従来型の運用フローに潜む課題とリスク。「クラウド人事労務」のメリットを解説!
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こんにちは! SmartHR SDRグループの加藤 桃子です。
「“クラウドサービスが良い”と聞いたことはあるけれど、実際どうなの?」
「従業員管理はExcelや既に使っているシステムでどうにかなっており、特段、困ったこともないので新しくなにかを導入する必要がない。」
「新しいシステムを入れるために工数がかかるのであれば、今のままでなんとかなる!」
このようにおっしゃる方は多くいらっしゃいます。
確かに新しいことを始めるのは億劫になりますよね。わたしも何かと後回しにしがちです。
しかし、このような気持ちを抑えてでも、クラウドサービス(特にクラウド人事労務サービス)の導入検討をオススメする理由をこの記事でお伝えします。
従来型とクラウドの「運用フロー」の違い
では、クラウドが普及する以前の、従来型の運用ではどのように行っているでしょうか?
ここでは、具体例として「入社手続き」を取り上げてみたいと思います。
人事労務担当者さまは、従業員から必要な情報を紙で郵送したり、会社に来てもらったりして収集します。この際、従業員には年金手帳など、コピーをとって提出してもらうことも多く、従業員側の手間も多くなります。
提出してもらったデータを確認しつつExcelや既存のシステムに転記し、その書類を郵送や直接役所に行って提出するという流れが一般的です。
上記の「入社手続き」をクラウドサービスで行うとどのようになるのでしょうか?
従業員本人からシステム上で情報を収集し、確認した人事労務担当者さまが役所に直接電子申請をする、……以上です!
つまり、面倒な書類の回収・返却はもちろん、手書きで書類を書く手間や、役所への往復すら必要ありません。
従来型オペレーションが抱える課題
今まで当たり前に行っていた作業には、これだけ効率化の余地があったのです。
この他、従来型オペレーションには3つの課題があると考えています。
(1)煩雑な専門的作業に伴う「属人化」
先ほどの例でもあげたように、従業員から紙で情報を回収する部分はどの企業にも共通しており、非常にアナログな運用が残っています。
さらに、このやりとりが発生する頻度は意外と多いのです。わかりやすい例だけで見ても、入退社や年末調整にまつわる書類回収……などなど。
また、入社のタイミングでの書類のやり取りも郵送やメールで行っていらっしゃると思います。
例えば、毎月2回ずつ入社の手続きを行うと仮定すると、年24回役所への往復があります。1回につき “往復1時間半” と “待ち時間+手続き時間で1時間” かかるとした場合、そこだけに年間60時間、つまり営業日換算で7.5日も費やしている計算になります。
“塵も積もれば山となる”とはよく言われますが、時間的にも費用的にもコストがかさむことになります。
その他にも、書類を出してくれない人に対して、何度もメールや電話で催促したり、誤記入があって手戻りが発生したり……と不便なケースに悩まされることも少なくありません。
(2)アナログ管理での「労使トラブル」「紛失・流出」リスク
最近お客さまとお話をしている中で、以下のようなケースを聞く機会が増えています。
「うちは雇用契約書は締結していないんですよね」
「給与明細、全員分を紙で印刷して手分けして封入しています。」
「マイナンバー用パソコンを保管するための鍵付きの部屋があるんですよね。」
これらの運用には、いくつかのリスクが考えられます。
例えば、雇用契約は書面で締結しなくても極論を言えば違法にはなりません。しかし、会社と従業員がお互いの労働条件をしっかりと理解し、労使トラブルを未然に防ぐ上で必要なものです。
また、給与明細については、1枚1枚を紙で印刷し、封入してから配布をする……このようなフローだと、単に作業時間を要するだけでなく、紛失や誤って渡してしまうようなリスクがあります。
さらに、マイナンバー法が2015年10月にに施行され、2016年1月より制度運用が開始されました。マイナンバー法では、以前の個人情報保護法とは比べものにならないほどの、罰則が設けられ、場合によっては4年以下の懲役または200万円以下の罰金が科せられることになりました。
業務効率の観点のみならず、「トラブル」や「紛失・流出」に伴うリスクについて、充分に対策する必要があります。
(3)地震や水害などの「災害リスク」
3つ目には地震や水害など、「災害リスク」があげられます。
災害の影響で利用中のシステムのサーバが使用できなくなり、保存していたデータ自体失ってしまったという例もあります。
仮にデータ復旧できたとしても、相応のコストが発生してしまいます。
解決策「クラウドソフト」の4つのメリット
では、上記の問題をどのように解決していけばいいのでしょうか。
クラウドサービスを使うことにより、何がどのように解決されるのかをクラウド人事労務ソフト「SmartHR」を例にあげて見ていきます。
(1)業務の「見える化・標準化」につながる
属人化を避けるには、誰が何をどこまでやっているのかの見える化が大切です。
SmartHRでは「ToDoリスト」のを共有が可能です。
これにより、採用担当と労務担当の棲み分けが明確になるほか、社労士さんとの情報共有によって今まで以上にスムーズなコミュニケーションを取ることも可能です。
結果的に業務フローを統一でき、業務標準化にも繋がります。
「SmartHR」をご利用いただいているマテリアルグループ株式会社から、以下のような嬉しいお声をいただきました。
SmartHRでは、シンプルなデザインの中で、ナビゲーションに従って必要な情報を入力するだけなので、基本的に間違いようがなく、ベテランか否かに関わらず、変わらぬクオリティで手続きできます。そのため、難解なレクチャーに悩むことなく簡単に引き継ぎできるので、属人化を防ぎ、業務標準化に繋がっています。
(マテリアルグループ株式会社 杉原 紗矢さん)
(2)オンライン上で常に最新情報のやり取りが可能
SmartHRでは、従業員はスマートフォンやパソコンで個人情報を入力するだけで入社手続きが完了するため、人事側での書類回収・転記作業などが必要がなくなります。
従業員の入社が決まったタイミングで、招待メールを送ると従業員本人に情報を直接入力してもらいます。
その情報から必要な書類が作成され、Webから電子申請をした後、蓄積された従業員情報をデータベースとして活用できます。
(3)「災害リスク」の心配なし
「SmartHR」をご利用いただいている、福島県に本社を構える株式会社キオラガーデンでは、導入理由のひとつとして下記のメッセージをいただいております。
システムの導入を検討するようになりましたが、東日本大震災もあり、いつ何時不測の事態が起こるか分からないため、オンプレミスではなくクラウドで管理したいという希望がありました。
(株式会社キオラガーデン 小松さん)
クラウドサービスの最も特徴的な点としては、(3)にあわせてですが自社でサーバを保有する必要がなくなることです。
企業自身でサーバを購入し、適切な場所に設置・設定を行った上で自社運用をする従来方式の「オンプレミス型」に比べ、「クラウド型」においては不測の自体への対応が柔軟に行えます。
クラウドサービスはオフィス内のどこかに物理的に設置する必要がなく、お使いのデバイス(PC、携帯電話)からどこでもアクセス可能だからです。これにより、場所を選ばず作業することも可能になります。
(4)「セキュリティ」も安心! 大手銀行もクラウドを利用する時代
クラウドの良さは理解できたけれど、やはりセキュリティの部分が心配……という声もよく聞きます。
しかし、ご安心ください。現在は大手の銀行もクラウドを活用する時代です。
例えば、ソニー銀行や最近では三菱東京UFJフィナンシャル・グループなどにおいても「AWS(アマゾンウェブサービス)」というAmazonが提供するクラウドコンピューティングサービスの採用・移行を進めています(※)。
SmartHRでは、このような金融業界の大手企業でも選ばれている「AWS」を使用しています。
加えて、マイナンバーやパスワードなどの機密性の高い情報について暗号化して保管しているので、万が一、悪意のある第三者が盗み見ようとしても、解読できないような仕組みになっています。
※ 参考
・AWS 導入事例:ソニー銀行株式会社(外部リンク)
・AWS Summit Tokyo 2017 開催レポート Day 2 基調講演資料(外部リンク)
「クラウド人事労務」を検討してみよう!
改めて、今回のポイントについて整理し、おさらいします。
- 属人化する前に業務の見える化を!
- オンライン上で常に最新の人事データベースを!
- 「紛失・流出」や「不測の事態」へのリスクヘッジを!
今回は、「クラウドサービス」の特徴を紹介しましたが、「クラウド型人事労務ソフト」は、「オールインワン型」や、SmartHRのような「特化型」など、様々な特徴に分かれます。課題や用途に応じて、ぜひ導入をご検討いただけますと幸いです。
もしその上で、SmartHRにご興味をお持ちいただけた方やもっとSmartHRについて知りたいと思っていただけた方は、ぜひお問い合わせくださいませ!
ご不明点等のご連絡もお待ちしております。
最後に、この記事を読んでくださった皆さまの現在の労務状況に少しでもお役に立ちできたら幸いです!
すぐにわかる SmartHR資料集を読む(イラスト:南慶美 編集:藤田隼)