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OKRとKPIの違いとは?自社に合う目標管理手法を選ぶヒント

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2000年代はじめにGoogleで導入され、その後の著しい成長を支えたことでも知られるフレームワーク「OKR」。目標管理に用いられるOKRですが、ほかの目標管理手法との違いを十分に理解しきれていない方もいるのではないでしょうか。

本稿ではOKRと、同じく目標管理の手法である「KPI」を比較します。それぞれの役割と、2つのフレームワークの併用方法をご紹介。混同されがちな2つの手法の特徴をおさえましょう。

OKRとKPIの違いとは? 図で解説

まずは、以下の図でOKRとKPIの違いを見てください。

OKRとKPIの違いとは? 図で解説

同じ目標管理の手法でありながら、両者は多くの点で異なっています。

人事評価制度の設計時、どのようなフレームワーク導入が適しているか、お悩みの方には以下の記事がおすすめです。

人事評価制度はどう作る?導入・見直し時に必ず知っておきたいこと

OKRとKPIの違いを、さらに詳しく確認する

OKRとは、目標の設定・管理を目的とするフレームワーク

OKRは目標の設定・管理を目的とするフレームワークです。組織目標の明確化と、企業・個人の結束力向上に効果を発揮します。

ObjectivesとKey Resultsの違い

O(Objectives)とKR(Key Results)の2つのパートから成り立っており、Oは「組織が目指す目標」、KRは「目標達成のための主要な成果」です。通常、1つのOに対して、3〜5つのKRが設定されます。

企業、部署、従業員と細分化して設定するOKR

OKRでは、はじめに企業全体の目標と成果指標を設定し、次に企業の目標達成に向けた部署単位での目標と成果指標を設定。さらにチーム、個人と徐々に細分化させて目標と成果指標を立て、最終的に従業員一人ひとりと企業全体の目標がリンクする構造を構築します。

ただし、OKRの目的は目標の達成ではありません。OKRは挑戦しがいのある目標に企業全体でチャレンジすることによって、個人やチームのスキルアップやコミュニケーション活性化を図るものです。理想の目標達成率が60~70%なのは、達成難易度が高い野心的な目標を立てるためであり、達成率が100%となる目標は難易度が低いとみなされ、OKRに不適切とされています。

OKRの詳細については、以下の記事を参照ください。

また、目標を管理し、適切に評価するために、管理職の方にはポイントを押さえてもらいたいところです。人事評価のポイントについては、以下の資料にもまとめましたので、あわせてご覧ください。

間違った運用していませんか?成果にこだわる人事評価制度導入の手引き

KPIとは、目標達成までの進捗率を計測するための指標

KPIは目標達成までの進捗率を計測するための指標です。

KPIはプロジェクトにおける目標達成に欠かせない中間目標として設定されます。中間目標であるKPIの達成度合いを見れば、プロジェクトの進捗状況を確認できます。

OKRとMBO、KPIの違い

KPIに設定される内容は目標の達成に必要な項目となるため、100%の達成率を目指します。この点は達成率60〜70%を理想とするOKRと異なるポイントです。

また、OKRでは社内全体に共通する目標を立てる一方、KPIではプロジェクトごとに部署やチーム単位で目標を設定する点も大きな違いのひとつ。

そして、KPIとよく似た言葉に「KGI」があります。KGIは「Key Goal Indicator」の略で、「重要目標達成指標」と訳されます。KPIが中間目標を示すことに対して、KGIは最終目標を評価するための指標です。

KPIを設定する際は、先にKGIを設定した後に、KGIを達成するための指標としてKPIを決めるのが一般的な順序です。

OKR・KPIとよく比較される「MBO」

OKR、KPIとよく比較される指標に「MBO(Management by Objects)」があります。MBOは、日本でも有名な経済学者P.F.ドラッカーが『現代の経営』内で提唱した人材マネジメントの手法です。日本語では「目標管理制度」と訳されます。

MBOとOKRの違い

MBOは、従業員が自分自身で設定した目標に対して、どのくらい達成できたかを人事評価の対象とする制度です。従業員は1年に1回のペースで、1年間の個人目標を設定します。

MBOの詳細は、以下の記事にてご紹介しています。

OKRとKPIは併用可能

先述の通り、OKRとKPIはそれぞれ用途が異なります。ただし、この2つの手法は併用できます。

併用する場合は、OKRのKRがどの程度達成できているかを確認するためにKPIを設定する、といった方法が考えられます。

ただし、OKR、KPIの導入時は、目的ごとの使いわけが重要です。企業単位で大きな目標達成を目指す場合は、OKRが適しています。一方、プロジェクトの目的達成に向けた進捗状況管理が目的であれば、KPIが適しているでしょう。

OKRとKPIの併用例

ここからは、OKRとKPIを併用して活用する例を、AIチャットボットツールの開発・販売事業を行う企業を想定して紹介していきます。

【STEP1】 企業としてのOKRを定義

「会社として目指すポジション、何を成し遂げたいか?」をOKRで定義する。達成度が60〜70%となる目標を設定。目標は4半期ごとに見直しましょう。

  • 設定例
    • Objectives
      • 業界内でベスト3に挙げられる企業になる
    • Key Results
      • 自社を含めた競合会社のなかで売り上げ、契約数でベスト3となる
      • 顧客満足度でNO.1を獲得する
      • 宣伝効果を高めるために広告費を前年比30%アップさせる

【STEP2】チームごとのOKRを定義

企業の目的達成に向けて、各チームが目指すべき目標をOKRで定義します。達成度や見直しの期間はSTEP1と同様です。

  • 設定例
    • 開発チームのObjectives
      • 自社製品に寄せられているネガティブイメージを解消する
    • 開発チームのKey Results
      • チャットボットでの完結率を向上し、人的リソースでの対応を90%削減する
      • 自社AIの学習機能を競合A社のボットと同水準までアップさせる
      • 中国語、韓国語への言語対応する
    • 広報チームのObjectives
      • 今まで以上に幅広い層の、自社及び自社製品の知名度をアップさせる
    • 広報チームのKey Results
      • 大手鉄道会社電車内のデジタルサイネージへ広告出稿する
      • 大手検索エンジンで自社製品の関連ビッグワードで上位3位までの検索結果を獲得する
      • 20媒体以上のWebメディアに自社サービス記事を掲載する

【STEP3】KGI・KPIを定める

会社が成長し続けるために、必要なKGI・KPIを定めます。今回はKey Resultsのうち「自社を含めた競合会社のなかで売り上げ、契約数でベスト3となる」に着目します。達成率100%を目標に、年に1回見直しましょう。

  • 設定例
    • KGI
      • 売上25%向上
    • KPI
      • 新規顧客の獲得数月間100件達成
      • 他社への乗り換えを5%に押さえる など

新規顧客の獲得数などに関するKPIは、営業チームなど、成果がそのまま数値に直結する部門で目標に掲げましょう。

OKRでは、達成困難な高難易度な目標設定が推奨されています。「達成率60〜70%程度の目標を追いかけて、本当に企業が成長できるのか?」といった懸念がある場合は、KGI・KPIもあわせて取り入れて、OKRとは別の目標を設定して100%の達成を目指すという方法もあります。

OKRとKPIを目的別に使いわけ、よりよいマネジメント環境に

今回はOKRとKPIという2つの目的管理手法の違いについて解説してきました。

同じ目的管理の手法でもそれぞれ使いどころや得られる効果が異なるので、意図的な使いわけが重要です。OKRとKPI、どちらの手法を使用する場合であっても、設定・導入を通して、企業をよりよい組織にしていくことが求められるでしょう。

また、OKRやKPIといったさまざまなフレームワークのうち、何が自社にマッチしているのかを知るためには、近年注目を集める評価制度や指標の基礎知識を習得しておくといいでしょう。最新トレンドも含めて参考にすることで、課題解決に向けた打ち手が見つかるかもしれません。

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  1. Q1. OKRとKPIの違いは?

    A. OKRは目標の設定・管理を目的とするフレームワークであり、KPIは目標達成までの進捗率を計測するための指標です。それぞれ用途が異なるほか、理想とする目標達成率がOKRは60〜70%、KPIは100%であるなど、多くの点で違いがあります。

  2. Q2. OKRとKPIは併用できる?

    A. 併用可能です。KPIをKR(Key Results)達成のための中間指標にして、目標達成の進捗度合いを確認するといった使用方法が考えられます。

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