【SmartHR Agenda#2】グラレポで振り返る!Day1セッションまとめ
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働き続けたい組織となるために、企業はHRテックをどのように活用しているのか。企業の担当者から直接事例をうかがい、視聴者とともに考えるオンラインイベント「SmartHR Agenda #2 〜HRテック活用事例に学ぶ働き続けたい組織〜」。
2022年9月13日(火)、14日(水)の2日間にわたり開催された本イベントは、2,000名以上の視聴登録者を集め、その関心の高さをうかがわせました。今回は本イベントDAY1の速報レポートをお届けします。
【オープニングセッションⅠ】味の素 元CDOが語る! 経営をV字回復に導いた「パーパス経営による意識改革」と「DXの4ステップ」
味の素株式会社 特別顧問(元CDO)
味の素株式会社では、成長のビジネス基盤が崩壊したことにより業績が悪化。再成長のために変革が必要となりました。そこで、企業カルチャーをつくり直すために「パーパス経営」へと転換。また、「全社オペレーション変革」「エコシステム変革」「事業モデル変革」「社会変革」の4つのステップを設定してDX推進するなどした結果、パフォーマンスが上がり成長路線へと復帰できたそうです。
この取り組みを福士氏はCDOとしてリード。組織文化やエンゲージメントを高めるために「CEOや本部長との対話」「個人目標発表会」「エンゲージメントサーベイ」などからなるマネジメントサイクルを確立し、個人・組織・事業の成長モデルを構築しました。「DXは企業の停滞を防ぎ、成長への活力を生み出すための企業変革の機会。エンゲージメントを高めるためには、無形資産への投資がますます重要になってきている」と福士氏は話します。
【事例講演Ⅰ】「働き続けたい組織に共通する」分析で終わらないエンゲージメント向上の取り組み
People Trees合同会社 Co-Founder & CEO
人事のプロフェッショナル集団であるPeople Trees合同会社のCo-Founder & CEO 東野氏は「エンゲージメントサーベイ」について「社員の問題を探るものである」といった、よく起こり得る誤解について紹介。
サーベイを人間ドックに例えて、「検査の進め方ではなく、結果をもとにランニングを始めるなど改善アクションをしていくことが大事」と強調しました。そして、「サーベイには時間をかけず、持続的なエンゲージメントに必要な“理解度”、“共感度”、“行動意欲”のどこに問題があるのかを見極めて、施策を打つことを考えてほしい」と訴えました。
【SmartHR導入事例講演Ⅰ】サーベイ回答率90%超え! 社員の本音を知り「攻め」の組織をつくる
- パネラー東野 敦 氏
People Trees合同会社 Co-Founder & CEO
- パネラー安島 正人 氏
株式会社これから 取締役(コーポレート管掌役員)
- パネラー渡邉 裕美 氏
株式会社これから 人事 採用担当
- モデレーター重松 裕三
株式会社SmartHR プロダクトマーケティングマネージャー
株式会社これからでは、「会社と従業員の目線が合っているのか確認したい」という思いが以前からあったものの、「実施しても改善につなげられないのではないか」という不安から、導入には踏み切れずにいました。ところが、コロナ禍でのリモートワークや社員数の増加により、従業員の本音に耳を傾ける必要性が高まったことから、SmartHRの「エンゲージメントサーベイ」を導入。
その結果、人事評価制度への理解度が低いなどの課題が明らかになり、従業員向け説明会など、改善策をスピーディーに実施できました。また、評価に反映しないことなどを従業員に周知したことで、2回目のサーベイの回答率は92%にアップ。渡邉氏は「確実にメンバーにフィードバックすることを考えると、他社のアンケートツールでは到底実施できなかったと思う」と話しています。
【SmartHR導入事例講演Ⅱ】全国約600店舗の業務効率化と経営統合を支える総務部の軌跡
- パネラー杉野 愼 氏
株式会社TECO Design 代表取締役
- パネラー岡田 隆則 氏
C-United株式会社 管理本部 総務部 マネージャー
- モデレーター佐々木 昂太
株式会社SmartHR プロダクトマーケティングマネージャー
C-United株式会社では、展開するカフェチェーン2ブランドの統合が決まり、両ブランドの業務フローの違いをどう統合するかが課題となっていました。そこで、SmartHRを導入。「紙ベースでの管理」と「アウトソーシング」という異なる運用をしていた労務をSmartHRに一本化し、効率化を実現しました。
各ブランドの店長にも説明を尽くし協力を得て、入社書類のウェブ化などを進めたことで、店長の業務負担も軽減できたそうです。ペーパーレス化も進み、工数は10分の1に大幅に削減。岡田氏は、「風通しがよく、やりがいを常に持てる環境を通じて『働き続けたい会社』を実現したい」と語っています。
【クロージングセッションⅠ】”キャリア自律と成長”が働き続けたい組織に ~経営に響く人事戦略~
積水ハウス株式会社 執行役員 人財開発部長
DAY1のクロージングを担ったのは、積水ハウス株式会社の執行役員で人財開発部長の藤間氏。同社が進める「自律的なキャリア形成を支援する人事制度改革」について解説しました。
積水ハウスでは、「複線型のキャリア制度の設定」「最短8年で一般職から管理職」「キャリア面談」を軸に改革を遂行。特に、キャリア面談ではメンバーの話をじっくりと聞くことで自発と内省を促し、キャリアビジョンに目覚めるようにサポートしているそうです。藤間氏は「経営の想いと従業員の想い(キャリア自律)が重なったところが事業になる。従業員の想いが経営側に届き、この重なりが大きくなっていくといい」と話します。
HRテックの正しい活用が、企業の持続的成長につながる
人から選ばれ、働き続けたい組織になることは、これから先、企業の持続的成長には欠かせない要素。そのためにHRテックの導入は進むものの、大きな変化につながっているとはまだまだ言いがたい現状です。多くの企業がこれから先の組織成長において、目に見えない課題に向き合っているのではないでしょうか。
この壁を乗り越える重要なカギは、導入したHRテックの正しい活用でしょう。本イベントでは、組織課題と向き合うHR領域において、テクノロジーの活用を通じて働き続けたい組織をつくり、企業成長につながる事例をお伝えしました。人事・労務業務の担当者はじめ、さまざまな方へのヒントとなれば幸いです。