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ユニークな休暇制度は「休暇取得の後ろめたさ」をなくすか?

2017.08.28 ライター: 社会保険労務士 吉田 崇

夏休み中は「お日様サイコー、うぇ〜い! フゥー!! 夏ぅ〜!!! 」と僕たちの味方だったはずの太陽が、休みが終わった途端、重い心と体を引きずった僕たちに、ギラギラととどめを刺しにくるのはなぜだろう……。

「さよなら夏の日……」

アンニュイにつぶやきつつ、カレンダーで次の祝日を確認しながら、秋分の日が土曜日と重なっていることに、ブルブルと怒りの拳を震わせている方も多いことと思います。

『休暇・ヴァカンス』

毎日忙しく働いている勤め人にとって、なんて甘美な響きなのでしょうか。しかし、日本では休暇が取りづらい職場が多いのもまた事実です。

各社に適したユニークな休暇制度が導入され始めている

一方海外では、メンタルヘルスを理由にメール申請をした部下に対する、以下のような上司から返信がTwitter上でシェアされ話題となっているようです(*1)。

部下「今日明日は自分のメンタルヘルス改善のために休みます。来週には、100%リフレッシュして戻ってこれるといいなと思っています」

上司「メールを送ってくれたことに、個人的に感謝します。こういう連絡をもらうたびに、病気休暇を心の健康を守るために使うことの重要性を思い出します。他の組織でも、メンタルヘルス休暇をもっと多くの人が取得するべきです。あなたはみんなのお手本です。メンタルヘルスは触れていけない恥ずかしいことではありません。リフレッシュして、より良い仕事をしていきましょう」

なんて素敵な上司なんでしょう。

このような理解のある上司の下であれば、休暇もとりやすいですね。休みを承認するだけにとどまらず、「休暇=リフレッシュ」が「より良い仕事」に繋がることを示唆し、その必要性を再認識できるコミュニケーションになっています。

現代社会では特に、こういった「心の休暇」に休みを利用することに対する理解がもっと必要なのではないでしょうか。

とはいえ、昨今は日本でも、休暇を取りづらい環境を改善するために、働き方改革とともに「休み方改革」にも注目が集まっています。

では、各社で導入されているユニークな休暇制度事例について見てみましょう。

アイデア休暇(株式会社ノバレーゼ)*2

通常、嘘をついて会社を休んだことがバレた場合、上司からの叱責は免れません。

一方、ブライダル会社の「ノバレーゼ」では、その嘘がユニークで面白ければ、1日だけ有給休暇所得できるユニークな制度があります(ただし嘘が面白くなければ、休暇の取得は却下されるようですが)。

今までの嘘の一例は、

「ドバイの石油王と結婚が決まったので、休みます」「幼稚園に入園したばかりの娘が、盗んだバイクで走りだし、夜の園舎窓ガラス壊しまわった状態で、園長先生から呼び出しを食らったため」

といったユーモア溢れるもの。

ユーモアのセンスを磨くことが、営業などのトークに生かされることはもちろん、制度の導入後、同社では休暇を前向きに取得する傾向が強まったとのことです。

アニバーサリー休暇制度(株式会社リクルートキャリア)*3

リクルートキャリアが導入している休暇制度で、「年一回以上連続した4営業日以上の有給休暇を取得すること」というのが唯一の条件。しかもこの休暇制度を取得すると6万円の手当が支給されます。

休みが取れる上に、お金ももらえる夢のようなこの制度。

業務の性質上、夕方以降や土日に仕事をすることも多いため、できるだけ自分の好きな日にまとめて休めるようにと導入された制度だそうです。

ペット忌引き休暇(日本ヒルズ・コルゲート株式会社)*4

ペットフードの日本ヒルズ・コルゲート株式会社では、事前に扶養ペット登録した犬や猫が亡くなった際、「ペット忌引き休暇」として1日の休暇と、1万円の弔慰金をだしているとのことです。

ペットにまつわる事業をしている会社だけあって、社風にもマッチしており、「会社の雰囲気にあった制度」であるという声も上がったようです。

各社のユニークな休暇制度に共通する特徴

その他にも、各社ユニークな休暇制度を導入していますが、特筆すべきは、単にその話題性だけではありません。

今後の足がかりとするべく、どのような特徴が見られるかについて見ていきましょう。

各社に適し、ねらいがハッキリした休暇制度であること

まず、課題に応じ各社に適した休暇制度であるということ。

会社がその休暇制度を導入するねらいが明確で、ハッキリと共通認識がとれているのでしょう。

逆に、手段が目的化した名目だけの休暇が一方的に奨励されると、「使っていいのかわからない」「あるのに使えない、使いづらい」といった、あらぬ不満を招きかねません。

「休暇を取ることへの後ろめたさ」をなくす姿勢

気軽に休暇を取れるようにすることで、日本企業に根付く「休暇を取ることへの後ろめたさ」をなくし、積極的に従業員に休んでもらおうという姿勢も大きな特徴のひとつです。

「休み方改革」を実践する上で、この「休む=悪」といった風潮をどう刷新させていくかは、非常に重要なファクターになってきます。

休暇で心身ともにリフレッシュすることで、健康な心と体で励んで欲しいという、「休ませることにも本気」な会社が、今後さらに増えていくと良いですね。

【引用・参考】
*1:「メンタルヘルス休暇をとります」。そう連絡した女性に上司は… – BuzzFeed Japan
*2:「石油王と結婚」…面白いウソなら休暇あげる…ブライダル会社のユニーク制度、笑いのセンスを営業に生かせ! – 産経WEST
*3:リクルートキャリアの制度、風土、人のこと – リクルートキャリア
*4:日本ヒルズ・コルゲート株式会社【 ペット忌引き休暇 】 – 厚生労働省

社会保険労務士 吉田 崇

よしだ経営労務管理事務所代表。関西を中心に、社長と従業員が安心して働ける職場環境作りをモットーに多くの事業所と顧問契約し、 労務管理で成果を上げる。通常の社労士業務の他に、集客、ブランディングコンサルタントとしての実績も多数。一級カラーコーディネータの資格を有し、ポスターやロゴ等のデザイン業務やWeb制作も行う個性派社労士。よしだ経営労務管理事務所 公式サイト
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