「法定休日と法定外休日」、「振替休日と代休」はどう違う? 割増賃金の違いを解説

2018.08.13 ライター: SmartHR Mag. 編集部

「法定休日」と「法定外休日」。「振替休日」と「代休」。

どちらも言葉は似ていますが違う意味のものであり、それぞれ割増賃金の計算方法が異なります。

今回はそれぞれの違いについて解説していきます。

「法定休日」と「法定外休日」の定義の違い

まず、「法定休日」と「法定外休日」の違いです。

法定休日は労働基準法で定められた「週1回または4週に4回」の休日のことを指します。

一方、法定外休日は労働基準法で定められた「1週40時間の労働時間」の規定により設けられる、「法定休日以外の休日」を指しています。

例えば、1日8時間勤務の場合は週に5日の勤務で40時間に達します。残りの2日は休日となりますが、そのうち1日が「法定休日」となり、あとの1日が「法定外休日」となります。

「法定休日」と「法定外休日」の割増賃金の違い

法定休日に働かせた場合、労働基準法で「35%以上の割増率」での計算が定められています。法定休日における時間外労働については、割増率35%のままで時間外手当を加える必要はありません。

一方、法定外休日に働かせた場合、週の労働時間が40時間内におさまっていれば、法定外休日における出勤に対する割増賃金は発生しません。ただし、週の労働時間が40時間を超える場合は時間外労働として「25%以上の割増賃金」を支払う必要があります。

休日労働が「法定休日」か「法定外休日」かによって、支払う賃金に大きな差が出てくるため、あらかじめ就業規則の中で区別しておくのが望ましいと言えます。

なお、深夜労働の場合は、いずれの場合も25%の深夜手当を別途支払う必要があります。

「代休」と「振替休日」の割増賃金の違い

最後に「代休」と「振替休日」の割増賃金の違いです。

代休は1度休日労働をした後で、代わりの休みを取ることになります。休日労働している事実に変わりはないため、法定休日における勤務であれば35%の割増賃金を支払わなければなりません。

振替休日の場合、同じ週に代わりの休日を指定することで割増賃金は発生しません。しかし、振替休日が週をまたいだ際に勤務した週の労働時間が40時間を超えると、25%の割増賃金を支払う必要があります。

あらかじめ休日労働が予想される場合には、従業員に対し振替休日を提案し、事前に手続きをしておくことが望ましいと言えます。

なお、深夜労働の場合は、いずれの場合も25%の深夜手当を別途支払う必要があります。

【参照】
しっかりマスター 労働基準法 割増賃金編 – 厚生労働省 東京労働局労働基準部

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