は、各拠点で苦労も多かったのではないでしょうか?

真野さん

そうですね。やはり本社から見えないところや、実際使う場面でつまずくことはあったようです。ただ、各拠点の担当者がしっかりとサポートしてくれたので、大きな混乱には至らなかったです。

導入の効果&従業員の声

鈴木

SmartHRを導入して、どんな効果がありましたか?

真野さん

最も分かりやすい効果はペーパーレス化や紙の削減で、1万2,000枚減少しました。SDGsという観点でも、かなり意味のあることができたと思っています。

また、年末調整時に、申告書の束を一人ひとりに配り、それを回収するという非常に手間の掛かっていた作業がなくなったのも大きな収穫でしたね。

鈴木

従業員からの反響はありましたか?

真野さん

アンケート形式の画面に対して、イエス・ノーの形で答えるだけで申告書が作成されるため、非常にわかりやすかったとの声が多くありました。

スマホでも操作できるのが非常に便利だという声も多かったですね。マニュアルなどでフォローできたので、ミドル層の社員にも問題なく使ってもらえて良かったです。

鈴木

幸野さんのメルカリでは、どんな効果がありましたか?

幸野さん

チームメンバーの目標設定がしやすくなったという点はあると思います。少人数のチームで会社全体の入退社と育休の手続きを担当していたため、目標設定をしてもオペレーション業務に追われていることが多かったんです。

SmartHRを導入し、オペレーション業務を最小限に抑えることによって、設定したゴールに向かう時間も増え、メンバーとも目標達成に向けたコミュニケーションがしやすくなったと感じます。

話をする鈴木さん

業務効率して気づいた新たな課題について

鈴木

業務効率化をして気づいた新たな課題や、気づきはありますか?

真野さん

従業員の事務手続きをより簡素化したいと思いましたね。リモートワークにより、以前よりもシンプルになった部分もありますが、形式的な手続き、確認、承認は、まだ多く残っており、よりシンプルにしていきたいです。

従業員の貴重な時間を奪ってしまうような作業を取り除き、社員一人ひとりが本来の業務により専念できる状態をつくりたいです。

幸野さん

課題というよりも気づきなのですが、先日、メルカリの福利厚生制度をアップデートした際に、経営承認が下りてから、申請のフローを構築するのが2週間でできたんです。そのときに、SmartHRは申請のフローが非常に作りやすいと実感しました。

当社のようなスタートアップ企業は、制度を導入してから社内に浸透させるまでに時間がかけずに行う必要があります。スピード感ある制度導入をこれからも進めていくためにSmartHRの活用を進めたいですね。

鈴木

ありがとうございます。お二人とも参考になるお話をありがとうございました。

【執筆:於ありさ】

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