入社手続きシーズンに向けて、人事担当が3月までに確実に準備すべきポイント
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社会保険労務士 表参道HRオフィス山本純次です。
新年を迎え、年末調整も終わった頃かと思いますが、冬が過ぎると、すぐに大卒等の新卒社員が入社する春がやってきます。
内定者に向けての案内等、これからバタバタとしないよう、人事担当としては計画的に準備を進めてもらいたいところです。
以下、準備すべきタスクやポイントをタイムスケジュールに合わせて確認していきましょう。
【1月】入社手続きが必要な新入社員対象者の再確認と、配属先部署の決定、研修計画の策定
内定から時間がたっていると、採用時の面接のイメージと異なってくることもありますので、改めて新入社員の人となりを確認のうえ、どの部門に最初に配属するか決めていく必要があります。
内定式や懇親会などで採用時には分からなかった人となりも把握できてきますので、より成長が見込める配属先、上司の選定を行います。もちろん、配属先への打診や事前調整も行っていきます。
また、入社時からの研修計画の期間の決定、研修内容の立案、準備を進めていきます。
★POINT★
- 配属部門を決める前に新入社員の人となりを再確認
- 配属先との事前調整も忘れず
- 研修期間、内容の策定
【2月】入社手続きに必要な入社必要書類等の準備、学校卒業の状況確認
新卒社員の場合、初めての社会人となるため、社会保険等の手続きについては未知のことばかりです。
丁寧に説明や案内を出したうえで準備を進めます。「基礎年金番号って何?」といった質問も多くでてきますが、例えばSmartHRをはじめとした「クラウド人事労務ソフト」を導入している会社では、そこから招待を出せば、ナビゲーションに従って自身の情報を入力するだけで、入社手続きに必要な情報を集めることができます。案内を会社ごとにカスタマイズすることも可能です。
また、意外に見落としがちなのは、この時期に大学等の試験が終わることから、ちゃんと卒業できるのかの確認が必要です。
入社ギリギリで「卒業できませんでした……!」なんてこともありますので、人事としては注意が必要です。
★POINT★
- 新卒は社会保険手続き等未知のことばかり、しっかり説明を
- クラウド人事労務ソフトを導入していれば、入社手続きに必要な情報収集がカンタン
- ちゃんと卒業できるのか確認しておこう
【3月】入社式等の準備と、最終確認
入社前の新入社員というのは不安がつきものです。その不安が拭えないまま、入社後も会社に馴染めず、すぐに退職になってしまったり、体調を崩してしまうこともあります。この時期にしっかりと人事担当がコミュニケーションをとり、社内の情報提供などを行い、初出社に向けて準備を整えましょう。
この際に、既存社員にアンケートやヒアリングを行い、「入社前後でどのような課題があったか、それに対してどのようなサポートがあると安心して入社できるか」などの知見を蓄積していくと、年々対策もブラッシュアップされていくでしょう。
また、入社手続き以外にも、PCや社員証、名刺や備品等の準備、座席の配置など、細部の準備を進める必要があります。
★POINT★
- 入社前の不安を解消しよう
- 既存社員から傾向と対策のヒントを収集するのも一手
- PCや社員証などの細部の準備も忘れず!
【4月】業務の始動
入社と同時に、労働保険・社会保険の手続きを進めます。入社後すぐに「健康保険被保険者証」を使いたいという場合、発行まで時間がかかるので、資格証明書を発行して対応することも可能です。
PCのセットアップやオフィスの案内、担当上司や部門長への紹介、また会社によっては担当取引先への同行など「業務への始動」を行っていきます。関係各所とのスケジュール調整は早めに確定させましょう。
また社内研修やOJT、外部研修など、会社に必要な研修を実施し、いち早く戦力となるよう育成を実施していきます。
この際注意すべき点として「研修の形骸化」があります。これを防ぎ成長へと繋げていくには、実務に即し成果に結びつく内容になっているか、その結果が正当に評価として反映されるシステムになっているか、など一連の行程を定期的に見直すのも良いでしょう。
★POINT★
- 入社後すぐに「健康保険被保険者証」を使いたいという場合、資格証明書を発行することも可能
- 「業務への始動」にあたり、関係各所とのスケジュール調整は早めに確定させておこう
- 「研修の形骸化」を防ぎ成長へと繋げるには、研修後の成果・評価との関連を効果測定していくのも一手
このように新入社員を迎えるということは、人事業務の中でも一大イベントです。
特に新卒社員については、中長期的な視野にたった採用になるため、計画的にかつ確実に進めていきましょう。