従業員が「働きたい」と思う環境作りの3ステップ ~飲食業における人事・労務DX事例~ セミナーレポート

2021.09.06 ライター:元田有紀

 

2021年8月6日、日本経済新聞社主催「PREMIUM CONFERENCE SERIES DXで変わる飲食店経営 ~コロナ禍を生き抜く収益拡大の仕組みづくり~」にて、SmartHRセールスグループマネージャー 大谷 優一が講演いたしました。

本稿では、従業員が「働きたい」と思う環境作りの3ステップ~飲食業における人事・労務DX事例をご紹介~ として大谷がお話しした内容をご紹介します。

SmartHRのご紹介

大谷:SmartHRの大谷と申します。セールスグループのマネージャーとして、これまで数十名から数千名のお客さまにサービスをご提供してまいりました。

今回はその中で得た多数の事例の中から、飲食業における人事・労務DX事例としていくつかご紹介します。何か会社をよりよくするためのきっかけになればと思います。

まずは弊社のサービス、人事・労務クラウドソフトのSmartHRについてご紹介させてください。おかげさまで、労務管理クラウドという分野で3年連続シェアナンバーワン、登録社数40,000社以上となりました。99%以上のお客さまが継続してご利用してくださっています。

飲食・食品メーカーにおけるSmartHRの導入企業も多く、数十名規模のお客さまから大企業のお客さままで幅広くご利用いただいています。

SmartHR導入事例集 飲食業界編を読む

SmartHR企業規模ごとの導入について

大谷:SmartHRは、データが「集まり・蓄まって・活用できる」ところに特徴があります。

飲食業界では入退社手続きやマイナンバーの回収、年末調整など、従業員から情報を集めるのに苦労することが多いですよね。SmartHRではPCやスマートフォンを利用してクラウド上で情報を収集し、データで活用できるようになっています。

たとえば入社手続きでは書類を各店舗から回収する必要があり非常に大変です。このような煩雑な手続きをSmartHR上で実施することで、人事データが簡単に「集まる」ようになります。様々な手続きを通してデータが「蓄まる」ことで、さらに「活用できる」ようになります。

具体的には社会保険の手続きなどの電子申請で人事データを活用し、オンライン上で手続きを完了できたり、従業員がログインして給与明細を閲覧できるようになります。人事・労務担当者と従業員双方が便利になるサービスですね。

これからの飲食業界

大谷:では、ここからは飲食業界についてお話ししたいと思います。昨年から新型コロナウイルスの流行により、飲食業界の皆さんの働き方は激変しているのではないでしょうか。

主要43業種の2020年の業績変動を示したデータによると、多くの業界に影響を与えたのはやはり新型コロナウイルスの流行です。良い影響があった業界もありますが、飲食店は悪影響があった業界としてワースト3に入っています。

主要43業種の2020年の業績変動を示したデータ

大谷:一方で、ポジティブなニュースも出てきています。2021年の調査では、パートやアルバイトなどの従業員が不足している業種として飲食店がトップになっています。

パートやアルバイトなどの従業員が不足している業種

大谷:ちなみに、2019年では飲食店がトップで、2020年のデータでは飲食店はトップではありませんでした。2020年はコロナの影響を受けていたが、少しずつ需要が戻ってきたといえるのではないでしょうか。

内閣府の景気ウォッチャー調査でも、「景気は、新型コロナウイルス感染症の影響による厳しさは残るものの、持ち直している。先行きについては、感染症の動向を懸念しつつも、ワクチン接種の進展等によって持ち直しが続くとみている。」とまとめられています。

令和3年6月調査結果(抜粋)景気ウォッチャー調査 – 内閣府

さらにプラスの材料として、ワクチン接種が挙げられます。2021年7月21日の段階ですが、累計接種回数7,000万回を超えており、ワクチンの2回接種が進んできたことがわかります。

国内のワクチン接種人数図

大谷:アメリカでは50%以上の人が2回接種を終えた頃から、店舗や施設に人が戻り始めているとのことです。実際、空港利用者が増え、レストランの予約状況も回復してきているというデータもあります。

現在、デルタ株の流行により「安全になってきた」とはまだまだ言えませんが、飲食店に人が戻ってくる日常を見据えて計画を立てる必要があるかもしれません。

米国における飲食業界動向

大谷:これから先、飲食店に人が戻ってくることを考えると、採用における競争の激化が進むでしょう。実際、総務省統計局の労働力調査によると、就業者数では2020年の落ち込みから徐々に回復してきていることがわかります。

総務省統計局の労働力調査

大谷:これからの状況を踏まえると、今後、雇用の需要が回復し、人手不足がさらに進むのではないかと考えています。採用の競争激化に対する対策として重要なのは、従業員が「働きたい」と思う環境づくりと、その環境を継続させる仕組みづくりです。

経営・人事ができること

大谷:では、従業員が働きたいと思う環境づくりのために、何をしたらいいのでしょうか。大事なのは「水漏れ」を防ぎ続ける取り組みなのではないかと考えます。

どんどん採用しても、次々に辞められてしまうと、教育コストも採用コストも増加します。すぐに辞められないよう、採用から受け入れ、教育までをきちんと進めるとともに、魅力的な会社をつくるのがポイントです。

しかし実際は、うまく人材確保ができず、店長や従業員に負荷が集中し、離職率が高まるというネガティブなサイクルに陥ってしまいがちです。

人手不足への対策として、「人材育成のための投資」「労働条件の改善」「職場環境の改善」「テクノロジー活用による業務プロセス改善」……というようなことがよくいわれます。ですが、なかなか簡単にできることではありませんよね。

さらに、飲食業界は多店舗展開によって入退社数も非常に多く、業務も煩雑化しがちです。店長が本業に専念できるよう、人事・労務業務のDXを後回しにすることも多いでしょう。

大谷:そのため、このネガティブサイクルを断ち切るのは大変です。人材確保のために必要な取り組みをしたくとも、人事・労務業務は想像以上に複雑で業務量が多く、やるべきことの幅も広いのです。

定型業務だけでも様々な手続きがありますし、法改正があれば就業規則や勤怠管理の見直しもしなければなりません。福利厚生制度や人事評価制度なども定期的な見直しが必要です。

大谷:店舗展開をされている会社であれば、このような入社手続きに関する作業や管理に店長も忙殺されているのではないでしょうか。afterコロナを見据えてまず取り組むべきなのは、このような紙の業務を減らして従業員に向き合う仕組みづくりのための時間を創出することです。

SmartHRを活用した飲食業界の事例

このような取り組みが必要となる中で、SmartHRで支えられることを事例とともにご紹介します。

アクトダイニング株式会社様の事例

大谷:アクトダイニング株式会社様の事例です。スペインバルなどを経営されているのですが、SmartHRを導入後、月80時間の人事・労務工数を削減し、担当者が飲食店業務に専念できるようになったとのことです。企業規模拡大により入退社手続きなどの人事・労務業務の効率化が必要になり、導入されました。

従業員が自ら情報を入力してくれるという仕組み

大谷:効率化について特にお伝えしたい機能が2つあります。1つ目は従業員が自ら情報を入力してくれるという仕組みです。手書きでの対応では、書く作業、チェックする作業、紙を回収する作業、ファイルして保管する作業が必要です。場合によっては、入力された手書きの内容を手入力でデータ化することもあるでしょう。

SmartHRでは、従業員が自ら正しい情報を入力することで、即クラウド上に保存され、管理者がすぐに閲覧できるようになります。

契約更新機能

大谷:2つ目は、有期雇用の従業員における契約更新業務です。オンライン上で雇用契約が締結できるだけでなく、契約期限を確認し、契約更新も簡単に進められます。従業員側はPCとスマートフォンで契約更新内容を確認できます。

※SmartHR導入事例:月80時間の人事労務工数を削減し、担当者が飲食店勤務に専念できるように(アクトダイニング株式会社)

ユナイテッド&コレクティブ株式会社様の事例

大谷:つぎに、ユナイテッド&コレクティブ株式会社様の事例です。主に居酒屋を経営しており、店舗の増加に対して労務業務の効率化が必要となり導入いただきました。

多言語化対応の機能

大谷:ピックアップしたいのは多言語化対応の機能で、英語、中国語、ベトナム語、韓国語に対応しています。飲食業界では外国籍の方も多く、よくご利用いただいていますね。

※SmartHR導入事例:「店舗の増加を人だけで支えるには限界がある」— SmartHRの導入でコストを大幅に抑えながら業務拡大を実現(ユナイテッド&コレクティブ株式会社様)

株式会社オールハーツ・カンパニー様の事例

大谷:つぎに、株式会社オールハーツ・カンパニー様の事例です。ANTIQUEというパン屋さんなどを展開されており、年間約400万円のコスト削減をSmartHRで実現しています。まさに「顧客に向き合う環境」を作られているお客さまです。

入退社数が多いため、まずは入退社手続きや雇用契約手続きを効率化されました。店長からも好評だったとのことです。

※SmartHR導入事例:年間約400万円のコスト削減。「顧客に向き合う環境」のために(株式会社オールハーツ・カンパニー様)

これまでの3社の事例には共通点があります。それは働きやすい環境作りのために、まずはペーパーレス化に取り組まれていることです。

人事労務のDXを進めるには、まずは紙で実施している業務をオンライン化し、従業員情報をデータ化するのが第1段階。そのデータを一元管理するのが第2段階、さらにデータを活用して組織改善等の取り組みを実施していくのが第3段階だと思います。

この第3段階のデータ活用ができることではじめて、従業員が働きたいと思う環境づくりに取り組めるのではないでしょうか。

従業員が「働きたい」と思う環境作りの3ステップ

1.労務管理の最適化(紙で実施している業務をオンライン化)

2.集めた従業員データの整備

3.蓄積した従業員データを活用する

株式会社ウェルカム様の事例

大谷:最後に、集めたデータを活用している事例をご紹介します。DEAN & DELUCAなどの店舗を展開している株式会社ウェルカム様です。入退社手続きや雇用契約のやりとりを効率化するだけでなく、SmartHRに蓄積されたデータから定着率を算出し、離職の傾向分析等にも活用の幅を広げています。

入社から定着までの一連の流れの中でデータ活用を進めるイメージ

大谷:ここでお伝えしたいのは、入社から定着までの一連の流れの中でデータ活用を進められていることです。SmartHR上で実施したあらゆる手続きによって従業員データが更新され、アルバイトの定着状況や勤続年数も確認できるようになります。

たとえば、大学生のアルバイトの方は一定のタイミングで卒業とともに退職します。同じアルバイトの方でも、卒業によって退職するのか、別の理由があるのかで離職に対する対応は大きく異なります。前もって退職を予測し、採用活動を前倒しするなど、経営における意思決定のヒントとしても活用できます。

SmartHRは労務業務の効率化だけでなく、その後の活用や分析までご利用いただけるようになっています。

※SmartHR導入事例:ペーパーレス化から定着率算出まで。バックオフィス強化の道のり(株式会社ウェルカム様)

まとめ

SmartHRが提供できる価値

大谷:最後に、本セッションのまとめとしてお話しいたします。就業者の合計は、昨年と比較して増加傾向にあります。今後、採用における競争がさらに激化すると予測されるため、働き手の確保、働きたいと思う環境、その環境を継続させる仕組みが重要になります。

それらの取り組みをいきなり実行しようと思っても、目の前の業務がある中でさらに取り組みを進めていくのは大変です。まずは人事・労務業務を効率化し、時間を確保するところから始めていただけたらと思います。

SmartHRでは業務効率化を進めるだけでなく、蓄積されたデータを活用し、働く環境改善の支援も可能です。ぜひ、これからの取組みのヒントにしていただけたら幸いです。ありがとうございました。

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元田有紀

SmartHR ガイド 編集部員。子育て・働く女性向けのWebメディアの編集・ライティング担当、HRサービスのマーケティング担当を経て、2020年SmartHRに入社。主に「導入事例」の編集に携わる。ダンスが好きな関西人。
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