労働者と使用者が結ぶ「労使協定」の概要とは?

2018.08.24 ライター: SmartHR Mag. 編集部

「労使協定」は、労働者側と使用者側との間で結ぶ協定です。労使協定は、協定書を作成する必要があります。

たとえば、時間外労働に関するいわゆる「36協定」のほか、「フレックスタイム制」や「専門業務型裁量労働制」などを決める際に、労使協定が必要になります。

今回は、労使協定の概要について解説していきます。

「労使協定」とは?

「労使協定とはこのようなものである」という法律上の定義はありません。

労働基準法第36条(36協定)など各条文中にある「使用者は、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定により・・・」という内容をさしています。

労使協定には、労働基準監督署への届け出が必要なものと不要なものがあります。

「労使協定」の届け出

届け出が必要な労使協定は、以下のようなものがあります。

  • 時間外労働・休日労働に関する協定(労働基準法第36条、いわゆる36協定)
  • 1ヶ月単位の変形労働時間制に関する協定(労働基準法第32条の2)
    ※就業規則に定めた場合には届け出不要
  • 1週間単位の非定型的変形労働時間制に関する協定(労働基準法第32条の5)

賃金の口座振り込みに関する協定、休憩時間の一斉付与の原則を外す場合の協定などは届け出不要とされています。

「労使協定」その他の注意点

届け出不要でも、協定書の作成・従業員への周知は徹底しなければなりません。

また、労使協定書には、協定した内容・協定の有効期限を記載する必要があります。

労働者への周知義務や労働基準監督署への届け出義務に違反した場合は、会社側に30万円以下の罰金刑が科せられる場合もあるので注意しましょう。

例えば、「36協定」と呼ばれる時間外労働に関する労使協定は有名ですが、届出義務違反が判明した場合には6ヶ月以下の懲役刑が科される可能性もあります。

「労使協定」の効果

労使協定を結ぶと、労働時間に関することなどの労働基準法で定められている制限が解除されます。本来、労働基準法に違反した場合、会社が処罰されますが、労使協定を結んでいれば罰を受けることはありません。これを「免罰効果」といいます。

例「36協定」

ここでは、時間外労働や休日労働に関する労使協定である「36(サブロク)協定」を例に説明します。

36協定を結んで管轄の労働基準監督署に届け出すれば、時間外労働をさせても会社側が処罰されることはありません。
(ただし、働き方改革法の成立に伴い、2019年4月1日以降、中小企業は2020年4月1日以降、時間外労働の上限規制が設けられます)

労働基準法で、1日に8時間・週に40時間を超えて労働させてはならないと決められていることは多くの人が知っていることです。労働者の身心の健康を守るために労働時間は守られるべきですが、経済活動や国民の利便性を確保するために、労働基準法に定められた規定の例外が必要になる業種もあります。

そこで必要になるのが、労働者と会社側で例外について合意する「労使協定」です。

まず、以下のような項目について決めます。

  • 時間外労働をさせる理由
  • 業種
  • 労働者数
  • 1日あたりの延長時間
  • 有効期間

これを書面にしたものが「労使協定書」で、従業員代表者と会社が協定を結び、労働基準監督署への届け出・労働者への周知をして効力発動となります。

有効期間は1年間が一般的で、毎年忘れず届け出るよう注意が必要です。

「労使協定」の書式

業種や事業所単位で必要になる労使協定の種類は違いますし、細かい条件も異なります。

労働時間に関する協定・賃金に関する協定など、内容が異なれば、同じ書式で書くことは難しいでしょう。

労働環境の整備を管轄している厚生労働省のHPでは、各種の労使協定書のひな形を公開しています。

労使協定の締結や協定書の作成が難しいと感じた場合は、社会保険労務士などの専門家に相談・依頼することもできます。

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