紙×Excelの人事管理に潜む「法的リスク」と解決策

2019.05.21 ライター:髙森静香

従業員の人事情報、皆さんの会社ではどのように管理していますか?

「人事システム上で、自分の情報だけでなく部下の情報も見られるようになっている!」
「人事だけで情報がクローズしていて、従業員から問合せがくる度に電話とメールで回答している」
「そもそも紙の履歴書をファイリングしたものとExcelで管理している」

など、各社で様々だと思います。

もちろん決して正解があるわけではありませんが、個人情報である従業員の人事情報の取り扱いは本来相当慎重になるべきものです。しかしながら、ビジネス上の緊急度が高くないために、どうしても改革が後回しになりがちな領域かと思います。

そこで今回は、SmartHR 小嶋陽太 弁護士による監修のもと、従業員の人事情報を紙やExcelで管理しているとどのような課題を抱えるのかについて、法的な観点と運用的な観点の2軸で考察していきたいと思います。

法的観点からみる「紙×Excelの人事管理」の課題

皆さんも、「個人情報保護法」はご存じのことと思います。

平成15年(2003年)に公付、平成17年(2005年)に全面施行されたこの法律は、その後、ICT(情報通信技術)の発展などを背景に、平成27年(2015年)に改正法が公付され、平成29年(2017年)に全面施行されました。

改正法で一番重要なのは、それまでは一部の大企業に限定して適用されていたこの法律が、個人情報を取り扱う「すべての事業者」に個人情報保護法が適用されるようになったこと

つまり、「うちは中小企業だから大丈夫」 ということはなく、全事業者がこの法律に沿って個人情報を扱わなければ、場合によっては指導や罰則もありえるのです。

ちなみに、「じゃあ個人情報ってなんなの?」という話になりますが、「氏名」だけでも立派な個人情報(*1)なのです!

そのため、従業員の人事情報は立派な個人情報として、個人情報取扱事業者(*2)が安全に管理する義務があります。なお、個人情報保護法の第20条では、個人情報の安全な管理措置について言及されています。

その管理措置に照らしてみた時、Excelでの管理は以下のような評価になります。

紙 Excel 人事データ 労務管理 課題

Excelでの人事情報管理を法的観点でみると、このようなリスクがあり、安全とは言い切れないのです。

運用的観点からみる「紙×Excelの人事管理」の課題

法的にリスクがあることに加え、運用面にも課題があります。

具体的には以下の4つに分けて考えてみましょう。

  • 「紛失」のリスク
  • 「誤り」のリスク
  • 「漏れ」のリスク
  • 「遅れ」のリスク

詳しくは下図をご覧ください。

思い当たるフシはありませんか?

紙 Excel 人事データ 労務管理 課題

紙×Excelから脱却し「人事システム化」に成功した事例

上記のように、紙とExcelでの人事管理には安全管理上リスクがあり、運用上も課題が多いことがお分かりいただけたのではないでしょうか。

これは「人事システム化」を検討すべき大きな理由のひとつといえます。

実際に、同様の不安や課題を抱えていた企業における「人事システム化」のそれぞれのリスク解決成功事例があるので、ご紹介します。

・【紛失 リスク】の解決
人事情報を一元管理し、情報漏えいリスクも回避 ― 株式会社セクションエイト

・【誤り リスク】の解決
書類作成に追われる日々。煩雑な書類作成で記入ミスも発生 ― 加和太建設株式会社

・【漏れ リスク】の解決
一元管理で「最新ファイルわからない問題」の解消 ― 合同会社DMM.com

・【遅れ リスク】の解決
書類回収だけで多くの時間を費やし、労務手続きが追いつかなくなった ― 株式会社アクトコール

どうすればいい? 「人事システム化」の進め方

さて、ここまでくると「リスクと課題があることはわかったけれど、どうやって進めればいいの?」という疑問が浮かぶかと思います。

この進め方について、実例をお話いただいた記事を紹介します。

・労務工数を1/3にした業務効率化秘話。「人事システム」をフル活用した新時代の労務とは?【元マテリアルグループ 杉原 紗矢さん】

とても丁寧にご説明頂いているので、詳細はぜひ上記の記事をご一読いただきたいのですが、マテリアルグループで人事労務を担っていた杉原さんは、属人化していた人事労務業務を丸投げ状態で受け取った後、「労務監査」・「社員データベースの作成」・「業務の再整理」と3ステップで進めることで、未経験だったにも関わらず数ヶ月で業務体制を確立されています。

また、杉原さん自身が退職される際の引き継ぎも、なんと2日+αで終了したとのこと。

成功のポイントは、各人事労務業務に合わせた最適なシステム選定

業務フロー全体最適の観点から、各個別業務について自社に適したシステムを選定し、業務フローを再整理することで、スムーズに業務標準化できることがおわかりいただけるのではないでしょうか。

システムへの人事情報取り込みのポイント

ただし、すべての人事情報をまとめて一気にシステム化する必要はありません。

複数のExcelが存在しているのであれば、まずは基本情報(社員番号、氏名、生年月日など)からシステム化し、優先順位をつけて1ファイルずつ社員番号と紐付けて取り込んでいけばOKです。これなら無理なく進められますよね。

紙で残った書類も、徐々にデータ化して取り込むか、後で見返すだけでいいということであればPDF化して添付するのでもいいでしょう。

とにかくまずは、「このシステムに情報を集める!」という軸を決めることが肝心です。

人事のシステム化は「SmartHR」がオススメ

さて、最後に少しだけ宣伝させてください!

人事システムは古くは30年ほど前から存在しており、様々な種類があります。

その中で、SmartHRをオススメする理由は3つあります。

(1)安全
クラウド上で安全に人事情報を管理できます!

(2)便利
配布も回収もなくペーパーレス!
電子申請を使えば、役所へ出向く必要もありません。

(3)ラクラク
従業員に直接入力してもらうため常に最新で紙も入力もなくラクラク!

他にも、従業員からの申請を電子化したり、従業員向けにカスタム名簿が作れたり、履歴管理ができたりと、サービスご利用中のお客様の声からの声を受けて続々と進化 を遂げています。

 

紙とExcelは平成で終わり!

新たな時代「令和」を迎えた今だからこそ、人事情報のシステム化を始めてみませんか?


(編集:藤田 隼 / 監修:弁護士 小嶋陽太)

 

【参考】
・「個人情報保護法ハンドブック」(個人情報保護委員会)

【注釈】
*1:法律上、生存する個人に関する情報であって、氏名や生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるものと定義されています。

*2:個人情報が検索可能になるよう体系的に構成されたもの(個人情報データベース等)を、事業のために利用している事業者(個人情報取扱事業者)が対象事業者となります。

 

【編集部より】すぐにわかるSmartHR資料集

クラウド人事労務ソフト「SmartHR」とは?
SmartHR すぐにわかる

全国2万社以上に導入されるクラウド人事労務ソフト「SmartHR」とはどのようなサービスなのか? すぐにわかる資料集をご用意いたしました。

【こんなことがわかります】

  • 1分でわかる「SmartHR」
  • マンガでわかる「SmartHR」
  • 3分でわかる「ペーパーレス年末調整」
髙森静香

株式会社SmartHR フィールドセールス。新卒でSIerに入社し、国産ERPパッケージの営業に約6年間従事。同時に、人事給与勤怠モジュールの導入コンサルタントとしてシステム導入プロジェクトの経験を積む。人事業務に関わる人が好きで、その人々が、人に関わることにもっと多くの時間を使えるような世の中にしたいという想いでSmartHRを提案している。
他の執筆記事はこちら

クラウド人事労務の関連記事

SmartHR ガイド の新着記事

SmartHRお役立ち資料集