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【面談シートあり】効果的なフィードバック面談とは?部下から信頼を得るコツ

公開日

この記事でわかること

  • フィードバック面談は、部下の成長を促し、評価への納得感を高める重要な機会。上司は事前に面談シートを準備し、具体的な事実に基づいて評価を伝える必要がある
  • 面談の流れは、アイスブレイク、趣旨説明、自己評価、評価結果の伝達、質疑応答、目標設定の順で進める。ポジティブな内容と改善点をバランスよく伝えることが重要
  • 効果的な面談のために、サンドイッチ手法やSBI手法などの技術を活用し、人材マネジメントの知識を深めることが有効
目次

フィードバック面談は、部下の成長を促すための大切なコミュニケーションの場です。とはいえ、「部下を傷つけずにやる気を高めることができるか不安」と悩む人も多いでしょう。そこで重要なのがシートなどを準備して、面談の流れを事前に整理しておくことです。

部下の本音を引き出しつつ納得感やモチベーションの向上につなげる、フィードバック面談のポイントを、面談シートの例をあげながら解説します。

フィードバック面談とは?

フィードバック面談とは、上司が部下に対して評価結果、その評価結果に至った根拠、今後の課題を共有したうえで、今後の成長のための行動計画や目標を話し合う人材育成の取り組みです。評価の根拠や目標を明確にすることは、本人の評価に対する納得度を高めつつ、やる気の向上や成長を支援することにつながります。

フィードバック面談とは?目的

また定期的な話し合いでコミュニケーションを深めることで、上司と部下、ひいては組織と従業員の信頼関係構築も期待できる非常に有意義な面談といえます。

フィードバック面談はいつ実施する?

フィードバック面談は毎日・毎週のように高頻度で設定するものではなく、現実的には四半期や半期など、一定期間における従業員の成果や取り組みへの評価が固まったうえで実施されることが多いでしょう。

とくに評価結果についての部下の納得感を高めるという観点を踏まえると、賞与支給の前後に実施する会社が多いことも考えられます。例えば4月に事業年度が始まる会社では、最初の四半期が経過して賞与が支給される前後の6月〜7月、また冬の賞与支給前後の11月〜12月などに設定される会社が多いでしょう。

フィードバック面談はなぜ必要?

フィードバック面談を行う意義は、主に以下の3つが挙げられます。

フィードバック面談が必要な3つの理由

1.人事評価への納得感が高まる

従業員にとって自身の成果や取り組みがきちんと適切に評価されているかどうかは、仕事へのモチベーションに直結する大切な要素となります。具体的にどんな点が良くて、どこが課題なのか。上司から評価についての明確な根拠や基準が示されることによって、評価の納得感を高めることができます。

2.部下の成長につながる

フィードバック面談の目的は人材育成です。上司の適切な指摘によって、部下が自身の強みや課題を把握したり、行動計画によってステップアップへの道筋を明確にすることは、成長のために必要不可欠な取り組みといえます。また、評価の根拠が明確になることで「今後はこのようなことを意識すればいいんだな」と納得でき、仕事に対する意欲向上も期待できます。

3.上司との信頼関係の構築

評価の根拠が上司のあいまいな主観だと、部下の不満を招くことになりかねません。公平性のある客観的な基準で評価を実施することで、上司の評価に対する部下からの信用や安心感につながります。また、一方的な通達ではなく、部下の本音を引き出しながら課題解決に向けた行動計画を共有することで、信頼関係の強化もできます。最終的には、「この人に認めてもらいたい」と思ってもらうことも非常に重要です。

フィードバック面談を含め、上司が知っておきたい人事評価のポイントを以下の資料にまとめましたので、あわせてご覧ください。

人事評価、間違っていませんか?人事担当や管理職が押さえておきたい評価制度3つのポイント

フィードバック面談を行うとき、気をつけること

フィードバック面談にのぞむにあたって、いくつかポイントをおさえておきましょう。

1.面談の時間と場所は個別に設定する

フィードバック面談は成長支援を目的とした場であるため、功績だけでなく厳しい評価も伝える必要があります。他の従業員に聞かれたくない内容であることを踏まえ、1on1のミーティングが可能で、かつ会話が漏れない会議室などで実施しましょう。さらに「山田さんと田中さんと佐藤さんで合計1時間30分」のような大きな時間枠の設定ではなく、一人ひとり個別に30分〜1時間は時間を確保しておきましょう。

2.会議室の予約は必ず早めにとっておく(対面での実施の場合)

フィードバック面談は、社内全体や部署ごとなどまとまった人数を対象に、同じ時期に実施されることが一般的です。会議室の利用が集中するため、ほかの評価者といつ使うか話し合っておいたほうが無難です。会議室の空きがなく実施が先延ばしになってしまうような事態は避けましょう。

3.社外での実施は避ける

カフェなどオープンなスペースでのフィードバック面談実施も避けましょう。具体的な成果を話す場である以上、業務上の機密事項に触れる可能性が高いです。周囲を気にせず安心して本音を話してもらえるように、コミュニケーションの内容に適した環境を意識しましょう。

4.事実を根拠にする

勤務態度やメンバー間のコミュニケーションの質など、どうしても定性的な評価となってしまう指摘内容もあるでしょう。しかし、基本的には事実をベースに評価の根拠を明示することが、部下の納得を得るために重要な条件となります。

5.ポジティブなフィードバックを入れる

フィードバック面談は、マイナス評価や課題だけを伝える場ではありません。努力へのねぎらいやうまくいったポイントを上司が取り上げ、ポジティブなフィードバックを含めたコミュニケーションを意識しましょう。よい点を伝える際は小さなポイントでもよく、「そんな小さな仕事までみてくれているんだな」と部下によい印象を与えられます。

6.面談シートを準備して事前にシミュレーションしておく

信頼関係を深めるという意味では、柔軟に会話のキャッチボールを交わすことは重要です。ただし、何となく場の空気だけで面談を進めてしまうと、肝心な項目に時間を使えないことがあります。

面談を有意義な時間とするためにも、ぜひ準備しておきたいのが面談シートです。面談シートに沿って事前に頭のなかでアドバイスや質問をシミュレーションしておくと、部下からの質問にも曖昧な回答とならず、不信感を招くことを避けられるでしょう。

面談シートは机の上に置いて話しても構いません。一律の内容ではなく、各個人の具体的な成果やプロセス、また上司が気付いた点やアドバイスなどが含まれていれば、「この面談のために準備してくれたんだな」と信頼を高められます。サンプルを用意しましたので、ぜひ参考にしてみてください。

フィードバック面談シート

※面談シートサンプルにアクセス後、上部メニューに記載されている「ファイル」から「コピーを作成」を選択し、ご利用ください。

フィードバック面談の進め方

フィードバック面談は部下の成長と、信用獲得のきっかけになり得る重要な場となります。あいまいな会話だけで終わらせないためにも、上司がきちんと準備してフィードバック面談を実施することが重要です。当日までの動きも含めて、面談の進め方を頭のなかで整理しておきましょう。

事前準備

○結果と説明内容の確認

部下に人事評価の公平性を示すためにも、結果だけでなくその評価となった背景や根拠をきちんと説明しましょう。ここであいまいな説明にせず、論理立てて具体的に明示できることが、信頼を得るために必要な条件となります。

○ギャップがないかをチェック

上司や組織からの評価と部下の自己評価を比べ、ギャップがありそうな部分をチェックしておくことも重要です。ギャップのある評価をした明確な理由をもって伝えられないのであれば、改めて当該評価の背景・経緯を確認し、部下に明確な理由を交えて伝えましょう。

○改善指導と目標の確認

次期の目標や課題解決について、妥当な選択肢を上司側で準備しておくと、改善指導や計画設定もスムーズになりそうです。なかには自分の考えを話すのが苦手な部下もいて、話が前に進まないこともあります。そんなときは、一方的な指示にならないように配慮しつつ、助け船を出してあげましょう。また面談の場では、部下の気持ちが高ぶって無理のある計画を設定してしまうこともあります。現実的なアクションプランとなるよう、着地点や実践内容を想定しておくとよいでしょう。

○頭のなかでシミュレーション

以上の3つを踏まえて、先ほど紹介した面談シートなどを参考にして、当日の流れをシミュレーションしておきましょう。

面談の流れ

フィードバック面談当日は、面談対象者に伝えるべきことについて、下記の項目に沿って事前にまとめたうえでのぞみましょう。

フィードバック面談の流れ

1.アイスブレイク

自身の評価や処遇に関わる話題なので、部下は普段より緊張状態であることがほとんどです。上司の言葉を聞いてもらいやすく、さらに部下が話しやすい状態になるよう、「昨日から一気に冷えこんだけど体調崩してない?」など、軽い話題から場の雰囲気をつくりましょう。家族のことなどプライベートの話題は部下によっては話しにくい内容もあるため、天気や趣味、会社周辺のイベントなど、なるべく気兼ねなく話せる事柄にしましょう。

2.面談の趣旨を伝える

この面談がフィードバック面談であること、部下の成長を支援するための場であることを最初に伝えて、話し合いの目的を互いに再確認します。

3.部下に自己評価をしてもらう

部下自身にも振り返ってもらい、全体的に良かった点、悪かった点を伝えてもらいましょう。このとき、大切なのは部下の話を遮らないこと。うなずいたり相槌をうったりしながら「あなたの話を聞いていますよ」と傾聴の姿勢を示すことで、相手が話しやすい空気を焦らずにつくってください。

質問は、いきなり「○○○の件はどうでしたか?」と具体的な事案を持ち出すのはなく、「この四半期はどうでしたか?」とざっくりと大きな質問を投げかけ、何から話を始めるかからまずは相手に委ねてみましょう。部下が話す事柄の順番で、どのようなことを考え、何を優先的に伝えたいのかがわかります。

4.評価の結果とその理由を伝える

評価結果は概括から伝える方法もありますが、必ずしもそれが正解とは限りません。大切なのは①ポジティブな話(ポジティブフィードバック)、②改善が望ましい話(ネガティブフィードバック)と、順番を整理して伝えることです。

よかった点や改善したい点は、人事評価項目に沿って、具体的な行動や成果を示しながら話しましょう。例えば、「8月のA社との商談で、事前に先方の競合調査を緻密にまとめてくれていましたね」というように、具体的な事実を挙げましょう。

5.評価全体について質問がないか確認

評価結果と根拠を丁寧に説明したあとは、その内容について部下の自己評価とギャップがないか質問してみましょう。必ずしもネガティブな話だけでなく、高く評価した項目についても「こちらが把握できていないかもしれない、アピールポイントなどはありませんか?」と尋ねてみるのもいいでしょう。プラス評価についても「もっと評価されてもいいはずだ」と感じている可能性があるからです。

6.次期に向けた目標と行動計画を決める

課題を共有できたら、解決に向けてどのようなアクションを計画に落とし込んで、どのような目標を設定するか、部下の考えを汲み取りながら決めていきましょう。このとき高圧的に指示するのではなく、双方向のコミュニケーションを心がけて一緒に決めることが大切です。

部下の反応が薄く、提案がなかなか出てこない場合は、一旦相手がどのようなキャリア形成を希望しているか尋ねてみましょう。課題解決が理想のキャリアに近づくために必要であることを認識すれば、自分ごととして捉え、納得して業務に取り組めるからです。例えば「商談での商品提案は得意だが、情報収集が苦手である」という場合は「手探りで情報収集するのではなく、まずは得意な商品提案時にあると役立つ情報とは?を検討し、リサーチする領域を狭めてみては?」と、相手の意思を尊重しながら解決方法やチャレンジ目標を導き出せないか、一緒に考えてみましょう。

ちなみに行動計画の対象となる課題は、「できないことをできるようになる」という改善項目だけでなく、「いまできることのクオリティをさらにあげていく」というステップアップも対象に含めてもよいでしょう。

7.面談の締めくくり

部下が気持ちよく最大限の能力を発揮できるように、フィードバック面談は支援と感謝の姿勢を示して締めくくりましょう。例えば「目標に達成するために、何か手伝えることや聞きたいことがあったら言ってくださいね」「いつもA社の案件丁寧に対応してくれて助かっていますよ」などきちんと言葉で伝えて、上司と部下の信頼関係を築く誠実なコミュニケーションを意識しましょう。

フィードバック面談の効果をさらに高める方法

ここまで、フィードバック面談のクオリティを高めるためには、上司側の準備や心構えが重要であることを解説してきました。より一層部下の成長支援を実現するために、以下のことも心がけてみてみましょう。

効果的な手法を知る

より効果的なフィードバックを目指すための、有名な手法がいくつか確立されています。代表的なものを3つ紹介しておきます。

①サンドイッチ手法

「褒める」→「課題の指摘」→「褒める」という順番で展開するフィードバックのことです。ネガティブフィードバックを間に挟むことで、部下(被評価者)の意欲が削がれることを防ぎます。

②SBI手法

「Situation(状況)」「Behavior(行動)」「Impact(影響)」の3つの言葉の頭文字をとったフレームワークです。例えば「先日の商談で(Situation・状況)、あなたは競業他社の商品を優先的に紹介してしまったが(Behavior・行動)、他の顧客の前でも同じ行動を取っていないか心配している(Impact・影響)」など、3つの要素を順番に盛り込んで説明することで、部下が客観的に課題を振り返ることを促します。

③ペンドルトン型

心理学者のペンドルトン博士によって提唱されたフィードバックの手法で、面談の目的の説明から課題の指摘、改善計画の策定などを1on1で話し合います。「対話」と「内省」を重視するという観点では、今回の記事で紹介した面談の流れに近いアプローチといえます。

人材マネジメントの知識を増やす

部下との対話が要となるフィードバック面談は、上司の人材マネジメント能力次第でその効果が左右されます。上司と部下という関係性だけでなく、組織全体から俯瞰して考えた場合、適切な振る舞いは何なのかまで視野を広げるのが人材マネジメントです。

スキルアップのためにまず基本から学んでみたいという方は、以下の資料をダウンロードしてみましょう。

お役立ち資料

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FAQ

  1. Q1. フィードバック面談では何を話す?

    A.人事評価の結果だけでなく背景や根拠を部下に伝えて、課題の指摘や解決に向けた行動計画を一緒に共有します。事前に話す内容を準備しておくことが重要です。

  2. Q2. フィードバック面談のメリット・デメリットは?

    A.人事評価の根拠を部下が把握することで、課題に気づくきっかけとなります。また何が評価対象となるのか明確になることで成長に向けた道筋が見え、働く意欲の保持や向上につながります。一方で上司の伝え方次第では、モチベーション低下を招く恐れもあります。

  3. Q3. ネガティブなフィードバックをするとき、注意することは?

    A.上司の主観だけに基づく判断は避け、客観的事実に基づいて評価することが重要です。評価の根拠が公平性のある基準であることは、上司と部下、ひいては組織と部下の信頼関係構築においても不可欠です。

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