2021年の年末調整はどう変わる?「令和3年度 税制改正」の3つの変更ポイント

2021.05.31 ライター: 大塚 健斗

こんにちは。SmartHRドメインエキスパートの大塚です。人事労務クラウドソフト「SmartHR」の年末調整機能の開発に携わっています。

先日、国税庁のHPにて令和3年度の「源泉所得税の改正のあらまし」が公開されました。
昨年(2020年)の税制改正で大きな変更があったため、今年の税制改正については年末調整に関わる大きなトピックは無いと想定していました。

しかし、内容を確認してみると実は年末調整の実務が大きく変わるものも含まれていたのです!
そこで今回は、令和3年度の年末調整にかかる税制改正について、具体的に解説します。

年末調整電子化に伴う税務署への事前申告の廃止

概要

本改正は今年から年末調整を電子化する企業にのみ関係するものです。

従来、年末調整の各種申告書を電子化するためには、事前に所轄税務署に申請書を提出して承認を得る必要がありましたが、今年から不要になります。

  • 対象となる書類
  • 扶養控除等申告書
  • 基・配・所申告書(※)
  • 保険料控除申告書
  • 住宅ローン控除申告書

※基礎控除申告書 兼 配偶者控除等申告書 兼 所得金額調整控除申告書のこと

▼提出不要になった申請書▼

 

ポイント1 :年末調整電子化のための事前手続きが不要に

今回の税制改正により、年末調整の電子化のために事前に手続きをする必要がなくなりました。これまで、電子化をする際に税務署へ足を運ぶ必要があり、手間と感じていた方も少なくないのではないでしょうか。その必要がなくなったため、電子化のための申請の効率化に向けたハードルが下がったと考えてよさそうです。

ポイント2:住宅ローン控除申告書が電子化の対象に

昨年まで電子化の対象外だった「住宅ローン控除申告書」が対象に含まれていることも大きなポイントです! こちらは次項で詳しくお話します。

住宅ローン控除申告書の提出方法の変更

概要

住宅ローン控除申告書について、税制改正により提出方法が大きく変わります!

  1. 住宅ローン控除申告書への押印の廃止
  2. 電子化対象に変更

ポイント1:住宅ローン控除申告書への押印の廃止

住宅ローン控除申告書を含め、すべての申告書への押印が不要になりました。
本改正により、電子申告ができない従業員がいる場合の対応も楽になるのではないでしょうか。

ポイント2:電子化対象に変更

年末調整の電子化対応が済んでいる企業、もしくは、今年から年末調整の電子化を予定している企業にとっては、こちらはビッグなニュースかもしれません。

昨年までは、年末調整を電子化対応していても、唯一手書きの原本の提出が必要であった「住宅ローン控除申告書」が今年から電子化されます!

ただし、電子化されるのは「住宅ローン控除申告書」のみとなるため、「住宅ローン控除証明書」部分は原本の提出が必要になります。

(マイナポータル対応がされている年調ソフトでは、「証明書」の電子化も対応可能です。)

※「住宅ローン控除申告書」は「住宅ローン控除証明書」も兼ねており、その関係は下図のとおりです。

▼住宅ローン控除申告書 兼 証明書▼

【注意】年調ソフトごとに住宅ローン控除申告書の電子化対応範囲が異なるので、ご利用予定の年調ソフトの仕様を事前にご確認ください。(※ SmartHRは「B」に該当します。)

▲画像をクリックして拡大表示▲

住宅ローン控除の特例の延長等

概要

最後は消費税10%への増税や、新型コロナウイルス感染症対策に伴った特別措置である「控除期間13年の特例」の延長です。

従来は、新型コロナウイルス感染症対策を踏まえ令和3年末までの入居が条件でしたが、令和4年末までの入居に延長されます。
※一定期間までの契約も条件となっています

注文住宅:令和2年10月から令和3年9月末まで
分譲住宅など:令和2年12月から令和3年11月末まで

 

また、その延長期間については、合計所得金額1,000万円以下の方についてのみ、面積要件が50㎡から40㎡に緩和されます。

ポイント

今年度から住宅ローン控除を受ける従業員については、確定申告で初めて控除を受けるため、実務担当者としては、年末調整のタイミングではそこまで注意しておくポイントではないと考えてもよさそうです。

参考:令和3年度税制改正|個人所得課税・資産課税(PDF)

おわりに

2021年の税制改正により、電子化対応済の場合でも唯一押印と手書きが必要であった「住宅ローン控除申告書」の電子化が可能になりました。

これから年末調整の電子化を検討する場合は、住宅ローン控除申告書の電子化対応範囲を是非確認してみてください。

また、すでに年末調整の電子化対応がお済みの場合は、住宅ローン控除申告書の電子化を前提とした「業務オペレーションの検討」と「従業員への周知」について、早めに考え始めても良いかもしれませんね。

年末調整の時期が少しずつ近づいてまいりました。今年も頑張りましょう!

【編集部より】年末調整 令和3年度「税制改正」のポイント

年末調整!令和3年度「税制改正」のポイントは?
年末調整令和3年度「税制改正」のポイント

【こんなことがわかります】

昨年2020年の税制改正では大きな変更があったため、今年は年末調整に関わる大きなトピックは無いと想定されていました。しかし内容を確認してみると、実は年末調整の実務が大きく変わるものも含まれてます。令和3年度の年末調整にかかる税制改正を具体的に解説します!

  • 令和3年度の税制改正について
  • 税制改正による年末調整の変更点

株式会社SmartHR ドメインエキスパート。ユーザ系SI企業にて人事給与システムおよび給与業務のアウトソーシングを担当する事業に従事。主にシステムの導入コンサルティングを担当し、従業員数3万人を超える大企業や給与業務フルBPOを受託する企業など、20社以上を担当。2020年4月より、SmartHRに参画。
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