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「従業員のインフルエンザ罹患」について労務担当者が知っておくべき3つのこと

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こんにちは、社会保険労務士の吉田崇です。

ピークは過ぎたと言われるものの、まだまだ巷で猛威をふるっているインフルエンザ。

今回は従業員のインフルエンザについて、労務担当者が知っておくべき項目について3点解説します。

(1)インフルエンザでも「傷病手当金の申請」が可能

業務外の病気やケガで会社を連続して休んだ際に、健康保険より支給される傷病手当金。

大きな病気や、ケガで長期間休んだ場合にしか支給されないと思いがちですが、実際は、病気やケガにより4日以上の連続した労務不能期間があれば支給されます。

インフルエンザの場合、大体、発熱から5日間は休んだ方が良いとされますので、休業4日目以降については傷病手当の申請が可能となります。

ただし、傷病手当金は休んでいる期間について給与の支払いがない、もしくは傷病手当金の額より支給される給与が少ない場合が対象となります。

通常、傷病手当を受給するよりも、有給を使用した方が金額的にも有利ですので、有給で処理される場合がほとんどですが、有給が残っていない従業員や、入社したばかりでまだ有給が付与されていない従業員などがインフルエンザに罹患した場合は、傷病手当が申請可能であることを伝えてあげると良いでしょう。

(2)従業員に「予防接種を強要」できるか?

結論から言えば、会社は予防接種を従業員に強要することはできません。

医療従事者であるなど、特別な場合を除いては、副作用などの危険性が多少なりともあるワクチンの接種の強要に必要性や合理性は認められません。

我々が子供の頃は小学校などで強制的に集団接種が行われていましたので、少々意外な気もするかもしれませんが、これも安全性や有用性の問題から、現在は任意での接種となっているようです。

会社としてどうしても従業員に予防接種を受けてもらいたい場合は、福利厚生の一環として、希望者に対し予防接種の費用を会社が負担したり、業務時間内の通院を認めたりするなどして対応するのが良いでしょう。

(3)インフルエンザに罹患した従業員を「強制的に出社停止」にできるか?

インフルエンザに罹患している従業員が、どうしても出社するといって強行出社。周りにすれば迷惑極まりない行為ですが、会社は強制的にこの従業員を出社禁止にすることはできるのでしょうか?

実は感染予防法で指定された「新型インフルエンザ」以外の季節性インフルエンザの場合、就業制限の対象とはなりませんので、会社が強制的に出社禁止することは合法ではありません。

他の従業員への感染を防ぐために、この従業員を出社禁止にすることは至極真っ当な行為ですし、他の従業員にとっても、そうしてもらわないと困ると思います。ですが厳密に言いますと、出社を希望する従業員に対して、このような対応を会社がとった場合、会社都合での休業となり、この従業員に有給が残っていない場合や、有給取得を拒否する従業員に対しては、平均賃金の6割の休業手当を支払う義務が生じるのです。

つまり、有給を使えない(使わない)インフルエンザに罹患した従業員を強制的に5日休ませた場合、事務的には、休業開始から最初の3日間の待機期間については休業手当を会社が支払い、その後2日間については健康保険の傷病手当金を申請する、という形になります。

 

さて、従業員のインフルエンザについて、労務担当者が知っておくべきことを3点説明させていただきましたが、皆様も手洗いうがいを徹底し、しっかりと栄養と睡眠をとって、健やかに春をむかえてくださいね。

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