「サステナブルな組織」を目指して。ユーグレナが挑む人事業務の効率化

2020.09.29 ライター: 大久保志朗

昨今、SDGsをはじめとした、持続可能な社会をつくるための視点が企業に求められています。その実現には、サステナブルな組織の存在が欠かせません。

今回は、微細藻類ユーグレナ(和名:ミドリムシ)を用いたヘルスケア事業やバイオ燃料事業を展開する、株式会社ユーグレナの管理部人事課 課長 永井 慎也さん、岸本 真さん、服部 和正さんに取材を実施。

「サステナビリティ・ファースト」をフィロソフィーとして掲げる同社では、どのようにして、企業の成長を支える「サステナブルな組織」を築こうとしているのかを伺いました。

左上 服部さん、左下 永井さん、右下 岸本さん、右上 SmartHR 大久保。手に持っているのは、59種類の栄養素を効率よく摂取できる「からだにユーグレナ」。

事業成長を支える人事も「サステナビリティ」の視点を持つ

ーー はじめに、ユーグレナの事業について教えていただいてもよろしいでしょうか。

永井さん:弊社は、生産効率が高く、栄養豊富な「微細藻類ユーグレナ(和名:ミドリムシ)」を使用した健康食品や化粧品の販売、バイオ燃料の研究等を行っているバイオテクノロジー企業です。

もともと、代表の出雲が、学生時代にバングラデシュを訪れた際に目の当たりにした栄養失調問題を解決するために創業しました。そういった背景もあり、利益追求ではなく、ビジネスを通じた社会課題の解決を主眼においているのが特徴です。

ーー 間接部門である人事組織においても、そういった社会的側面を意識して取り組まれているのでしょうか。

永井さん:そうですね。実は2020年の8月に企業理念を刷新し新たなフィロソフィー「サステナビリティ・ファースト」を掲げるようになりました。これは、ユーグレナグループの仲間全員が“自分たちの幸せが誰かの幸せと共存し続ける方法”を常に考え、行動している状態を目指していこうという意味が込められています。

事業サイドを支える人事でも、これからより一層「サステナブルな組織」を目指していきたいと考えています。

ユーグレナの新コーポレートフィロソフィー / 新コーポレートロゴ

岸本さん:弊社は2020年の夏で創業15年を迎えたのですが、SDGsなどが着目される前からサステナビリティを実現するための事業を展開してきました。今回のフィロソフィー変更に伴い、改めて「サステナビリティ・ファースト」を自分ごと化するため、「マイ・サステナビリティ」の図を作成し共有し合ったりなど、ワークショップを重ねているのが今のフェーズです。

課内でも、「サステナビリティ×人事」のありたい姿についてディスカッションを進めています。

アウトソーシングとHRテクノロジー活用で人事業務を効率化

ーー 人事課では、具体的にはどのような方法でサステナブルな組織づくりを実現させようとしているのですか?

岸本さん:具体策はまだ考えている途中ではありますが、サステナブルな状態って、誰かにしわ寄せがいくことなく、健全に組織として仕事が回る状態だと考えています。会社全体でそういった組織をつくるためにも、人事課としてミスなく給与計算や勤怠管理を遂行することが欠かせません。

そこでまずは、手続き系の業務を効率化。その上で、労務管理によって蓄積した人事データを用いた人件費分析やメンタルヘルス対策、新しい人事制度の検討などに注力していきたいと考えています。

服部さん:事業成長に伴って、いかに人事の定常業務を効率化させて、非定常業務に注力するかが重要です。そこでユーグレナでは、専門業者への労務関連業務のアウトソーシングや、クラウド人事労務ソフトのSmartHRのほか汎用のクラウド型勤怠管理ソフト、クラウド型給与計算ソフトなどのHRテクノロジー活用を進めています。

もちろん、なんでもかんでもアウトソーシングすればいいというわけではありませんが、自社で力を入れるべきなのは「判断」や「企画」、「事実確認」「制度運用」などの業務なのではないかなと。

ーー 人事業務のアウトソーシングを進める上で気をつけているポイントはありますか?

岸本さん:いきなりアウトソーシングするのではなく、まずは社内でまわせる力を持つことが大事だと思っています。アウトソースして結果がきても、まず社内に知見がストックされていないとオペレーションは機能しません。

現在、合計4名でユーグレナ本社+グループ会社2社の労務オペレーションを回しているのですが、労働保険や算定基礎、給与管理などの手続きも、社内で知見が蓄積した後にプロの方にお願いすることで、より確実な労務オペレーションが回せる思っています。

服部さん:まず、自分たちでやってみて、業務を回せるようになった後に、業務内容を洗い出して可視化し、その中でもアウトソーシングする業務とそうでない業務を決める必要があると考えます。

業務をアウトソーシングして、回るようになってきたら、空いた時間で非定常業務に取り組み、「型」ができてきたらアウトソーシングして、また新たな業務に取り組む。そんな持続可能なサイクルを生んでいけたら理想ですね。

テレワーク環境下でも「らしさ」がコミュニケーションを加速させる

ーー これからユーグレナ人事課として目指していきたい姿はありますか?

永井さん:「ユーグレナらしさ」を追求する仕事をどんどんやっていきたいですね。今回、企業理念の刷新と同時に、ユーグリズムという行動指針も刷新しました。その一つに「まず一歩」という行動指針がありますが、日々進化、日々挑戦というスタンスが、ユーグレナらしさにはあると思っています。

ユーグレナの新行動指針

たとえば、新型コロナウイルス感染症の影響を受けてテレワークに移行したのですが、この変化を好機と捉え、ピンチをチャンスに変えていくため、気持ちが暗くなりがちな状況下でも従業員発で「社内ラジオ」が始まったり、オンラインの利点を活かして全国のグループ会社や拠点をつないだ朝礼を実施したりと、今だからこそできるポジティブなコミュニケーションが生まれています。こういった取り組みにはユーグレナらしさが表れていますね。

ーー 拠点をまたいだオンライン朝礼は新しいですね! 社内ラジオはどんな内容を話しているますか?

永井さん:仕事に関連した内容もあれば、全く関係ないプライベートな話をすることもあります。今日の放送は、広報担当が「精肉とホルモンの違い」についてひたすら語る内容でした(笑)。

こういったアイデアが生まれることでテレワーク環境下でもコミュニケーションが生まれやすくなり、結果的に最新の従業員サーベイは、テレワーク導入前よりも高い評価となりました。また、役員によるマインドセット研修なども実施することで、ビジョンの浸透にも継続的に力を入れています。

これからも、ユーグレナらしい取り組みが生まれるようにするためにも、人事として組織の土台づくりに挑んでいけたらと思います。

ーー 永井さん、岸本さん、服部さん、ありがとうございました!

【編集後記】ユーグレナの管理部人事課はここがスゴい!

顕微鏡などバイオテクノロジー企業らしいグッズの置かれたユーグレナオフィス

取材を終えて、ユーグレナ 管理部人事課の「スゴい!」と思ったポイントをまとめてみます。

  • いきなりアウトソーシングするのではなく、まずは自社で遂行してから精査している
  • その上で、自社リソースで注力するべき業務を見定め、仕組み化を進めている
  • テレワーク環境下でも、ポジティブに新しい取り組みが立ち上がり、結果として従業員サーベイの数値も向上している
  • 役員によるマインドセット研修などのビジョン浸透のための取り組みや、各事業部ごとへの行動の落とし込みを進めている

「サステナビリティ・ファースト」というビジョンから逆算して、注力すべきことを定め、仕組み化と効率化を進める。それによって空いた時間で、従業員が安心して働ける環境の整備や、制度の運用ができるようになる。そういった取り組みがあることで、従業員がイキイキと働けるようになり、結果的に「社内ラジオ」のようなユニークなイベントが生まれて、さらに従業員のエンゲージメントが高まる。

好循環を生み出していく、ユーグレナ管理部人事課のこれからがとても楽しみです。

関連記事:入社・社会保険手続きで業務量の1/3を削減。グループ企業への展開を見据えて、人事データベースの礎を築く

 

大久保志朗

SmartHR Mag. 編集長。リラクゼーションサロン運営会社、デジタルマーケティング支援会社、フリーランスの編集者・ライターを経て2019年SmartHRにジョイン。カレーとインターネットをこよなく愛する。
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