Q:年上のメンバーをマネジメントしなければ……。どうすればいい?【人材マネジメントQ&A】

少子高齢化が進む現在では、優秀な人材を採用・確保・育成するために、人材マネジメントの重要性はますます高まっています。この企画では人事担当者が見えにくい「マネジメントの悩み」を人材マネジメントのプロが解説。ビジネスの現場でマネージャーが抱える課題に効果的なヒントをご紹介します。

今回はZホールディングス株式会社 Zアカデミア 学長の伊藤羊一さんに、年上メンバーのマネジメントのコツについてご回答いただきました。

A:「機能」と「敬意」を伝えることで理解を得られます

まず、「そもそもマネージャーはどういう存在なのか」を考えるべきでしょう。

マネジメントは、管理する・指示するという話だけではなく、「状況をなんとかやりくりする」という意味があります。「チームをゴールに導いていくためになんとかする人が、マネージャーである」という定義をしっかり持つとよいと思います。

マネージャーとは「機能」であることを説明する

マネージャーとは「人事権や評価する責任、予算を使える権限がある役割」なのです。マネージャーは機能であって、偉いとか偉くないとかではありません。マネージャーはあくまで「機能」であり、その機能のなかで評価しなければいけないことを認識しましょう。

もちろん、マネージャー本人がそう思っていても、メンバー側が「そんなことを言っても、自分は気に入らない」と思っていたら成り立ちません。まずは「人間として、人としてあなたのことをリスペクトしている」ことと、「マネージャーとメンバーという関係は別」としっかり話しておくべきです。

私がプラス株式会社に在籍していたときに、私よりひと回りも年上で、最初はポジションも私より上だったメンバーのマネジメントを経験しました。

そのメンバーが飲みの席で、「俺はお前の先輩だから、俺はお前のことを“伊藤”と呼ぶ。でも仕事の場では“伊藤さん”と呼ぶし、敬語を使う。マネージャーはあくまで機能だから、機能を果たしてくれればいい。マネージャーとしてのジャッジに従うのがメンバーの責務だ」と教えてくれたんです。そしてそれを実行し続けたんです。

人間として偉い、偉くないではなく、あくまでマネージャーとは機能であり、機能を果たすことを、年上の方と話をする必要があります。

1対1で「リスペクト」と「責務」を伝え続ける

年上の方も、伝え続ければば理解はすると思います。でも感情的にはなかなか納得できない。とくに年功序列の会社であれば、感情的に納得できないこともあるのかもしれません。

そこは、ひたすら「機能として、私はこうします」と言い続ける。ことあるごとに1対1でコミュニケーションを深めて「自分はこれを果たそうとしています」と語り、一方で「先輩としてリスペクトしています」と言い続ける。変に気を遣わずに、機能を果たすことを伝えていくと、最後は理解してもらえると思います。

「腫れ物に触る」接し方は厳禁

気をつけるべきは、「言動が一致していること」です。飲みに行ったら先輩への敬意を払い、職場ではきちんと指示する。そこに年下だからとか、偉そうにしていないと理解してもらえれば、年上のメンバーも考えが変わっていくと思います。

やっていけないことは、「なんとなく気をつかう」ことです。腫れ物に触るように接するのではなく、先輩が自分のチームメンバーになるときに「マネージャーは機能でしかないから、機能を果たします。人間として、年上のあなたをリスペクトしています」と、日頃から話しておくようにしましょう。

日本興業銀行、プラス株式会社を経て2015年4月よりヤフー株式会社。現在、Zアカデミア学長として次世代リーダー開発を行うほか、社外でもリーダー開発を行う。2021年4月武蔵野大学アントレプレナーシップ学部を開設、学部長就任。代表著作「1分で話せ」(SBクリエイティブ)。
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