【SmartHR流】クラウド時代の「労働者名簿(従業員名簿)」管理方法

2021.02.10 ライター:岸本力

こんにちは、SmartHR社内労務ユニットで社会保険労務士の岸本(きしもと)です。

労働基準法一部改正により、2020年4月以降は労働者名簿(ここでは労働基準法で定める名簿を指します)の保存期間が「3年から5年(※当分の間は3年)」に延長され、適切な管理の重要性がより高まっています。

そこで、SmartHR社の社内労務担当が実践している、SmartHRを活用した労働者名簿の正確かつ効率的な管理方法をご紹介します。

そもそも労働者名簿とは?

法定三帳簿と呼ばれる「労働者名簿」「賃金台帳」「出勤簿」のうちの1つで、労働者を雇っている企業(事業場)が必ず調製(作成)しなければならない重要な帳簿として、労働基準法で定められています。

また、労働者名簿に記載すべき内容は、以下の項目と定められています。

・「氏名」
・「生年月日」
・「履歴」(社内での異動・昇進等)
・「性別」
・「住所」
・「従事する業務の種類」(常時30人未満の労働者を使用する事業は省略可)
・「雇入の年月日」
・「退職の年月日及びその事由(退職の事由が解雇の場合はその理由も含む)」
・「死亡の年月日及びその原因」

なお、労働者名簿の様式は法律上で特に限定されてはおらず、必須の項目が記載されていれば問題ありません。

労働者名簿は紙じゃないとダメ? 実務上の3つのポイント

ここで、私の経験則から実務上の3つのポイントをお伝えします。(※法律等で定められている内容ではありませんので、あくまでもご参考程度にご覧ください)

【point1】「紙に印刷して提出できる状態」であればOK

実際、紙の労働者名簿を外部機関へ提出・提示する機会はこれまでほとんどありませんでした。(許認可事業に関連する従業員名簿等は除きます。)外部機関から提出依頼された際は、いつでも速やかに紙で印刷して提出できる状態であれば特段問題ありません。

依頼された際にすぐに印刷できるよう、あらかじめシステムの仕様(印刷方法等)を確認しておくとよいでしょう。

労働者名簿は事業場ごと(本社・支社・支店のそれぞれ)で管理・保管が義務付けられています。SmartHRのようなクラウドシステムを利用することで、現地ですぐに確認・印刷できて便利です。

※法定三帳簿のうち「出勤簿」「賃金台帳」を提出・提示する機会の方が多いです。(労基署等の外部機関からは、労働時間や賃金額を確認されるケースがとても多い。)

【point2】1人別(一人ずつ)の名簿ではなく、一覧表で提出すればよいケースも

労基署調査や助成金申請の際に「紙の労働者名簿の提出」を依頼される場合、1人別(にんべつ)の名簿ではなく一覧表で提出すればOKのケースも多くあります。実際に、労働者数100名以上の企業の場合、提出依頼元からは「1人別だと枚数が多くなってしまうので、一覧表で出してもらえると助かります」と言われることもありました。

また、提出する項目のうち基本情報のみの確認が多く、「履歴」や「従事する業務の種類」を求められたケースは実務上ほぼありませんでした。(※許認可事業に関連する従業員名簿等は除きます。)

労働者名簿の様式は決まっていないため、まずは必要最低限の情報がそろった一覧表から用意しておくとよいでしょう。

【point3】常に最新情報を正しく収集・管理・保管することが重要

最も重要なのは「常に最新情報を正しく収集・管理・保管すること」です!

せっかくよいシステムを導入しても、うまく運用できておらず情報が間違っていたり、古い情報のままにしていたりするのはもったいないですね。

SmartHRを活用し、労働者名簿(従業員名簿)を管理する方法

先ほどお伝えした「【point3】常に最新情報を正しく収集・管理・保管すること」に対応した、SmartHRを活用した実際の管理方法を次に紹介します。

管理方法

入退社や身上変更(住所や氏名など)のイベントに合わせて、従業員自らが必要情報を入力・申請し、社内労務担当は内容のチェックをメインに担います。なお、必要に応じて従業員画面の「業務情報」と「部署情報」にも最新情報を登録しましょう。

「業務情報」や「部署情報」に最新情報を登録することで、「履歴」が管理されます。必要に合わせて異動や業務の種類などの履歴情報確認も容易です。

従業員自ら入力することで、社内労務担当は情報を入力する負担が減り、内容チェックに注力できます。常に正確な情報を効率的に収集・登録でき、クラウドシステムによる安全な管理と保管が可能です。

労働者名簿管理イメージ

作成方法

労働者名簿(リスト)を作成する際は、SmartHRの「従業員リスト」から「表示項目」を設定し、「一覧のダウンロード」をクリックしてCSVデータを出力します。

CSVデータをそのまま印刷して労働者名簿として活用できますし、提出先の要望に合わせた形式に加工して印刷・提出もできます。

労働者名作成イメージ

※詳細な操作方法は、以下のページをご覧ください。

従業員リストを「労働者名簿」として利用する

SmartHRで管理するメリット

SmartHRで管理するメリットをあらためて整理します。

【メリット1】情報収集を効率的かつ正確にできる

従業員本人が入力して申請しますので、従業員の名前や住所などの入力間違いは起こりにくく、労務担当者はチェックに集中できます。紙に手書きされた情報を労務担当者が目で確認しながら手入力する負担もなくなります。

【メリット2】離れた事業場(支店・支社など)でもすぐに最新情報を閲覧・印刷できる

たとえば離れた事業場で急な労基署調査が入った場合でも、クラウドシステムのSmartHRなら労働者名簿の最新情報をその場で閲覧したり、印刷したりできます。

【メリット3】ペーパーレスで安心安全な情報管理を実現できる

紙で収集する書類をすべてSmartHR上でデータ管理し、ペーパーレス化が進むことで、紙の紛失等による情報漏えいのリスクが軽減されます。また、紙の保管場所の確保も必要なく、保管にかかっていたコスト削減につながるのも大きなメリットですね。

※SmartHRではお客様が安心してサービスを利用できるよう、システムや組織体制の管理を強化しております。(SmartHRのセキュリティへの取り組み

今回はSmartHRで労働者名簿の役割も担えることをご紹介しました。紙の煩雑な管理から解放され、ペーパーレス・オンラインで、正確なデータ管理を実現しましょう。

岸本力

SmartHR 社内労務ユニット 社会保険労務士。会社と従業員の双方をWin-Winの関係にすることを信条とし、法律と実態との乖離の調整対応を得意とする。社労士事務所、BPO、大手企業人事、総合法律事務所の社労士法人立ち上げなど、人事パーソンや弁護士・司法書士・税理士等の士業とも幅広く協業。これまで500社を超える企業人事に関わり、人事労務を内側と外側の両面から携わってきた実経験が1番の強み。
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