問題社員を解雇したいとき、気をつけるべきいくつかのポイント
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十人十色というように職場にも色々な人がいます。
中には全く仕事ができない人や、仕事をする気がない人、仕事との相性が悪い人……色々な理由があるとは思いますが、会社としては放っておくわけにはいきません。例えば……
・指示を出したらいちいち文句をつけて行わない
・入社して3年が経っているのに、基本的なこともまともにできない
・ネットサーフィンやLINEばかりして仕事をしない
このような従業員がいた場合、会社にしてみれば問題があることは明白で、治らなければ解雇を検討してもおかしくないでしょう。
しかし、解雇のやり方次第では、解雇した従業員から会社が訴えられて、最終的に多額のお金を払わなければならなくなる危険性もあります。
そこで、今回は、こんなことにならないようにするために、解雇の際に気をつけるべきことを解説していきます。
解雇には客観的合理的な理由が必要
従業員を解雇するには、客観的合理的な理由が必要です。
例えば、会社の経営悪化によるいわゆる整理解雇の場合でも、人員削減の必要性があるのか、賃金カットや希望退職者の募集など、解雇を回避する措置を取ったか、解雇する従業員の人選が適切であったか、という条件をクリアする必要があります。
先に挙げた勤務態度不良の場合には、回数、会社からの指導や本人の改善見込、会社に生じた影響などから考えて解雇相当と言える場合でなければなりません。
長期の無断欠勤や、犯罪行為があった場合にできる懲戒解雇以外は、従業員を解雇できるハードルは高いのです。
解雇予告、解雇予告手当の支払いが必要
解雇に理由があるからといって、「お前クビだ、明日から来なくていい」といきなりやめさせていいわけではありません。
まず、原則として、従業員に対して解雇予告をしなければなりません。この予告は、法律上、遅くとも解雇の30日前に行わなければならないと定められています解雇日も伝える必要があります。
解雇予告をしない場合には、30日以上の平均賃金を支払わなければなりません。これを解雇予告手当といいます。
解雇予告と解雇予告手当は、相関的な関係にあり、例えば、10日分の予告手当を支払った上で、解雇予告から20日後に解雇することもできます。
つまり、解雇を予告あるいは告知してから、30日分の賃金を保証することが必要とされているのです。
従業員の解雇でトラブルが生じるのは、これまでに書いたステップをきちんと踏まないケースがほとんどです。
これらの手続を踏まずに解雇した従業員から、労働審判や裁判を起こされてしまうと、従業員の言い分が通り、会社は多額の金銭を支払う羽目になります。
すぐにでもいなくなって欲しい従業員がいたとしても、会社としては、禍根を残さないようステップを踏むことが必要です。