1. 人事・労務
  2. トラブル

年末調整の「時間がない」「ミスが頻発する」「問い合わせが多い」を根本から解決するために

公開日
目次

10月に入ると、多くの人事・総務担当者がゆううつな気持ちになります。「また今年もこの時期がやってきた...」そんな心境になるのは、年末調整業務が始まるからです。

限られた期間に集中する膨大な業務量への不安、そして「間違えられない」というプレッシャー。毎年同じことの繰り返しなのに、なぜかスムーズに進まないこの年末調整業務。今年こそは効率的に進めたいと思っているものの、結局は例年どおりバタバタと慌ただしく過ぎていく。

そんな年末調整業務における「時間がない」「ミスが頻発する」「問い合わせが多い」といった課題に、根本からアプローチする方法を紹介します。

「年末調整」とは

年末調整とは、源泉徴収された税額の年間の合計額と、年税額を一致させる精算の手続きを指します。具体的には、大きく以下の3段階に分かれています。

  • 申告書の収集
  • 年末調整・給与の計算
  • 各種書類の作成・提出
年末調整の流れ

標準的なスケジュールを見ると、10月から翌年1月まで、担当者にとってまさに「怒涛の約4か月間」が続きます。10月から11月にかけては申告書収集がメインとなり、従業員への周知から個別フォロー、申告書の内容確認まで多岐にわたる業務が発生します。12月上旬には計算・明細等作成、12月中旬以降は各種書類の作成・提出と、限られた期間内に多くの業務が集中するタイトなスケジュールで実施されるのが年末調整の特徴です。

担当者だけでなく、従業員も決められた期限内に「扶養控除等申告書」のほか、「基礎控除申告書」「配偶者控除等申告書」などさまざまな書類を提出しなければなりません。このように年末調整は、担当者と従業員双方にとって負担の大きい業務です。

年末調整が担当者にとって大変な理由

年末調整業務が大変なのはその業務量はもちろんですが、以下のような理由も考えられます。

紙ベースでの年末調整の課題

紙ベースの年末調整に関する、担当者のホンネ例

年末調整は以下の図のように対象者の選定から始まり、年末調整の帳票を印刷して従業員に配布し、提出状況をチェックしながら原本を回収したのち、その内容チェックと並行して未対応の従業員には提出を催促し、提出内容をデータ化して給与システムに取り込むなどの作業が発生します。

紙ベースの年末調整の流れ

紙ベースの年末調整は、申告書の配布から回収まですべてが手作業で行なわれます。在宅勤務など働き方が多様化する現在、郵送対応や原本回収に手間がかかるのは想像に難くありません。

前述したとおり年末調整にはさまざまな書類があり、申告書によって記載すべき内容や条件が異なります。さらに、専門的な税務用語も多いため、従業員が記入する時点でのミスも多く、確認や出し戻しなど担当者の負担がさらに増加します。

とくに困るのが「どこに何を書けばいいのかわからない」と従業員が混乱してしまうケースです。それにともない提出忘れや問い合わせが発生し、結果的に担当者の業務効率を著しく低下させてしまいます。

コミュニケーションの課題

年末調整のコミュニケーションに関する、担当者のホンネ例

年末調整の本番シーズンに先駆けた従業員へのお知らせや、処理後の連絡などは対象の従業員に漏れなく行なわねばなりません。また、未提出や記入ミスがあった従業員への個別連絡も、担当者にとっては大きな負担です。締切日が近づくにつれ催促や問い合わせ対応に追われてしまい、ほかの業務に割く時間がどんどんと削られます


<年末調整で発生するさまざまな連絡>
・年末調整の対応を従業員に知らせるための全体周知
・締切を過ぎている書類の提出を催促するための個別連絡
・提出された書類や記入内容に誤りがあったときの個別連絡など


とくに気をつかうのが、会社の業務端末やメールアドレスをもたないパート・アルバイトへの情報伝達です。会社の業務端末やメールアドレスを持たないアルバイトやパートタイマーの方は、掲示物や現場責任者からの説明のみが頼りで、年末調整に関する情報が確実に行き届かないケースも多発します。

従業員とのコミュニケーションは、円滑な年末調整業務の鍵となります。

年末調整のシステム間連携の課題

年末調整のシステム間連携に関する、担当者のホンネ例

年末調整システムを利用する場合は、計算作業や書類作成のために複数システム間でデータを連携するケースが見受けられます。


<連携するシステムとその内容例(※1)
・人事・労務管理システム
 →従業員マスター(氏名、住所、扶養家族情報など)
・給与計算システム
 →給与・賞与の支給額データや、年末調整の結果の反映など
・会計システム
 →仕訳データや、源泉所得税の納付額など

※1  利用する年末調整システムにより、連携するシステムやその内容も異なります

年末調整のシステム間連携のイメージ例

その際、従業員マスターの項目名が微妙に異なりデータを取り込めない、CSVファイルの形式を調整するといった、連携にかかる技術的な課題が頻発します。それらが発生すると、原因特定から修正まで相当な時間を要します。場合によっては一からやり直しという事態にもなりかねず、年末調整全体の効率が大幅に低下してしまうでしょう。

【やってみよう!】年末調整の課題蓄積度チェック

先ほど紹介した担当者のホンネ例のうち、あなたが「経験ある!」と感じたものにチェックを入れてみてください。

年末調整の課題蓄積度チェック

▢「電話対応の合間に書類チェック、合間に催促メール…いつ本来の業務をすればいいの?」
▢「リマインドしたのに、提出してくれない!」
▢「扶養の範囲内って何回も説明したのに」
▢「リマインドメールした××部の◯◯さんから音沙汰がないんだけど」
▢「お知らせ、ちゃんと見てくれてるのかな」
▢「同じ質問に、100回答えた気がする…」
▢「従業員マスターの項目名が微妙に違ってて、うまくシステムに取り込めない!」
▢「年末調整結果のシステム間転記、手作業で永遠に終わらない」
▢「システム化の意味とは…」
「今年こそ、年末調整をスムーズに実施したい!」

診断結果
0個の方:全く問題なし
1〜2個の方:まだ大丈夫ですが、予防策として記事の続きをどうぞ
3〜5個の方:改善の余地あり、記事の続きをお読みください
6個以上の方:要改善!こちらの資料を無料ダウンロードください

解決のカギは「ペーパーレス」と「コミュニケーション」

年末調整にまつわるさまざまな課題を解決するにあたって、以下のポイントを押さえてみてください。

ペーパーレス化による効率化

年末調整業務の効率化において、「ペーパーレス化」は最も効果的なアプローチの一つです。誰でも直感的に使える画面設計や、アンケートを回答し進めるうちに申告が完了するような年末調整システムならば、紙ベースの年末調整にありがちな記入ミスや担当者への問い合わせ数の減少も見込めるでしょう。

また、従来の紙ベースでは把握が困難だった提出状況をリアルタイムで把握でき、アンケートを提出してもらった後すぐに担当者が内容をチェックできるのも効率的です。

ペーパーレス化にご興味がある方は、ぜひSmartHRの「年末調整」機能をチェックください。SmartHRならばオンラインで完結するペーパーレス年末調整を実現し、担当者の工数削減に貢献します。

コミュニケーションの効率化

年末調整では、全体周知、個別連絡、問い合わせ対応など従業員とのコミュニケーションを効率化しましょう。

会社の業務端末やメールアドレスを持たない従業員には、自身のスマートフォンでSmartHRの諸機能を利用できる「スマホアプリ」がオススメです。従業員の利便性向上はもちろん、プッシュ通知で対応依頼の見逃しを防げるため、担当者にとってもスムーズな年末調整の進行に貢献できます。

また、年末調整が始まる前の全社アナウンス、システムの操作方法や記入に関する注意事項などは、SmartHRの「お知らせ機能」を活用することで、アルバイトを含むすべての従業員に漏れなく情報を届けられます。全体連絡ではなく、個別連絡は「メッセージ」機能の利用も検討ください。たとえば、書類の不備がある従業員とテキストや画像を使って双方向にやりとりでき、認識のズレを起こさないよう、スムーズかつ確実に業務を進められます。

また、年末調整にありがちな「同じ内容の問い合わせが、何度も入る」ときは、「AIアシスタント」が便利です。年末調整に関連するマニュアルなどのドキュメントをアップロードするだけでAIが学習し、問い合わせ対応ができるようになります。事前に大量の質問や回答のパターンを準備せずに、いつでも従業員の質問にAIが回答してくれる仕組みをつくれます。

データ連携の効率化

そのほか、SmartHR上の労務情報や年末調整機能で収集したデータをもとに、データ入力レスで給与計算ができる「給与計算」機能、そして「給与計算」機能(※2)からそのまま源泉徴収票や給与明細の作成し配付できる「給与明細」機能や「源泉徴収票機能」を使えば、年末調整から給与計算まで一気通貫に実施でき、さらなる効率化につながります。

※2 「給与計算」は、ご契約内容によりご利用いただけない場合がございます。あらかじめご了承ください。

年末調整の課題は、SmartHRでまとめて解決!

年末調整の「時間がない」「ミスが頻発する」「問い合わせが多い」などの課題を解決するには、ペーパーレス化、コミュニケーションの効率化を図れるSmartHRの利用をご検討ください。

SmartHRでは年末調整機能を中心に、お知らせ機能、メッセージ、AIアシスタント、給与計算、スマホアプリなどの機能を組み合わせた総合的なアプローチが可能です。これにより、担当者の工数削減が実現するだけでなく、従業員の利便性向上と年末調整業務の品質向上にもつながります。

「また今年もこの時期がやってきた...」と感じる担当者のみなさま、SmartHRで年末調整の業務プロセスを見直してみませんか?「効率的でストレスのなるべく少ない年末調整」にご興味のある方は、以下の資料をご覧ください。

お役立ち資料

担当者も従業員もわかりやすくて、使いやすい SmartHRのペーパーレス年末調整

お役立ち資料

2025年年末調整に関わる税制改正まとめ

人気の記事