Q:人材配置で適切な決め方がわからない……。どうすれば?【人材マネジメントQ&A】

少子高齢化が進む現在では、優秀な人材を採用・確保・育成するために、人材マネジメントの重要性はますます高まっています。この企画では人事担当者が見えにくい「マネジメントの悩み」を人材マネジメントのプロが解説。ビジネスの現場でマネージャーが抱える課題に効果的なヒントをご紹介します。

今回はZホールディングス株式会社 Zアカデミア 学長の伊藤羊一さんに、適切な人材配置のポイントについてご回答いただきました。

A:「この人が最も解き放たれるのは、どの仕事か」という発想が必須

ポイントは、「このようなスキルがある人材を配置していきたい」ではなく、「この人が最も解き放たれるのは、どのような仕事なのか」と発想することです。
どこに異動するにしても、仕事はポジションによって異なるため、部署異動や新卒の配属の基準というのはありません。

たとえば、チーム内に4つのポジションがある場合でも、その4つの仕事はまったく同じではないですよね。その仕事が「どのような仕事か」「どのような人が特徴を出せそうか」「どのような人が苦手な仕事なのか」を把握することが重要です。

そのうえで、メンバーと日頃から話をしておくことが大切になります。適性を認識するだけではなく、仕事やキャリアに対して、どのような希望を持っているかを常日頃から聞いておく。私は、聞くだけではなく「こんな仕事はどう?」と、1on1の場で提案しています。

ヤフー株式会社では、数年程度の周期で異動するイメージはあります。しかし、部署や対象となる人材の状況を考慮して、「さらに同じポジションで経験を積むべきなのか」「あと少し成果を出したら、次のステージに進むべきなのか」は、ケース・バイ・ケースです。常に個別解になるため、対象者と話して、適正や希望を聞いたうえで検討しなければなりません。

人事担当は現場責任者からの意見集約を

人事担当者が注意すべきことは、現場のマネージャーから意見を吸い上げることでしょう。人事がすべて掌握して、人材を配置している会社もありますが、現場のマネージャーが提言するなど、人事担当者に働きかけながら進めていくべきだと、私は考えています。

その理由は、現場の状況を最も理解しているのは、人事ではなく、現場のマネージャーだからです。だからこそ、マネージャーが「意見の上申は自分の仕事である」と認識しておくことが重要になります。

「従業員にとっての幸せ」の観点で配置を検討するべき

「組織は生き物」といわれるため、人材配置は「組織ありき」になりがちです。しかし、会社という場所が生き物なのではなく、感情を持つ人がいる場所が会社なので、人が解き放たれることが一番必要だと思っています。きれいごとではなく、働く人たちがパフォーマンスを一番発揮できるように体制を構築することが何よりも大事です。現場の状況を理解していない人事が異動を主導してしまうと、「人材は駒」という印象は否めません。駒と言われてやる気が出る人はいないでしょう。

だからこそ、一人ひとりの希望や適正をしっかり認識しておくことが基本になるのです。そのうえで、「従業員にとっての幸せ」という観点を持ち、人材配置を進めるべきだと思います。

日本興業銀行、プラス株式会社を経て2015年4月よりヤフー株式会社。現在、Zアカデミア学長として次世代リーダー開発を行うほか、社外でもリーダー開発を行う。2021年4月武蔵野大学アントレプレナーシップ学部を開設、学部長就任。代表著作「1分で話せ」(SBクリエイティブ)。
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