テレワーク環境下におけるマネジメントとコミュニケーションのポイントとは?【ラッシュジャパン×div×カケハシ×SmartHR】

2020.09.30 ライター:藤田隼

2020年7月16日、100名以上がオンラインで参加した、SmartHRによる人事労務のミートアップ「PARK」

本稿では、パネルディスカッション「大テレワーク時代到来!「テレワーク、やってみてどうだった?」ぶっちゃけ座談会」のレポート第2弾をお届けします。

パネリストは

  • 株式会社ラッシュジャパン 人事部長 Head of People  安田 雅彦さん
  • 株式会社カケハシ Corporate Design ドメイン jinji 井上 亜美さん
  • 株式会社 div 組織開発グループ 人材開発チーム チームリーダー 横川 弘隆さん

の3名。

モデレーターは、SmartHR執行役員・VPヒューマンリソース、人事責任者の薮田孝仁が務めます。

「テレワークにおけるマネジメントの変化」「テレワークにおけるコミュニケーションの変化」について、各社が語った内容とは?

テレワーク導入における、各社の知見がまとまっておりますので、参考にしてみてはいかがでしょうか。

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※本稿に載っている情報は2020年7月16日時点のものです。

【Q4】テレワークにおけるマネジメントの変化

薮田:続いてのテーマは、テレワークにおけるマネジメントの変化です。テレワーク環境下におけるメンバーの業務管理や目標設定、人事評価はどうするのかなどの変化についてお伺いしたいです。安田さん、いかがですか?

【A4-1】「気配」に触れる機会を意識的につくる必要がある(ラッシュジャパン)

安田さん:人事評価についてはもともと成果や貢献度などを測る仕組みにしていたため、基本的には変えていません。もちろん、まだはじまったばかりで評価期間が十分じゃないというのもあるんですが、あまり変えることはないだろうとは感じています。

「マネジメント」という意味でも同じですね。よくテレワークがはじまって、1on1がどうだのって議論がありますが、逆にきちんと何を伝えるか、何を確認しようかということは自ずとクリアにならざるを得なくなっている部分もあるなと。僕はこのあたりの変化について、どちらかというと好意的に受け止めています。

ラッシュジャパン安田さん

ただ、困っていることもあります。雑談から伝わることとか、意識的に会う時間をつくらずともオフィスにいるだけで何となくコミュニケーションが生まれることってあるじゃないですか。その際に、元気があるのかないのか、上手くいっているのかいないのかとか。今までは、それらを “気配” から掴めていたものの、テレワークではそこが難しいですね。“気配” に触れるための機会を、意識的にオーガナイズする必要がありそうです。

薮田:目標設定や人事評価では大きく変わることはないけれども、チームマネジメントの観点で、苦労する点もあるんですね。それに対して対策はしましたか?

安田さん:例えば営業とファイナンスとでは部門の特性は異なりますよね。特性が異なれば当然テレワークでの働き方も違うので、どういう働き方がその部門特性に合っているのか。働いている人がそれでハッピーになるのかどうか。あと、オフィス部門は現場をサポートする部門なので、テレワーク下での我々の働き方で、クライアントである現場は満足したサポートを得られているのか。この3つですよね。

つまりは、「各部門」「働く本人」「クライアント」の3つの満足をきちんと満たしているかを、リーダーには精査してほしいと伝えていますね。このバランスをちゃんと取らないと、一律のマネジメントスタイルや働き方にしても、あまり上手くいかないんじゃないかなと思ってて。

【A4-2】情報量が減る中で、メンバーの状況をどう把握するか性善説で考える(div)

薮田:ありがとうございます。横川さん、いかがですか?

横川さん:マネジメントを、チームメンバーが会社に利益を生む適切な行動を取るように「管理」「育成」することの2つと定義すると、「管理」には変化が必要だと感じています。

対面でのコミュニケーションが取れないことで、オフラインに比べ、視覚情報が減ります。そのため、今まで得られていた情報量が減ることになります。例えば、安田さんが仰る”気配”がそれにあたると思います。そこを他で補う必要が出てくると考えています。

以上のことから、得られる情報が減っている中で、チームメンバーの状況や様子をどうやって把握していくのかが、変化のポイントになるといえます

上記に加え、テレワーク下のマネジメントでは、性善説に立って上司とメンバー間の信頼関係をより強固なものにしていく必要があると考えています。

様々な事例を拝読するに上司が見ていなければ社員はサボるのではないかという性悪説に立った考え方のマネジメントが多いと感じています。

ただ、このコロナ禍において、恐らくそのような考え方だと、上司・メンバー共に円滑に仕事をしていくのがだんだん苦しくなると思います。だからこそ、性善説に立って上司とメンバー間の信頼関係を構築していくために、管理の仕方を変えていくことが必要になってくると考えています。

div 横川さん

【A4-3】ミーティングで雑談時間を設けている(div)

薮田:実際に横川さん自身もマネジメントをされていると思いますが、苦労や工夫をされたことはありますか?

横川さん:雑談の機会はすごく増やしました。普段のミーティングの中でも、雑談時間を意図的にとるとか。それに加え、Slackの1つのコメントに対しても必ずリアクションをするようにしています。そのほか、弊社は日報がなかったんですけれども、簡単な日報をはじめたりなどの工夫をしました。

薮田:新たに日報をはじめるとなると「何でするんですか?」などの声は出ませんでしたか?

横川さん:あらかじめ何でそれをやるかという背景や意図もしっかり伝えて、納得してもらいましたね。それに、やるからにはシラけさせちゃいけないと思い、1~2分で書き終わるよう項目を絞るなどの工夫をしました。

【A4-3】雑談やチームランチなどの工夫がチーム規模で生まれている(カケハシ)

薮田:カケハシさんではテレワークで、マネジメントに変化はありましたか?

井上さん:雑談をはじめとしたコミュニケーション面としては、チーム規模で工夫をしている印象があります。

例えば、1時間はコミュニケーションツールに繋ぎながらそこで全員業務をする時間をつくり、何か気になることがあれば任意の人と会話ができるようにしているチームがあったり、チームランチを実施したり。

マネジメントの変化というよりも、雑談や他愛のないコミュニケーションをとるためにチームごとの工夫が目立ってきていますね。

【Q5】テレワークにおけるコミュニケーションの変化

薮田:コミュニケーション量や雑談が必要という点で、皆さん共通していますね。ちょうど次のテーマにも繋がるので、このままいきましょうか。テレワークにおける、いわゆる社内コミュニケーションの変化はどうだったのかを、改めてお伺いしたいと思います。安田さんいかがですか?

SmartHR 薮田

【A5-1】Slackを使うシーンや「チェックイン」というコミュニケーションが増えた(ラッシュジャパン)

安田さん:Slackを使うシーンが増えた気がします。あと、弊社では「チェックイン」と呼んでいますが「今どんな感じ?」というちょっとしたコミュニケーションの頻度が増えています。チェックインでは、例えばタスクのステータスを確認したり、シンプルに「何か困っていることはある?」などのコミュニケーションをとっています。これは、どのチームでも増えている印象ですね。

薮田:Slackを使うシーンが増えたのは、人事から「Slackを使うようにしましょう」と言ったんですか? それとも自然発生だったんでしょうか。

安田さん:こちらから働きかけたというよりは、自然と増えましたね。

【A5-2】全社会議は、オフィスでもリモートでもオンライン参加(カケハシ)

薮田:井上さんはいかがですか。何か変化はありますか?

井上さん:変化というと、「チームミーティングを朝と夕にやるようになりました」というチームもありますが、全社的な大きな変化はあまりなかったように思います。というのも、安田さんからSlackでのコミュニケーションが増えたというお話がありましたが、弊社の場合はもともとフルリモート勤務の社員が各チームにいるような状態だったため、そもそもSlack等テキストでのコミュニケーションで情報伝達を完結できるよう整備していました。

その他のテレワークでの工夫を挙げると、全社会議等もリモートの社員がいることを前提に、コロナ以前からオフィスにいるメンバーも全員オンラインで会議に入っていました。そうするとリモートかオフィスかを問わず、同じ環境下でコミュニケーションを取ることができます。誰かが話している間にもチャット上に質問や意見等がどんどん書き込まれていきます。

その書き込みに対してはチャットで回答される場合もありますし、良いタイミングで司会者がそれを拾って回答に導く場合もあります。オフィスにいたとしても大人数で発言してしまうと声がぶつかりリモート参加のメンバーからは聞き取りづらくなってしまうため、環境を揃えて文字にも落としつつ進行しています。

薮田:大人数のときはSlackを活用することで、逆に、オフラインだけでやるより良くなる面もあるかもしれないですね。

井上さん:そうですね、あると思います。あとは、真面目な会議中でも、チャットだとくだらないものも含めちょっとした発言もしやすくなるので場が和むような側面もありますね。

カケハシ 井上さん

【A5-3】業務以外のコミュニケーションをつくる努力。社員からのリクエストも(カケハシ)

薮田:井上さん自身がコミュニケーション面で働きかけたことはありますか? 人事としてケアはどうしたか、など。

井上さん:まだ全員とできているわけじゃないんですが、人事からは面談やコミュニケーションをとるようにしています。また、チーム横断的なランチを開催して、そこで「どんなテーマだったら話してみたい?」という声を拾ったりとか。そういった業務以外のコミュニケーションをつくるよう努力をしています。

薮田:このようなきっかけづくりは、人事からいろいろ提案しているんですか?

井上さん:人事からのものもあれば、社員からのリクエストもあります。「チームでこういった取り組みをしているんだけれども、人事が一緒になって全社を巻き込んで動いてくれない?」という要望をもらうこともありますね。このような相談も、Slackで気軽にもらっています。

薮田:社員から自発的に取り組んでくれるのは、すごくあるみたいですね。

井上さん:あとは、work_from_home」というチャンネルがありまして。自宅でお子さんがいる中で仕事をしている社員も多いので、「これで困っているんだけど、誰か解決策知らない?」「こんな工夫をしているよ」などの意見交換も活発です。

【A5-4】ラジオ体操で運動不足解消とコミュニケーションの創出(SmartHR / ラッシュジャパン)

薮田:弊社も社員発信でラジオ体操が自発的にはじまったりしました。ラジオ体操って、すごくコミュニケーションのきっかけになるんだなという発見がありましたね。

安田さん:ラジオ体操はうちもやっていました。ラッシュって、そもそもラジオ体操をやっているんですよ。昔からずっと15時になるとやっていますが、テレワークになってからもSlackでラジオ体操の通知が来て。弊社ではもともと工場のカルチャーだと思いますが、オフィスでもやっています。

井上さん:オンラインのラジオ体操だと、それはビデオ会議でつないでやっているんですか? 弊社も運動不足な人もいると聞くので、何かやれればなと。

安田さん:Slackでラジオ体操のYouTubeのリンクが送られてくるんですよ。やりましょうと。

井上さん:なるほど。ありがとうございます。

安田さん:今はリモートですけど、オフィス勤務のときって、ラジオ体操をやりながら隣の人としゃべったりするから、結構コミュニケーションにも繋がったりするんですよね。

井上さん:ちょっとやってみようかな。

【A5-5】コミュニケーションを促進する各種手当やリフレッシュタイム(div)

薮田:divさんでは、コミュニケーションの変化はありましたか?

横川さん:主に3つの施策を行いまして、1つ目が「リモートコミュニケーション手当」を開始しました。これは、業務時間外に飲食を伴うコミュニケーションを社員と行った場合は、1回につき一律500円を支給するコミュニケーション促進の制度です。

2つ目が、チームでの「リモートランチ会」を設定しました。こちらも開催したら一律500円。

3つ目に「リフレッシュタイム」というものを設けました。こちらは、例えばYouTubeの首や肩の凝りに効く動画をいくつかピックアップし流しました。、そして、その後はチームで雑談をする時間を設けました。

薮田:人事が率先して取り組んだんですか?

横川さん:そうです。

これらの施策で解決したかったのは、リモートワーク下においては、コミュニケーションを促進する社内企画や制度を活用することができず、コミュニケーション量が減少し、人間関係が希薄化したり、孤独感を感じる従業員が増える可能性があるという課題でした。そこで、人事施策として人事が主導しました。

薮田:リモートが長くなると、結構またそこで変わってくることもありますしね。孤独感を感じるというのはあります。

井上さん:そういえば、弊社もオンラインでの飲み会手当を出すようになりました。オフラインでもともと出していたものを、オンラインでも適用できるように切り替えました。

【A5-6】Slackではフォーマリティをなくしカジュアルにコミュニケーション(ラッシュジャパン)

安田さん:忘れないうちに、僕はどうしても言いたいことがありまして。

チャットで「Slackの絵文字活用で感情を伝えるなどはされていましたか?」と質問がありましたが、ラッシュではかなり絵文字を使っていますね

従来のように、役職名を入れたり絵文字を使わなかったりのコミュニケーションを続けていると、結構しんどくなると思うんですよね。それこそ絵文字を使うと怒る上司の話とかあるじゃないですか。「上司に絵文字とは何事だ!」みたいな。

薮田:ありますね。安田さんは大丈夫ですか(笑)?

安田さん:当たり前じゃないですか、僕は絵文字しか使いませんよ(笑)。

やっぱりコミュニケーションのフォーマリティをなくしていかないと。「だれだれ様、お疲れさまです」みたいに、Slackに「お疲れさまです」とか書いていたら、多分コミュニケーションツールを使う意味がないと思うんですよ。やっぱりコミュニケーションはカジュアルになっていくほうがいいんでしょうね。

井上さん:私もそう思います。絵文字もそうですし、LINEを使うのと同じぐらいの感覚で。

安田さん:本当にそう思いますね。

薮田:フォーマルになってしまうと、やっぱり壁を感じてしまうので、テキストコミュニケーションが増えるからこそ、絵文字を使うことで軟らかく表現したり。

安田さん:そうですよね。何でもかんでもメールみたいな文面でSlackに書いている人が時々いるじゃないですか。メールなのかSlackなのかなど、コミュニケーションチャネルによってそれぞれ使い分けるのが大切で。それがSlackならカジュアルに表現するのが良いですよね。

薮田:テレワーク時代は、カジュアルにいったほうが、コミュニケーションが円滑になりそうですね。

おわりに

第2弾のレポートでは、「テレワークにおけるマネジメントの変化」「テレワークにおけるコミュニケーションの変化」について各社に語っていただきました。

ぜひとも、前回の第1弾、次回第3弾のレポートあわせてお読みください。

今後もPARKは定期的に開催していきますので、お楽しみに!

藤田隼

SmartHR ガイド編集長。ソーシャル系スタートアップでSNSマーケティングや自社メディア運営に携わり、2015年よりメディアに特化した事業会社で複数サイトの制作ディレクターを経験した後、SmartHRにジョイン。
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