従業員が退職代行サービスを利用。対応時の注意点は?|労務のお仕事Q&A
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この記事でわかること
- 退職代行サービス業者への確認事項
- 退職交渉時の注意点
日ごろ、人事・労務業務を担当するなかで「これってどうなの?」という疑問もあるのではないでしょうか。そんな皆さまの疑問に、社労士・税理士・弁護士などの専門家がお答えします。今回は「従業員が退職代行サービスを利用した際の対応ポイント」について、社労士が解説します。
従業員が退職代行サービスを利用。対応時の注意点は?
相談者
退職代行サービスを利用して退職願を提出した従業員がいます。上司との関係性がうまくいっていなかったため、退職もやむなしと思っているのですが、代行サービス業者への対応時の注意点を教えてください。
人事担当・31歳/IT業界(大阪府)
退職の意思表示や退職合意に関する代理権に関する確認を。
弁護士でなければ、未払い賃金などの交渉に応じる必要なし
弁護士法人ALG&Associates
従業員が退職代行サービスを利用した場合であっても、通常の退職と同様に手続きを進めることになります。
ただし、退職代行サービスが、「退職の意思表示や退職合意に関する代理権を有しているか」についての確認は重要になります。そのため、退職代行サービスに対して、「代理権授与に関する資料提供」を求めるべきです。
また、当該退職代行サービスが弁護士でない場合には、当該行為は非弁行為(弁護士法72条)に該当すると考えられます。そのため、退職代行サービス側から未払賃金の支払いなどの交渉を持ち掛けられた場合は、交渉に応じる必要はありません。
さらに、会社からの貸与物や会社に残置した当該従業員の残置物について、後に争いにならないよう、取り決めておくべきでしょう。