「ア〜! 休みづら〜い!」6割が有給取得に罪悪感・・・会社の雰囲気は変えられる?
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毎日のように「働き方改革」と耳にしますが、同様に「休み方改革」についても言及されつつあります。
しかし、満足に有給取得もできない状態で「休み方改革」と言われたって……、と悩む方も多いことでしょう。
今回は「有給取得と罪悪感」について考え、何かアクションを起こすことはできるのかを模索してみたいと思います。
有給取得に「罪悪感」ある人が約6割
そんななか、BIGLOBEの調査によりますと、労働者の約3人に1人(33.6%)が「職場に休める雰囲気がないため、有給休暇を取りづらい」と感じているそうです(*1)。
この数字を見てどう感じますか? 複数回答とはいえ「あれ? 思ったより少ないな」というのが私個人の感想です。
現在の日本の状況だと、「雰囲気的に有給を取りづらい」と考えている労働者の割合は実際にはもっと多いのではないでしょうか。そこで別の調査結果も調べてみました。
「世界26ヶ国 有給休暇・国際比較調査2016」(世界最大級の総合旅行サイト・エクスペディア調べ)によれば、有給休暇の取得に対して「罪悪感を感じている人」の割合は日本では59%と過半数を占めます(*2)。これは他国と比較しても非常に高い数字です。
やはり実際のところ、多くの日本人労働者が「有給休暇が取りづらい」と感じていると考えられそうです。
また、同調査によると、「日本人が休みを取らない」理由としては、1位「人手不足」、2位「職場の同僚が休んでいない」が挙げられています。
つまり「自分が休むことで、そのしわ寄せが同僚にいってしまう」「上司や同僚が有給を取らないから取りづらい空気感」というネガティブイメージを抱いているのかもしれません。
中には「取得しづらい空気」を良しとする会社も・・・
いくら「有給は労働者の権利」であっても、和を重んじる日本人としては、どうしても会社の雰囲気に合わせたり、周囲に気を遣ってしまいますよね。
このような日本の状況下で、有給取得率をあげるには、企業が率先して業務フローを見直し、休暇を取得しやすい仕組みづくりを導入しするのが一番です。
しかし残念なことに、中小企業などでは「できるだけ従業員に有給を使わせたくない」という経営者の考えから、あえて「有給を取得しづらい空気」を良しとしている会社も存在します(というか、そういった会社のほうが、まだまだ多いかもしれません……)。
有給取得しづらい会社でアクションを起こすことはできるのか?
では、そういった「有給を取得しづらい空気」の会社において、従業員から何らかのアクションを起こすことは可能なのでしょうか?
中小企業経営者が有給取得を嫌がる際の1番の理由は、少人数で業務を回しているため、1人が休むと業務に支障が出る場合があるからでしょう。
ですので、従業員同士で話し合い、例えば9月はAさんが有給を取得して、10月はBさんが有給を取得する、といった具合にローテーションで有給を取得するシフトを組み、業務に支障が出ないように、余裕をもった有給計画を従業員同士でたてるというのも手です。
そういった形で、徐々に有給を取得しづらい空気を無くしていき、最終的には気兼ねなく自由に有給が取得できる雰囲気にもっていければ理想的ですね。
あと、理解のある上司や経営者であれば、有給取得率をあげることが、業務改善に繋がることや、離職率の低下に繋がることなども踏まえ論理的にプレゼンするのも有効です。その他、就業規則・労使協定の締結をもって計画的付与制度(*3)を実施する会社などもあるので、実際の制度や他社の事例も参考にし、伝えてみると良いでしょう。
それでもダメな場合は、強引に休むしかないわけですが、これは今の環境の上では、アイアンハートの持ち主でないとなかなか難しいですよね。
どうしても面と向かっては言いづらい、そんな時は、是非当記事を自然な流れでシェアいただき、自然な流れで皆様の会社の経営者の目に止まるとイイなと思います。。笑
今回は「有給取得と罪悪感」について考えてみましたが、やはり、従業員が有給を取得することは「企業にとってマイナスではなく、むしろプラスである」ということを上司や経営者に理解してもらい、企業が率先して休暇を取得しやすい仕組みづくりに着手する、という流れが双方にとって理想的と言えるでしょう。
【参照】
*1:有給休暇を取得しづらい理由は「職場の空気」が1位に BIGLOBEが「有給休暇に関する意識調査」を実施 – BIGLOBE
*2:有休消化率3年ぶりに最下位に!有給休暇国際比較調査2016 – We Love Expedia
*3:年次有給休暇の計画的付与制度 – 厚生労働省