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Q:イノベーション人材が社内に居ない、どうやって育てればいい?【人材マネジメントQ&A】

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少子高齢化が進む現在では、優秀な人材を採用・確保・育成するために、人材マネジメントの重要性はますます高まっています。この企画では人事担当者が見えにくい「マネジメントの悩み」を人材マネジメントのプロが解説。ビジネスの現場でマネージャーが抱える課題に効果的なヒントをご紹介します。

A:イノベーション人材は組織では生まれにくい存在。越境学習を促すことが重要

イノベーションとは「新結合」を意味する言葉です。普段の会社組織で日常的に行っている「生産性を上げる」「効率性を高める」「管理する」といった動きとは異なります。

ゆえに、「イノベーションを成す人材」が社内に少ないのは当然のことといえるでしょう。

イノベーション人材が社内にいたとしても、「あの人は何をしているのかよくわからない」や「現場の仕事を手伝わずに別のことをしている」と、うとまれる存在になってはいないでしょうか。結果、イノベーションを生み出せる人材は肩身が狭くなり、退職してしまうケースもよくあることです

イノベーション人材が社内にあまり生まれにくいなかで、イノベーションを起こすために必要なのは「越境学習」です。組織の枠を超えて外へ行き、社内の常識を疑うことで、イノベーションを生み出すのです。

越境学習で経験する2回の苦難がイノベーションを生み出す

ただし、気をつけたいのが「越境学習者は2度苦難を経験する」という点です

最初の苦難は、外部に出たとき。仕事の進め方や大事にする価値観が異なるので、ギャップに苦しむことになります。「自分の所属組織とあまりに違うことばかり……」と驚愕するのです

そして、2度目の苦難は自身の所属組織に戻ってきたとき。一度外の組織を見ているからこそ、慣れ親しんだはずの所属組織に対して違和感をもう一度味わいます。しかし、あれこれ提案をしてもなかなか受け入れてもらえず、周囲からは反発を受けてしまいます

この2度の苦難を乗り越えて、なお「現場を改善したい」と思い、粘り強く行動する人の動きによってイノベーションは実現するもの。

経営者自身が「イノベーションを起こしたい」と考えるならば、越境学習者の苦難と葛藤を否定せず、大事にするような体制を作りつつ、経営者自身も越境学習者となって、より広く自社以外の組織を見ることが必要です

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