2020年は税制改正で「年末調整書類」が大きく変わる! 改正内容と新書類を解説します。

2019.07.16 ライター: 副島 智子

こんにちは! SmartHR の副島(そえじま)です。

先日、国税庁のWebサイトで令和2年の年末調整関連書類の予定が発表されました。多くの申告者(従業員)には影響がないのに、書類だけが難しくなっていくというなかなか厳しい内容となっております。

今回の改正と新書類「令和2年分 給与所得者の基礎控除申告書 兼 給与所得者の配偶者控除等申告書 兼 所得金額調整控除申告書」を解説します!

まずは今回の税制改正をざっくりと

次のようになります。ざっくりと解説していますので詳細が知りたい方は国税庁発表のこちらの資料をご覧ください。

基礎控除

※1 所得2,400万円を給与収入額にすると2,595万円になります。

ピンと来ない方は、税扶養できる家族の所得要件が次のように変わることでもあると知ると、イメージしやすいかと思います。
※給与収入の場合の要件は変わらないので注意が必要です。

給与所得控除

ややこしい計算式となるため、本当にざっくり説明すると、次のようになります。

よくわからないですよね……。

基礎控除、給与所得控除の改正をまとめると、次のようになります。

今回の税改正はこのような内容で、実は給与収入850万円以下の方にとってはほとんど影響がないのですが、令和2年(2020年)からの年末調整の書類はこのような書類が登場します。

給与所得者の基礎控除申告書 兼 給与所得者の配偶者控除等申告書 兼 所得金額調整控除申告書
出典:国税庁 ※画像クリックで拡大

一目見ただけで「?!??!!?!??!?」となるこの書類、解説しましょう。

3つの書類を兼ねる2020年様式を解説!

新しい書類「令和2年分 給与所得者の基礎控除申告書 兼 給与所得者の配偶者控除等申告書 兼 所得金額調整控除申告書」は3つの「兼」となっており、3つの申告を1つの書類で行う仕様となっています。

(1)給与所得者の基礎控除申告書

※画像クリックで拡大

改正となる基礎控除は収入要件が加わったため、その収入額や所得額を申告する欄となっています。

また、後述する配偶者控除申告書も本人の収入要件が関連するため、「所得900万円以下」といった配偶者控除申告用の選択肢が表示されています。

(2)給与所得者の配偶者控除等申告書

※画像クリックで拡大

こちらは2018年に追加となった「配偶者控除申告書」の欄となっています。本人の収入要件、配偶者の収入要件によって、配偶者控除(または配偶者特別控除)を決定する欄となっています。

(3)所得金額調整控除申告書

※画像クリックで拡大

今回の改正で、給与収入850万円を超える方は増税となります。その方たちへの救済措置のようなものとして、「所得金額を調整します」ということを行ってくれるとのことです。

しかし、給与収入850万円を超える方すべてが対象というわけではなく、次の条件のいずれかに合う方のみが対象となります。

  • ご本人が特別障害者である
  • 配偶者含む扶養する家族の所得が48万円以下(給与収入の場合103万円以下)で特別障害者である
  • 扶養する親族(配偶者除く)が23歳未満

つまり、この書類の記入は次のようになります。

※2 配偶者控除または配偶者特別控除の対象として表現しています

なんと6パターンもあるんですね……!

 

これ、従業員に説明できますか?

ここで困るのが、「従業員に説明できるのか?」というところ。上記のような6パターンの説明は難しいですし、説明を受けたところで理解できる人は多くはないのではないかと思われます。

しかし、この書類が提出されないと、配偶者控除(特別控除)の有無は人事労務担当者ではわからず、給与計算を開始できません。

書き方に迷った従業員の書類提出が遅れてしまうといったことも予想されます。

もう手書きは無理! 年末調整書類はクラウドソフトでの自動作成がオススメ

書類だけを見て、理解して手書きで書くといったことはほぼ不可能な状況になりつつあります。そんな中、SmartHRをはじめとした、年末調整機能を開発するクラウド人事労務ソフトが普及しています。

これらを活用することで、従業員にもカンタンに正しい申告書の提出をしてもらうことができますし、人事労務担当者さまも、書類配布や回収、記入不備や間違いに悩んでいた時間を大幅に効率化できます。

2020年には書類が上記のように大幅に変わります。今のうちからクラウド人事労務ソフトを導入しておくことをおすすめします。

(了)

 

【編集部より】年末調整を効率化するには・・・?

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副島 智子

20人未満のIT系ベンチャーや数千人規模の製薬会社、外食企業など、さまざまな規模・業種の会社で15年以上の人事労務の経験を持つ。2016年にSmartHRにジョイン。従業員、労務担当者、経営者の3つの視点を持ち、SmartHRのペーパーレス年末調整機能の企画、電子証明書取得方法の解説など、メンドウで難しいものをわかりやすくカンタンにしてユーザーに届けることを得意とする。2019年7月「SmartHR 人事労務 研究所」を設立し所長に就任。同研究所の採用情報はこちら
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