2020年に控える「電子申請義務化」。概要や罰則を弁護士が解説

2019.06.20 ライター: 弁護士 浅野 英之

こんにちは、弁護士法人浅野総合法律事務所 代表弁護士の浅野英之です。

電子申請義務化を定めた厚生労働省令が公布され、2020年4月1日から各種行政手続について電子申請の義務化が始まります。

来年の施行とはいえ「少し先のことだ……」と油断せず、準備を進める必要があります。

そこで今回は、電子申請義務化の概要を紹介します。

電子申請義務化の概要

資本金等が1億円を超える法人は、2020年4月から、社会保険手続を紙ではなく、電子申請で行う必要があります(雇用保険法施行規則第6条7項)。

もっとも、電気通信回線の故障、災害その他の理由により電子情報処理組織を使用することが困難であると認められる場合で、かつ、電子情報処理組織を使用しないで当該申告書を提出できると認められる場合は、例外的に紙での申請が認められます(同項ただし書き)。

電子申請義務化の「対象書類」

電子申請義務化の対象となる書類は、次のとおりです。

厚生年金関連

  • 被保険者賞与支払届
  • 被保険者報酬月額算定基礎届
  • 被保険者報酬月額変更届

健康保険関連

  • 被保険者賞与支払届
  • 被保険者報酬月額算定基礎届
  • 被保険者報酬月額変更届

雇用保険関連

  • 被保険者資格取得届
  • 被保険者資格喪失届
  • 雇用保険被保険者転勤届
  • 高年齢雇用継続給付支給申請
  • 育児休業給付受給資格確認票・育児休業給付支給申請

労働保険関連

  • 労働保険概算・増加概算・確定保険料申告書・石綿健康被害救済法一般拠出金申告書

電子申請義務化の「対象企業」

電子申請義務化の対象となる企業の条件は、「大法人(資本金又は出資金の額が1億円超の法人等)、相互会社、投資法人、特定目的会社」とされています。

電子申請義務化の「施行日」

電子申請義務化の施行日は2020年4月1日です。

ただし、労働保険等の各申告書は、2020年4月1日以後に開始する事業年度(課税期間)にかかる申告書の提出について適用されます。

罰則と注意点

「電子申請義務違反」の罰則

違反した場合の罰則はありませんが、申請が無効なものと扱われ、事実上受理されない可能性が高いです。

もっとも、「やむを得ない理由がある場合は次回以降の電子申請を促しつつ、紙での申請を受け付ける」とされており、紙による申請が一切認められなくなるわけではありません。

その他の注意点

電子申請義務化により、人事労務手続きの効率化が予想されます。これに伴い、人事労務手続きに関わる労働者数や配置の調整が必要となります。

また、電子申請に対応するため、電子申請を担当する社員の教育も重要です。

まとめ

電子申請義務化の施行は、2020年4月からです。各々の会社が自社で起こりうる労務管理上のリスクを予想し、早期に対応しておく必要があります。

弁護士等専門家のアドバイスを受けながら、適切にご対応ください。

(了)

 

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弁護士 浅野 英之

弁護士法人浅野総合法律事務所、代表弁護士。企業側労働問題を得意とする石嵜・山中総合法律事務所にて、数多くの労働相談対応、顧問先企業の労務管理を行ってきた経験を活かし、「労働問題に強い弁護士」として、企業側だけでなく労働者側の相談にも対応。労働問題のスペシャリストとして活動中。特に成長中のベンチャー企業、中小企業の人事労務のコンサルティングに定評がある。 【企業向けメディア】ビズベン!企業の労働問題解決ナビ
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