「いい会社」とは? いい会社づくりに必要なカルチャー定義と浸透のポイント


こんにちは。株式会社SmartHRでプロダクトマーケティングマネージャーを務めている埜村(のむら)と申します。

多くの企業に「人材マネジメント」の概念を理解し実践いただきたいという想いから、『初心者がゼロから始める”人材マネジメント”』という連載をスタートし、第一回では人材マネジメントの基本的な考え方や重要性第二回では人事評価の重要性と、課題を解決するステップをお伝えしてきました。

第三回では基本に立ち返って、そもそも「いい会社」とはどのような会社なのか考えてみたいと思います。

そもそも「いい会社」とは?

「いい会社ってどんな会社?」と聞かれたらどのように答えますか? もしくは「あなたの会社はいい会社ですか?」と聞かれたときに、何をイメージして回答をしますか?

例えば、

  • 福利厚生が手厚い会社
  • 風通しが良く経営と現場の距離が近い会社
  • 売上や従業員数が成長していて勢いがある会社

など、ご自身の経験や現在所属している会社によってご意見はさまざまかと思います。

「いい会社」を作ろうとしたときにまず考える「いい会社の定義」は、多くの企業が頭を抱えるテーマではないでしょうか。定義が難しいのは、社員にとっての「いい会社」とは極めて主観的な概念であり、普遍的に誰にとっても「いい会社」は存在しないからです。

先ほど例に挙げた福利厚生や会社の風通し、成長スピードなども、一部の人にとっては魅力的で「いい会社」と感じる要因になり得ますが、必ずしも全員にとって「いい会社」と感じる要因とはなりません。

私が考える「いい会社」とは、特定の要素のある/なしで定義されるのではなく、「社員や応募者が期待する環境」と「会社が提供する環境」のギャップがない(少ない)会社です。「『いい』と感じるものは人それぞれ違う」という前提に合わせて、「いい会社」の定義を考えることが重要です。

「いい会社」であるためにはどうすればいいか

「いい会社」であるためのポイントは、「自社のカルチャーを定義する」ことと「適切な期待値」を設定することです。

自社のカルチャーを定義する

まず最初にやるべきなのは、自社にとって「いい」とする組織文化や企業風土などの「カルチャー」を定義することです。人によって「いい会社」の定義が違うとはいえ、「自社にとって何を『いい』とするのか」が定まらなければ何もはじまりません。

では、組織文化や企業風土などのカルチャーとは具体的にどのようなものでしょうか。よく言われるのは以下のようなものです。

  • 意思決定方法
  • 情報共有方法
  • 権限委譲の度合い
  • 残業の有無
  • 働き方に関する考え方
  • コミュニケーションの方針 など

これらは会社の歴史の中で気付かぬうちに作り上げられ、しっかりと言語化されていないケースも多くあります。言語化されていないことが原因となり、期待値のズレが発生してしまいます。

適切な期待値を設定しギャップを生まない

自社のカルチャーを定義したら、社内外にカルチャーを発信しましょう。言語化されたカルチャーとは、言い換えると「会社にとって何を優先すべきかを考える指針」です。

例えば、社内にカルチャーが浸透していれば、「うちの会社はスピードを重視しているからA案」や、「お客様ファーストで考えたらB案」と、カルチャーを基準に議論や説明をすることができ、さまざまなシーンでマネジメントコストを下げることができます。変化の激しい時代に、組織内の合意形成や説明に時間をかけることなく、スピード感をもってビジネスを推進することができるのは、大きなメリットといえます。

また、大事なことは「社外」にも自社のカルチャーを発信することです。それによって、応募してくる人材との間にもギャップを生みにくくなります。採用のミスマッチが減り、採用したメンバーが定着しやすくなります。

カルチャーは定義して終わりではなくそれを伝え続けていくことで、徐々にカルチャーに対する理解が深まり、期待値が調整され、ギャップが起こりにくくなります。そして自社のカルチャーの定義にマッチした人材が社内に増えていきます。

カルチャーを定義するときの2つのポイント

「御社のカルチャーはなんですか?」と聞かれたらどのように答えますか?

「いやぁ、うちにはカルチャーなんてないなぁ」と思っている方もいらっしゃるかもしれませんが、実はカルチャーを定義していない会社にも、カルチャー自体は存在します。カルチャーは意図的に作らなくても自然とできてしまうものです。

そのため、「自社のカルチャーはこうあるべき」という理想のカルチャーを定義する前に、まず現在浸透しているカルチャーを把握することが大切です。例えば、エンゲージメントサーベイなどを利用して、カルチャーを定量的に把握する方法などがあります。

(1)カルチャーをビジネスモデルと一貫させる

ここからは効果的なカルチャーを定義するポイントをお伝えしていきます。

自社のカルチャーを定義するときに、カルチャーにしたい要素がたくさん出てきて迷ってしまった場合、どのような基準で取捨選択をすればよいのでしょうか。

カルチャーを定義するときの重要なポイントは、「ビジネスモデルに合わせたカルチャー」を定義することです。例えば、コンサルティング会社のような個人の専門性で価値提供を行う会社と、SmartHRのようなSaaSのプロダクトで価値提供を行う会社では、事業に好影響を与えるカルチャーが異なります。

コンサルティング会社では、個人の専門性を高めることが顧客価値や顧客単価につながるので、競争を誘ったり、人をふるいにかけるような仕組みが効果を発揮します。そのため「成長」「専門性」といったキーワードがよく使われます。

一方、SmartHRのようなSaaSプロダクトを扱う会社は、多くの部門が連携をしながらプロダクトを素早く改善していくことがビジネスにおいて重要です。そのため「協働」「スピード」「改善」などのキーワードがよく使われます。実際にSmartHRのバリュー(行動指針)には「早いほうがカッコイイ」「認識のズレを自ら埋めよう」という言葉が設定されています。

つまり、自社のカルチャーを定義するときは、自社のビジネスモデルを踏まえた上でこれが自分たちの組織作りにおける勝ち筋だと信じ、自分たちの納得いくスタンスに定めることが大切になります。

(2)カルチャーを人事評価に組み込む

また、人事評価とカルチャーを組み込むこともポイントの一つです。SmartHRでもバリューを人事評価に組み込んでいますが、どんな人を評価し、どんな人事制度を構築するのかによって、企業のカルチャーは大きく左右されます。

会社にとって大事な価値観や行動をすることで、しっかりと評価される仕組みになっているかどうかも確認しましょう。

カルチャーの浸透は、カルチャーに基づく意思決定から

カルチャーを定義したら、社内外に浸透させていきます。

カルチャーが浸透している組織では、特に経営陣やマネージャーを中心に、カルチャーに基づく意思決定を行っていたり、日常からカルチャーとして定義された言葉を使っていることが多くあります。重要な意思決定から日々の細かい業務まで、言語化したカルチャーに基づいて判断をし、その理由を従業員に対してカルチャーを用いながら説明する、ということを繰り返すとよいでしょう。

カルチャーは伝え続けなければ形骸化してしまいます。日々従業員とコミュニケーションを取る現場のマネージャー一人ひとりが、従業員一人ひとりの行動・言動まで落とし込めるように支援をしていきましょう。

さいごに

「いい会社」づくりのためのカルチャー定義、そしてカルチャー浸透についてお話しました。このテーマに興味があっても、何から手を付けたら良いのか……とお悩みの企業さまも多いかと思います。

まずは、言語化されていない今あるカルチャーが何なのかを把握するところから始めるとよいでしょう。カルチャーを定義し浸透させるにはある程度の時間とパワーが必要となりますが、長期的にみたときに事業にも好影響となる仕組みですので、ぜひ取り組んでいただきたいです。

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