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Q:休職復帰したメンバーとの接し方が難しい。仕事の質・量とコミュニケーションは、どうすればいい?【人材マネジメントQ&A】

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少子高齢化が進む現在では、優秀な人材を採用・確保・育成するために、人材マネジメントの重要性はますます高まっています。この企画では人事担当者が見えにくい「マネジメントの悩み」を人材マネジメントのプロが解説。ビジネスの現場でマネージャーが抱える課題に効果的なヒントをご紹介します。

今回はカルビー株式会社 常務執行役員の武田雅子さんに、職場復帰したメンバーとのコミュニケーションについて、ご自身の体験も含めながらご回答いただきました。

A:復帰したメンバーの気持ちを最優先にして対話することが重要

復帰したご本人は、職場のメンバーより何十倍も不安だと思います。自分の仕事やポジションはどうなっているのかなど、不安なことがたくさんあると思います。

この場合はまず、復帰したメンバーの不安を察しながら、「私はこう感じている」「私はこう考えている」「あなたはどう感じているのか心配をしている」と、自分の気持ちまでで発言をストップさせておくことが重要です。ついつい、「うまいことを言おう」とか、「いい対応をしよう」と思ってしまいますが、復帰したメンバーは、実はそれを求めていないことが多いのです。

当事者を不在にしないことが大切

一番大事なのは、当事者を不在にしないこと。その人が今どう感じているのかを考えてあげて、そのうえで自分がどう感じているかを伝えるようにしましょう。

「体調が元通りじゃないのかもしれない」「どれくらいのハードワークができるのかわからないので、不安に思っている」など、あなたのことを心配しているんですよと伝えてから、お互い対話していくことがポイントです。

心を配ると書いて「心配」ですから、相手の人にフォーカスして、その人に興味を持ってお話をする。「今、私はこのようなことを心配しているけれど、何かできることはないかな」と伝えるだけでいいんです。

相手を不安にさせてしまうパターンに注意

よくない例として、本当にそうなのかわからないのに、「久しぶりの会社だから仕事のペースを抑えたほうがいいよね」「半年くらい出張は無理なのでは?」などといってしまうことです。ご本人は元気にエンジン全開で「さぁ、がんばるぞ」という状態かもしれないし、何か心配してほしいと思っているかもしれません。まずは、聞いてみないとわからないですよね。

ついつい、相手のことをわかっているかのように余計なことも言ってしまうと、受け取る方は、不安になってしまいます。それは自分に興味がある状態なんですよね。相手に興味を持てば、自然と「今どういう状態なの」と聞けると思います。

何かあったときに言ってもらえる関係の構築が重要

復帰したメンバーと話をする場のつくり方や頻度も1on1と同じで、「これが絶対」というのはありませんが、復帰当初はできるだけマメに、1週間くらいはデイリーに声をかけてもいいと思います。

メンタルやがんの場合は、復帰後も体調の波が出るケースもあります。もし変化があった場合に、「1週間に1回声かけているからいい」ではなくて、何かあったときには言ってもらえる関係を早いうちに築いておくことが重要です。

復帰したメンバーは、「かわいそうがられたくない」とか、「きちんとやっているところを見てもらいたい」など、いろいろなこと考えているので、「決してあなたの仕事ぶりを監視しているわけではない」という接し方を大事にしましょう。

戻ってきたからには活躍してほしいし、いい仕事をしてもらいたいですよね。「そのための仲間として相談してね」というスタンスは忘れてはいけません。話題のフォーカスをその人ではなく、「成果を出したい」という仕事のゴールにしておけば、復帰したメンバーも弱音も吐きやすいんですよね。「あの人のためにがんばりたいけれど、今しんどいから少しだけ代わってほしい」とか、「納期に遅れそうだから助けてほしい」と言いやすくなります。仕事のゴールに一緒に向かっているという雰囲気を忘れないでほしいです。

周りが気を使ってくれることに申し訳なさを感じるメンバーもいると思いますが、「心配しなくても大丈夫」と言っても、性格的に受け入れられないケースもあります。そういうときには、「信頼貯金を使うとき」とアドバイスするのもよいでしょう。

多くの人は、仕事をとおして信頼という名の貯金をたくさん積んできています。他のメンバーの産休時や病気のときにサポートしてきたはずです。「たまたま、貯めてきた信頼貯金をあなたが使っているだけ。あなたが信頼貯金を使うことで、他のみんなも自分が使いたいときに使えるようになるので、協力してほしい」という言い方をしてみてはいかがでしょうか。

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