パート・バイトの時給「10分未満切り捨て」は労基法違反。ただし例外アリ
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こんにちは、特定社会保険労務士の小高 東です。
アルバイトの時給計算について「10分未満切り捨て」などのケースを耳にすることがあります。
これは実際、法律上どのように取り扱われるのかについて、解説します。
アルバイト時給の「10分未満切り捨て」は労働基準法違反
Q.アルバイトの勤務時間計算について「10分未満切り捨て」などの話を聞くことがあります。アルバイトの時給計算は、「1分単位」で計算すべきなのでしょうか? それとも「10分」「15分」などの単位で切り捨て計算することは可能なのでしょうか?
A.「賃金全額払いの原則」(労働基準法24条)により、1分単位で計算すべきといえます。従って10分・15分単位で切り捨てることは、労働基準法違反ということになります。
例外として認められる時給計算の端数処理
ただし、次のような端数処理のケースは、例外として認められています。
(1)遅刻・早退・欠勤等の時間の端数処理
5分の遅刻を30分の遅刻として賃金カットをするというような処理は、25分についてのカットについて「賃金全額払いの原則」に反し違法となりますが、このような取り扱いを減給の制裁として就業規則に定め、労働基準法91条の制限内で行うことは認められています。
(2)割増賃金計算における端数処理
- 1ヶ月における時間外労働、休日労働及び深夜業の時間数合計に1時間未満の端数がある場合、30分未満の端数を切り捨て、それ以上を1時間に切り上げること。
- 1時間当たりの賃金額及び割増賃金額に円未満の端数が生じた場合、50銭未満の端数を切り捨て、それ以上を1円に切り上げること。
- 1ヶ月における時間外労働、休日労働、深夜業の割増賃金の総額に1円未満の端数が生じた場合、50銭未満の端数を切り捨て、それ以上を1円に切り上げること。
(3)1ヶ月の賃金支払額における端数処理
- 1ヶ月の賃金支払い額に100円未満の端数が生じた場合、50円未満の端数を切り捨て、それ以上を100円に切り上げて支払うこと。
- 1ヶ月の賃金支払額に生じた1,000未満の端数を翌月の賃金支払日に繰り越して支払うこと。
おわりに
「1分単位」と聞くと、非現実的に感じるかもしれませんが、必ずしも、タイムカード=労働時間というわけではありません。
一方で、会社には労働時間を把握する義務があります。
アルバイトの労働時間や残業時間の管理を怠ったたり、放棄した場合には、タイムカード=労働時間ということになってしまいますので注意が必要です。
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