ダイドードリンコが挑むコロナ禍の業務改革 セミナーレポート

2021.06.03 ライター:宅美浩太郎

2021年3月24日、「ダイドードリンコが挑むコロナ禍の業務改革」と題したオンラインセミナーを実施しました。

コロナ禍を機に、テレワークを基にした「新たな働き方」へと移行されたダイドードリンコ株式会社様をお招きし、システム導入のスケジュールや稼働までの道のりについて、具体的な実例を交えてお話しいただきました。

登壇いただいたのは、

  • ダイドードリンコ 株式会社 人事総務部 人事グループ シニアマネージャー 岡田 博 様
  • ダイドードリンコ 株式会社 人事総務部 マネージャー 真野 祐子 様
  • ダイドードリンコ 株式会社 人事総務部 人事グループ 大林 あい 様
  • 株式会社SmartHR 関西支社 セールスグループ シニアアカウントエグゼクティブ 和田 一真

の4名です。

モデレーターは、SmartHR関西支社の今西 佑太が担当。本稿では、第二部のトークセッション、「ダイドードリンコが挑むコロナ禍の業務改革 〜ペーパーレス化の実態とは?〜」の内容をご紹介します。

検討を始めたきっかけと導入決定まで

今西:本日はテーマを3つご用意しています。

1つ目が、検討を始めるきっかけと導入決定まで。2つ目が、導入後に社内に浸透させていくまでの道のり。そして3つ目が、これからの取り組みについて。本日はこれら3つのテーマをもとに進めていきます。

それではあらためて、ダイドードリンコの岡田さん、真野さん、大林さん、よろしくお願いします。

真野さん:よろしくお願いします。まずは当社の基本情報になりますが、ダイドードリンコ単体では、従業員数が750名弱になります。ホールディング化しておりまして、グループ全体では2,500名ほどです。

労務の領域で、ダイドードリンコ単体での担当者は、本日参加させていただいている3名と、もう1名、派遣社員の計4名のチームとなります。この4名で、グループ全体で企画を進めていくときの方針決定も含めて担当しております。

今西:ご紹介ありがとうございます。それでは本題のテーマに入ってまいります。

導入を始めたきっかけと導入決定まで

今西:はじめに、SmartHRを含めてシステム導入をすることになったきっかけや背景、目的を教えていただけますか?

真野さん:最初のきっかけは、社会保険手続きの電子申請義務化でした。その後、導入の動きを加速させる契機となったのが、新型コロナウイルス感染症の拡大です。

2020年4月上旬に緊急事態宣言が発出されたのを機に、基本は在宅勤務となりましたので、出社を前提とした仕事のスタイルでは業務がスムーズに回らなくなりました。加えて当社の場合、コロナウイルスの収束後も永続的に週3日までは在宅勤務を標準とした働き方を継続する方針が示されました。

そういった経営の意思表示を受け、私たち人事労務部門として何ができるのかを考えた結果、これまで紙で運用してきたさまざまな申請のオンライン化に着手すべきだと考えました。

今西:導入の検討については、どのような体制で進めましたか?

真野さん:人事関連のシステムについては、実務経験や知識がないと良し悪しが判断しづらいこともあり、私たち人事部門主導で進行しています。人事側で企画を立案後、必要に応じてシステム部門へ相談、社内決裁を経て導入の流れとなっています。

今西:いよいよ検討開始となった段階では、具体的にどのように情報収集をしましたか?

真野さん:最初はWebサイトで各社の情報を見ていきましたね。ただWeb上で得られる情報には限りがありますので、展示会に参加して担当者の方から直接お話を聞いたり、デモを確認したりもしました。また、各社が実施しているウェビナーへの参加を通じてサービス理解にも務めました。

今西:検討時に情報が多いと悩むこともあると思います。特に重視していたポイントはどこですか?

真野さん:やはり、従業員にとっての使いやすさですね。ユーザーインターフェースが優れているかどうかを重視しました。操作性がよくないと、ITリテラシーが異なる従業員がいるなかでは定着しないと思い、特に重視しました。それに加えてサポートの充実度も確認しましたね。

今西:従業員の使いやすさを重視して選ばれたとのことですが、SmartHRの印象はいかがでしたか?

真野さん:画面のつくりが非常にわかりやすいですね。案内に沿ってボタンを押していけば手続きが終わるのは、すごく考えられた仕組みだなと感じました。

今西:サポートの印象はいかがでしたか?

真野さん:複数企業のサービスでトライアルをしたなかでも、SmartHRはチャットサポートの対応が非常に早くてよかったです。回答も丁寧でわかりやすく、サービスが充実した会社という印象を受けました。

SmartHRスクール(「SmartHRスクール」では、SmartHRの使い方や仕組みが学べます)

真野さん:あとは開発スピードの速さですね。新しい機能を次々に開発されていると伺いました。私たちが検討した時点では多段階認証は実現していませんでしたが、今後開発される予定がある旨を伺い、将来的なサービスの拡充も含めて魅力的だと感じました。

今西:ありがとうございます。導入決定までの道のりでは、社内で決裁を取るという重要なフェーズがあるかと思います。決裁を取るときに、どんな点に悩まれて、どのように工夫して乗り越えましたか?

真野さん:もともと予算を取っていなかったこともあり、決して楽ではなかったのが本音です。ただ経営方針としては、在宅勤務を含む「新たな働き方」を当社の標準的な働き方にする意思決定がありましたので、その流れを踏まえるとSmartHRの導入が不可欠であると、対話を通して粘り強く訴え続けたことで承認を得られました。

今西:対話と粘り強さ、まさに重要な点ですね。関わる方々にいかに理解いただくかを大切にされたのが、ダイドードリンコさまが工夫されたポイントだったのではないかと思いました。

SmartHR導入決定までのスケジュール

今西:導入決定までのスケジュールについても教えていただけますか?

真野さん:情報収集を開始したのはまだコロナが深刻化する前で、電子申請の利用を優先的に考えていました。2020年4月以降にコロナが深刻化して、5月に経営より働き方についての意思決定がありました。そこから急ピッチで企画をまとめ、決裁を得るための会議にかける流れで進行していきました。

SmartHR導入決定までのスケジュール(検討から導入までのスケジュール)

今西:この約4ヶ月の中でかなり凝縮して進められたのですね。ありがとうございます。

それではテーマ1はこちらで終了になりますが、ここでぜひ弊社SmartHRの営業担当である和田にも話を聞いてみたいと思います。多くの企業が導入検討を進める上申で苦労しがちなポイントについて、簡単にご紹介いただけますか?

和田:ダイドードリンコさまもそうでしたが、多くの企業が上申という行為そのものに苦労されている印象がございます。

一般的な上申の流れを説明すると、次のとおりになります。

  • 第1ステップ:SmartHRよりサービスのご提案やデモをご案内
  • 第2ステップ:お客さまにトライアルをご利用いただく
  • 第3ステップ:お客さまに上申資料を作成いただき、社内提案いただく

この上申するなかでの一番大事なポイントは、トライアルを使っていただくことだと私は思っています。

というのも、世の中には類似するサービスが多くあるなかで、各サービスの機能の「マルバツ表」のようなものだけで良し悪しを判断するのは困難だからです。

機能として、たとえば「年末調整の機能を持っています、マル」となったとしても、実際にサービスに触れていただくと、使い勝手の良さや機能の詳細、たとえば細かい権限設定ができるか否かなども含めて違いがたくさんあります。

サービスによっては導入後に、「実は実現したかったことができない」というケースも往々にしてあります。そういったギャップを減らすために、ぜひ一度トライアルでサービスに触れてみてくださいとお伝えしていますね。

今西:さきほど真野さんが選定時に重視した点としておっしゃっていた、「従業員にとっての使いやすさ」は、おそらく資料を見るのと実際に触れるのとでは印象が違うでしょうし、トライアルを実施したうえでの判断であれば、担当者・決裁者ともに納得感がありますよね。

導入を進めるうえで確信が持てるかどうかは、やはりトライアルを実施するか否かで大きく変わってきそうですね。

稼働までの道のりと導入の具体的な効果

稼働までの道のりと導入の具体的な効果

今西:導入決定後には、従業員さまにSmartHRの使い方をご説明されると思います。どのように進められたのか具体的に伺えますか?

真野さん:コロナ禍により従業員を集めることが難しかったため、実は説明会等は実施しておりません。その代わり、御社にご用意いただいた「従業員向けマニュアル」を当社用に少しだけカスタマイズして従業員に配布いたしました。

今西:今、真野さんにお話しいただいた資料はスライドでも簡単にご紹介しています。SmartHRとしては従業員さまにご説明いただく上でのサポートとして、オンラインで学べるコンテンツやカスタマイズして使える資料など、最大限にサポートさせていただいており、この辺りをご活用いただいたわけですね。

準備に使えるお役立ち資料

今西:他の企業さまからよく耳にするのが、「紙のままがいい」など、システムを使うことに反対するご意見をお持ちの従業員さまがいるケースです。この点、ダイドードリンコさまはいかがでしたか?

真野さん:実際にそういった声があったのは事実です。世代によっても違いがある印象で、シニア社員以上の年齢層では紙の方が好きだという人が多く、若い社員は比較的オンラインでの申請に抵抗がないという、ある程度の差はあるのかなと思います。

ですが、会社として働き方を変えることが決まっていて、経営からも新たな基盤を作りましょうというお題が出ているわけです。

「これはやらないといけないんです。ぜひご理解いただきご協力ください」と、従来のやり方を変える意味・必要性をしっかり伝えて、反対意見をお持ちの方にもご理解いただけるように努めました

今西:先ほどの上申のときもそうでしたが、やはり人事部の皆さまから従業員の方々へ歩み寄って、目的の共有などコミュニケーションを図ることが理解を得るためのポイントなのだと感じました。

SmartHRの導入効果

今西:続いては、導入効果について伺っていきたいと思います。あらためてSmartHR導入による変化を教えてください。

真野さん:当社は、年末調整で利用を開始しています。従来の年末調整では、書類の配布量が多く管理が煩雑なうえに、個人情報も記載されているため取り扱いにも十分な注意が必要でした。

SmartHRの導入により書類の配布がなくなったことで、事務担当者の手間が大幅に削減できて良かったですね。枚数でいうと、12,000枚ほどの紙が削減できましたので、SDGsの観点でも意味があったと思っています。

ダイドードリンコ様におけるSmartHR導入の効果(SmartHR導入後の効果)

今西:嬉しい効果ですね。実際には、お話しいただいた内容やスライドの内容以外にも効果が出ていたのかなとも思っています。当初想定していなかった副次的な効果があれば、ぜひ教えてください。

真野さん:紙で運用していたころには、いま思えばムダだと思う動きも見受けられました。たとえば、同じ重みの承認印を何人もの人が押している状況がありましたね。SmartHRのワークフローに切り替えることで、承認者を1人に絞り業務をよりシンプルに、ムダな工程を省けました。

今までは当たり前のようにやっていたことも、本当は必要ではなかった工程を省けたのは副次的な効果だったのではないかと思います。

今西:実際に導入してみると、当初は想定していなかった部分にも思わぬ効果が波及してくることはあるのかも知れませんね。そんな効果を踏まえ、やはり気になるのは従業員さまからの反響です。どんなお声が上がりましたか?

大林さん:これまでの紙の年末調整では用語が難しく、わかりづらいという声をもらっていました。それをSmartHRに切り替えたことで、「アンケート方式で『はい・いいえ』の2択で答えていくだけで、気づいていたら提出が完了していた」「すごくスムーズに進められた」という前向きな意見を数多くもらいましたね。

今西:ありがとうございます。従業員さまに喜んでいただけると私たちも当然嬉しいですが、人事労務の皆さまにとっても非常に嬉しい出来事だったのではないでしょうか。

これからの取り組み

これからの取り組み

今西:ここからは、今まさに取り組まれていることについて。現状でお悩みになっている課題があれば、お聞かせください。

真野さん:当社の場合、年末調整からSmartHRの利用を開始したのですが、それ以外の手続きについてはまだ紙が残っている状況です。

入社者の情報については2021年3月よりSmartHRで管理していますが、既存社員の身上変更については紙申請のままです。これを一刻も早くSmartHRで一元管理できるよう、今はその業務設計をしている段階ですね。

今西:まずは導入の第1段階として年末調整に着手し、引き続きその先で実現したい理想の状態に向けて取り組まれているわけですね。それでは直近の課題を伺ったところで最後にもう1つ、より中長期的な目線での展望もお聞かせください。

岡田さん:やりたいことは山ほどあります。そのなかでも優先順位をつけるとしたら、2つ挙げられると思っています。

1つ目は、先ほど真野からも説明があったように、当社は2020年よりテレワークを主体とした「新たな働き方」を導入しております。この状況をしっかりとモニタリングしながら従業員の声を拾い、よりよいものにしていきたいと考えています。

2つ目は、健康経営の推進ですね。コロナ禍で働き方が変化するなかで、この状況下特有の課題も見えてきています。従業員の健康維持・増進を図る取り組みをより強化していきたいと思っています。

いずれにせよ私たちとしては、従業員の声をしっかり拾って、恐れずにより良いものに変化させなければ成功しないと考えています。従業員と一体となって会社の成長に繋げていきたいですね。

今西:素晴らしいですね。SmartHRの導入をきっかけに業務の効率化に留まらず、「新たな働き方」の定着と従業員の方々の健康維持施策へと、まさに従業員に向き合った企業としての姿勢が強く感じられたお話だったのではないでしょうか。

それではお時間となりましたので、トークセッションをこちらで終了とさせていただきます。岡田さん、真野さん、大林さん、本日はご登壇ありがとうございました!

【ダイドードリンコ株式会社様の導入事例インタビューはこちら】

「全国の拠点で喜んでもらえるシステム」グループ7社一斉導入の道のり

宅美浩太郎

株式会社SmartHR マーケティング。SE、ウェブ担当者を経験した後、ウェブ編集者に。複数のメディアで編集長を務めた後、現職へ。
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