従業員が新型コロナウイルスに感染した場合の報告内容と、企業側の対応

2020.04.03 ライター: 副島 智子

こんにちは、SmartHR 人事労務 研究所の副島です。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染者数増が毎日ニュースとなっており、リモートワークや出張制限などを実施している企業も多いことと存じます。

誰もが感染者となってもおかしくない状態のため、万が一従業員が感染した場合に必要な対応をまとめました。

何かしらの基準をあらかじめ決めておくことで、企業側も従業員側も慌てることなく対応できると思います。SmartHR社における運用体制もあわせてご覧ください。

※ イメージ画像です

(1)発熱などの症状がある場合

従業員側の対応

■ 37.5度前後の発熱や、だるさ(倦怠感)、息苦しさ(呼吸困難)が1日でもある場合

  • 上長に報告しましょう。
  • 休息をとりましょう。無理な勤務は禁物です。
  • 回復するまでは、なるべく人との接触をさけましょう。
  • 回復に至るまで、誰と会い、どこにいったかの行動記録をつけておきましょう。感染していた場合に重要な情報となります。
    (SmartHR社ではフォーマットは指定せず、個人で管理しやすく、後で提出可能なフォーマットで記録していただくような方針としています。)

(2)本人が感染した場合

従業員側の対応

以下の(1)(2)の症状が継続している場合は感染の疑いがあります。会社に報告をしましょう。派遣社員の方は、派遣元の会社への連絡も必要です。

  • (1)風邪の症状や37.5℃以上の発熱が4日以上続いている。(解熱剤を飲み続けなければならないときを含みます。)
  • (2)強いだるさ(倦怠感)や息苦しさ(呼吸困難)がある。
    ※ 高齢者や基礎疾患等のある方は、上の状態が2日程度続く場合

企業側の対応

  • 従業員からの報告先をあらかじめ決めておきましょう。
    (SmartHR社では、マネージャー以上の上長と人事労務 研究所 所長を指定しています。)
  • 社内の「新型コロナウイルス感染症対策本部(後述)」へ報告をします。
  • 帰国者・接触者相談センター」で相談をしてもらうよう従業員に伝えましょう。
  • その後の対応は、相談センター、医師、保健所からの指示に従いましょう。

その他

    • 濃厚接触者(参考情報参照)の判定のため、保健所の調査が入るそうです。
    • 感染者の行動内容を本人も会社側も整理します。
    • 症状が出始めた日以降の行動を全て把握することが必要です。

(3)同居家族が感染した場合

従業員側の対応

会社に下記を報告しましょう。派遣社員の方は、派遣元の会社への連絡も必要です。

  • 濃厚接触者と判定されたか、されなかったか。
  • その他、保健所から伝えられた内容。

企業側の対応

    上記の内容の報告を求めましょう。
    症状が出ていない場合でも、2週間はリモートワークを指定することが好ましいでしょう。

(4)商談相手や外勤先、同居家族以外の接触者で感染陽性が出た場合

従業員側の対応

会社に報告しましょう。派遣社員の方は、派遣元の会社への連絡も必要です。

企業側の対応

接触状況に応じて、リモートワークの指定を検討しましょう。

(5)個人情報の取り扱いについて(氏名の開示について)

今後の対策、方針の検討などのために、報告のあった方の氏名は後述の「新型コロナウイルス感染症対策本部」に共有することを、あらかじめ従業員に共有しておきましょう。

(SmartHR社では、濃厚接触者の特定が難しい場合は、ご本人の了解のもと、社内に開示するかどうかを新型コロナウイルス感染症対策本部で決定することとしています。)

(6)社内に「新型コロナウイルス感染症対策本部」を設置

感染防止対策の検討や決定、感染者が出た場合の対応などを行う社内の専門チームを立ち上げておくことで、スムーズに意思決定できます。

SmartHR社では、CXO、VP、マネージャー、法務、公共政策担当の有識者をメンバーとし、Slackに専用チャンネル( #pj_新型コロナウイルス感染症対策本部 )を立ち上げて、政府や東京都の要請に対して検討などを行っています。
(個人情報が含まれるやり取りを行う場合があるため、非公開のプライベートチャンネルの運用としています。)

(7)参考情報

1. 濃厚接触者とはどんな人を示すのか?(国立感染症研究所感染症疫学センター)

「濃厚接触者」とは「患者(確定例)」(※1)の感染可能期間(※2)の接触者のうち、次の範囲に該当する場合を指します。(2020年4月20日更新)

  1. 患者(確定例)と同居あるいは長時間の接触(車内、航空機内等を含む)があった者
  2. 適切な感染防護無しに患者(確定例)を診察、看護もしくは介護していた者
  3. 患者(確定例)の気道分泌液もしくは体液等の汚染物質に直接触れた可能性が高い者
  4. 手で触れられる距離(目安1メートル)で、必要な感染予防策なしで患者(確定例)と15分以上の接触があった者(周辺の環境や接触の状況等、個々の状況から患者の感染性を総合的に判断)

(※1)「患者(確定例)」とは、「臨床的特徴等から新型コロナウイルス感染症が疑われ、かつ、検査により新型コロナウイルス感染症と診断された者」を指します。
(※2)「患者(確定例)」の感染可能期間とは、発熱及び咳・呼吸困難などの急性の呼吸器症状を含めた新型コロナウイルス感染症を疑う症状(※3)を呈した2日前から隔離開始までの間を指します。
(※3)発熱、咳、呼吸困難、全身倦怠感、咽頭痛、鼻汁・鼻閉、頭痛、関節・筋肉痛、下痢、嘔気・嘔吐など。

https://www.niid.go.jp/niid/images/epi/corona/2019nCoV-02-200420.pdf

2. 厚生労働省「新型コロナウイルスに関するQ&A」(一般の方向け)

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/dengue_fever_qa_00001.html

3. 厚生労働省「新型コロナウイルスの感染が疑われる人がいる場合の家庭内での注意事項」

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/newpage_00009.html

おわりに

新型コロナウイルス感染症の蔓延に伴い、働き方にも大きく影響しています。

SmartHR 人事労務 研究所としても、少しでも皆さまにお力添えできるよう、引き続き情報発信してまいります。


【編集部より】
・2020年4月20日に、国立感染症研究所 感染症疫学センターより「濃厚接触者」の定義が改められたため、本稿の内容も改めています。

【編集部より】実録! SmartHR社のリモートワークシフト

リモートワーク導入、進んでいますか?
SmartHR社のリモートワークシフト

【こんなことがわかります】
新型コロナの蔓延に伴い、リモートワーク移行が企業の大きな課題となっています。
本資料では、私たちSmartHRが試行錯誤で進めてきた、“with コロナ時代”の働き方の実例をまとめています。

  • 勤怠ルールの変更
  • スライドワーク制度の試行
  • リモートワーク環境手当の導入
  • オンライン面接の準備ハウツー
副島 智子

20人未満のIT系ベンチャーや数千人規模の製薬会社、外食企業など、さまざまな規模・業種の会社で15年以上の人事労務の経験を持つ。2016年にSmartHRにジョイン。従業員、労務担当者、経営者の3つの視点を持ち、SmartHRのペーパーレス年末調整機能の企画、電子証明書取得方法の解説など、メンドウで難しいものをわかりやすくカンタンにしてユーザーに届けることを得意とする。2019年7月「SmartHR 人事労務 研究所」を設立し所長に就任。同研究所の採用情報はこちら
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