【例文多数】目標設定を効果的に実施して、社内で一目置かれるチームを作る方法

「あのチームは、よい動きをするなあ」。そう評価されるチームをつくりたいなら、目標設定のスキルを磨くのが近道です。適切に目標設定できる上司は、部下の能力・スキルを伸ばし、成果を出し続けられます。

この記事では、成果アップにつながる目標設定に重要な要素を紹介します。目標の設定で困っている人は参考にしてください。

【例文多数】目標設定を効果的に実施して、社内で一目置かれるチームを作る方法

人事評価における目標設定とは?

目標設定とは、達成するべき特定の目標を設定することです。達成に向けた計画的な行動が従業員の成長につながります。

目標は、企業全体で掲げる目標とメンバー一人ひとりの個人目標がありますが、今回の記事は、一人ひとりの目標設定にフォーカスして説明します。

適切な目標設定が生み出すメリット

目標設定には、従業員が自分自身で設定するパターンと、管理者が設定するパターンがありますが、いずれの場合もおさえるべきポイントは同じです。

適切に目標が設定されていれば、人事評価や人材育成を進めて行くうえで、さまざまなメリットが得られます。

代表的な4つのメリットについて見ていきましょう。

適切な目標設定が生み出すメリット

メリット(1)やるべきことが明確になる

目標設定は、従業員が働くうえでの行動指針として効果を発揮します。

目標があると、そこに到達するための道筋を意識して考えるようになるため、「目標を達成するために現在何が不足しているか」「足りない部分を補うために何をするべきか」といったことが見えてくるでしょう。

目標を指針とすれば、従業員が取るべき具体的な行動が明確になります。

メリット(2)モチベーションが上がる

目標設定は従業員のモチベーション向上にも効果的です。

皆さんの周りにも、目標をクリアしたときに得られる達成感をモチベーションとして、努力を積み重ねていくタイプの人がいるのではないでしょうか。

とくに、従業員が自身で目標設定した場合は、目標の達成に向けて日々の業務に取り組むことが自分事化されやすくなります。自分事化が進めば、より主体的に考えて行動するようになり、高いモチベーションを引き出す効果に期待できます。

メリット(3)スキルアップに役立つ

従業員が目標を達成するために努力していくことは、スキルアップにもつながります。

自分の能力を高めたいと考えている従業員の場合は、意識・スキルの向上につながる内容を目標として設定すると効果を発揮するでしょう。

職種に関連する知識の習得や、資格の取得を目標として設定するのも一つの手です。

メリット(4)指導がスムーズになる

目標は、人事評価を実施するうえでもメリットがあります。

まずは、目標の達成度合いを評価の対象としやすい点です。達成できたかどうかが誰の目にも明らかな目標であれば、従業員も評価結果を理解しやすく、不満も残りにくいでしょう。そのために、なるべく具体的な目標を設定するとよいでしょう。

また、目標があると、たとえ未達成に終わってしまった場合でも、管理者がどの点が及ばなかったかといったフィードバックを出しやすくなります。

よい目標設定の具体例とは?

どのような職種であっても、「成果を計測する指標」「期限」「具体的な行動」という3つの項目が盛り込まれていなければ、目標設定を効果的に活用できないでしょう。

目標設定で重要となる、3つの項目とその内容について学んでいきましょう。

よい目標設定の具体例とは?

(1)成果を計測する指標

「成果を計測する指標」は、目標への達成度合いを数値で表せる項目のことです。たとえば、営業職であれば成約の獲得件数などがわかりやすいでしょう。

営業職と比較して、達成度合いを数値化しづらいと考えられる事務職であっても、「データ入力ミスを●%減らす」といったように、できる限り具体的な数字を目標に入れておくと、従業員の具体的な行動につながりやすくなります。

(2)期限

目標を決めただけでは、従業員がなかなか行動に乗り出さない場合が考えられます。そのため、目標には達成までの「期限」の設定も重要です。

期限を設定しておけば、従業員が「何をいつまでに完了させなければならないか」を考え、具体的な計画に落とし込んで取り組めるでしょう。

また、目標達成に至らなかった場合にも、期限内の目標達成度合いがわかるようになるので、評価がしやすくなるメリットもあります。

期限は半期ごとや、年度で区切って設定する企業が多いようです。

(3)具体的な行動

せっかく目標設定をしても「目標を達成するために何をすればいいのかわからない…」と従業員が困惑してしまう場合もあるかもしれません。そのような状況を避けるためにも、「目標設定のための具体的な行動」も必ず設定したいポイントです。

「◯◯について調査を行い、資料をまとめる」、「検討会を発足させ、△△を実現する」など具体例を共有しておくと、従業員がどのような目標を立てるべきかイメージしやすくなるでしょう。

設定した行動を期限内にどれぐらい実施できたか、という点も評価の対象に含めましょう。

ほかにも、SMARTの法則を活用した、目標のつくり方もあります。組織や管理状況に適した方法を選びましょう。

SMARTの法則とは、1981年にジョージ・T・ドラン氏による論文「There's a S.M.A.R.T. way to write management's goals and objectives」にて発表された理論

  • Specific(具体性)
  • Measurable(軽量性)
  • Achievable(達成可能性)
  • Relevant(関連性)
  • Time-bound(期限の設定)

SMARTの法則について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

人材育成で重要な目標設定! SMARTの法則やバックキャスティングなど方法を解説

職種別目標設定の例

設定する目標の内容は、職種によって異なります。職種別に具体的な目標の例を紹介していきますので、目標を設定する職種に合わせて参考にしてください。

事務職

  • 【新卒、新人向け目標設定の例】

7月末までにExcelで、15種類の関数を教本などを見ずに使いこなせるようにする。

  • 【新卒、新人以外の目標設定の例】

社内での日用消耗品など備品の消費状況を正確に把握して、無駄な物品の購入を減らし、今期の消耗品費を前年度から5%削減する。

営業職

  • 【新卒、新人向け目標設定の例】

営業関連の書籍を15冊読む。1冊ごとに自分の今後の営業スタイルに取り入れたいポイントをレポートにまとめ、半年後までに上長へ提出する。

  • 【新卒、新人以外の目標設定の例】

電話営業の強化を行い、今期中に10社の新規取引先から案件を受注する。

看護師

  • 【新卒、新人向け目標設定の例】

3か月後までに、ナースコールに必ず3コール以内で応答できるようにする。

  • 【新卒、新人以外の目標設定の例】

年度内に3名以上の後輩看護師の教育を行い、独り立ちさせる。

公務員

  • 【新卒、新人向け目標設定の例】

半年後までに1件ごとの窓口対応を5分以内で完了できるようにする。

  • 【新卒、新人以外の目標設定の例】

来年4月に新規制定される条例に対する理解を深め、制度開始前後に増加が予測される問い合わせに対し、遅滞なく回答できるようにする。

保育士

  • 【新卒、新人向け目標設定の例】

園児と保護者の名前と顔を4月中に正しく記憶する。

  • 【新卒、新人以外の目標設定の例】

月に1度新人保育士との面談を行い、課題解決に向けたアドバイスを行う。

教師

  • 【新卒、新人向け目標設定の例】

動画の視聴を取り入れた生徒が楽しく学べる授業を心掛け、学ぶことの楽しさを伝えられるようにする。定期的に生徒へアンケートを実施し、生徒とともに授業の改善をする。

  • 【新卒、新人以外の目標設定の例】

生徒が学習するうえでわからない点などがあれば徹底的にサポートし、授業終了後でも相談しやすい雰囲気をつくる。その結果、校内で実施するテストにおいて、前年度よりも高い平均点数を目指す。

エンジニア

  • 【新卒、新人向け目標設定の例】

上長や先輩社員から指摘を受けた内容の再発防止を徹底し、エラーやバグの発生を半年後までに50%削減する。

  • 【新卒、新人以外の目標設定の例】

3か月に1度、プログラミングのセミナーに参加して、業界の最新トレンドの知識を身につける。また、セミナーから得た知識をエンジニアチームで共有するためのミーティングを定期開催する。

目標設定は人材マネジメントに欠かせないポイント

これまで紹介してきたとおり、目標設定には大きな工数がかかります。しかし、従業員に対して正しい評価をし、エンゲージメントを高めていくには欠かせないポイントです。

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目標設定で注意するべきポイント

上述したように、「成果を計測する指標」「期限」「具体的な行動」の3つの項目は必ず目標に設定しましょう。

さらに、以下の項目も目標設定の成果を左右するポイントなので、注意したい項目です。

会社が目指す姿、目標に沿っているか?

大前提として、人事評価制度は「企業が従業員の働きぶりなどを評価して、成長につなげていくため」の制度です。各従業員が設定する目標は、従業員が企業で働くうえでの目標であるため、企業の目指す姿や理念に合致しているかが重要となります。

目標を設定する前に、企業と従業員の間で描くビジョンに齟齬が出ないように、企業が目指す姿を正しく共有しておきましょう。

個人目標を達成した先に、チームの目標達成が見えるか?

ほとんどの従業員は部署や課、チームに所属して、ほかの従業員と協力して業務に取り組んでいることでしょう。

会社と個人の間だけでなく、チームと個人の目標も方向性が乖離しないようにしましょう。個人の目標達成がチームの目標達成に、チームの目標達成が部署や企業全体の目標達成へ結びつくように設計できれば、非常に効果的な目標設定となるでしょう。

個人にあったレベル設定ができているか?

従業員一人ひとりに適切なレベルでの目標設定も重要です。

目標のレベルが高すぎると達成が困難になるため、早々にあきらめてしまうなど、モチベーションの低下につながりかねません。また、目標達成のために過度に頑張って、疲弊してしまうことも考えられるでしょう。

一方で、レベルが低過ぎる場合は容易に達成できてしまうため、従業員の成長にまったくつながらないかもしれません。そのため、目標を設定する際は一人ひとりの能力に合わせて、過度な無理が出ず、成長にも期待できる、適度なバランスを心掛けましょう。

目標設定で注意するべきポイント

目標設定の手法・フレームワークを活用する

国際的な大企業や、急成長を遂げるベンチャー企業などでは、目標設定を効果的に行うための手法や、フレームワークを導入するケースが増えています。

以下で紹介するのは、目標設定のための確立された方法として、さまざまな企業で実践されている手法です。

OKR(Objectives and Key Results)

OKR とはObjectives and Key Resultsの略で、「目標と成果指標」を意味します。Googleなど、多くの企業が導入しているフレームワークです。

OKRは主に、社内間のコミュニケーション活性化と会社、部署、個人の能力の向上を目的として実施されます。

最初に、企業が「目標」と目標達成に向けた「成果指標」を設定。次に、企業全体での目標と成果指標を達成するための部署ごとの目標と成果指標、部署内のチームの目標と成果指標、チームに所属する個人の目標と成果指標というように、少しずつ対象を絞っていきます。

ここで設定する目標は、達成率が100%近くになる場合は、設定レベルが低いとみなされます。OKRを実践する際には、達成率が60〜70%程度になる目標が理想といわれています。

KPI(Key Performance Indicator)

KPIは日本語で「重要業績評価指標」を意味します。KPIは、目標の達成度合いを判断するための重要な評価項目として使用されます。

組織の目標を達成するために、重要となる評価項目を正しく洗い出して策定することがKPIの肝です。売り上げなどの数字はもちろん、クレーム発生件数、品切れ率など、さまざまな指標がKPIとして設定されます。

指標は部署や、従業員にあわせて策定していきましょう。1人あたり3〜5個のKPIを設定するのが一般的とされています。

OKRは達成率が60〜70%となればベストとされていますが、KPIは達成率100%が理想の数値です。

PDCAサイクルで目標設定の精度を高める

目標設定は、設定して終わりでは意味がありません。目標の進捗状況や達成の可否、未達成となった場合にはその原因は何か、というように、PDCA(Plan・Do・Check・Action)サイクルを回して精度を高めていく必要があります。

ここでは、目標の設定から改善までの一連の流れをご紹介します。

PDCAサイクルで目標設定の精度を高める

Plan:目標設定を行う

まずは目標設定から始めます。PDCAの起点となる部分ですので、十分に検討したうえで効果に期待できる目標を設定しましょう。

ここまで紹介してきた内容や注意点を参考にしながら、設定してみてください。

Do:目標にあわせて、業務を進める

目標が決まったら、達成に向けて業務を進めましょう。万事計画どおりに運ぶのは難しい場合もありますが、なるべく計画に沿って進めるのが望ましいです。

計画どおりに進捗しなかった項目は、課題や反省点を記録しておけば「Check」のステップで役立ちます。

Check:評価、フィードバックを行う

業務を計画どおりに進められたかを確認し、達成度合いにもとづいて評価します。

「達成できたorできなかった」だけではなく、今回の結果を得られた要因などをしっかりと分析し、次に活かしていきましょう。

Action_1:改善案の検討

分析によって、良かった点、悪かった点の洗い出しができたら、次回に向けて改善方法を検討しましょう。このステップで有益な改善案を出すためには、評価の行程で適切に要因の分析ができているかどうかが重要となります。

Action_2:フィードバックをもとに、目標の修正・再設定を行う

PDCAの作業を繰り返します。四半期ごとなど、一定の期間で1サイクルを回すように決めておくのがよいでしょう。進捗確認は1か月に1回など、より短期間で実施するほうがよい場合もあります。

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目標設定は人材マネジメントの第一歩

目標設定は、従業員にモチベーション向上やスキルアップを促す、効果的な人材マネジメントの手法です。

ただし、目標設定で得られるメリットを大きくするためには、適切な目標を決める必要があります。

管理者は、この記事で解説した内容を参考にして、従業員が優れた目標を立てられるようにサポートしていきましょう。

FAQ

Q. 目標設定はなぜ必要?

A.目標を設定すると、従業員のモチベーションやスキルアップを促し、会社のビジョンに見合った人材へと成長するために効果を発揮します。

Q. 目標設定のやり方は?

A.従業員本人で設定する場合と管理者が設定する場合の2パターンがあります。自分事化を促すためには、本人が設定した方が高い効果に期待できます。本人が設定した目標が、企業やチームの目標につながる内容を意識しましょう。

Q. 目標を立てるために必要な項目は?

A.目標を効果的に設定するためには「成果を計測する指標」「期限」「具体的な行動」の3つの項目を目標に含めることが重要です。

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